国枝慎吾、澤穂希、北澤豪、中山秀征が登壇!「発想がすごい」パラリンアートカップ表彰式2025/11/13 16:15

元プロ車いすテニスの国枝慎吾氏、元女子サッカー日本代表の澤穂希氏、サッカー元日本代表の北澤豪氏、中山秀征が、都内で行われた「Doronkoパラリンアートカップ2025」表彰式に登壇した。
「一般社団法人 障がい者自立推進機構」が主催する「Doronkoパラリンアートカップ」は、障がい者アーティストに発表の場を提供し、社会とつながる機会を広げることを目的に始まったアートコンテスト。9回目となる今年は、スポーツイヤーとなる2025年を見据え、「拓(ひら)け、新たなジブン」をテーマに開催。新設された中・高校生部門を含め、全国からは369点もの多彩な作品が寄せられ、応募作は競技ごとにプロ選手会や有識者が審査を行い、グランプリをはじめとする各賞が選出された。
最優秀賞には、相撲をテーマにした千葉県・mytoshiさんの「ま、まずいっ!!」が選ばれ、本人は「パラリンアートは新たな人生の出発」と、受賞の喜びを力強く伝えた。準グランプリは、水泳選手の迫力と光を鮮やかに捉えた「世界一輝け!!」(NAMYさん)。このほか、日本プロサッカー選手会賞「明日に向かって」、日本バスケットボール選手会賞「無限のジャンプ」、日本ラグビーフットボール選手会賞「Brave Blossoms with earth」、日本プロ野球選手会賞「拓け! ホームラン」など、各競技団体が選出する個性豊かな賞も発表された。
各賞の発表では、プレゼンターを務めた4人が受賞者と直接言葉を交わした。澤穂希賞に選ばれたカミジョウミカさんの「カラフル世界でサッカーしたい」について、澤氏は「サッカーボール一つで、国籍や性別を超えてみんなが笑顔になっていく感じが素晴らしい。“彩り”にあふれた作品でした」と評価。
北澤豪賞では、現役時代の北澤氏のプレーを描いた中矢幸夫さんの「シュート北澤」が受賞。北澤氏は「この絵、僕ですよね(笑)。現役時代、いろんな方が思いをはせてくれて戦ってこれたということを改めて感じることができる作品でした」と目を細め、当時を懐かしんだ。
国枝氏は、準グランプリを受賞したNAMYさんの「世界一輝け!!」に触れ、水泳を描いた作品について「色彩のインスピレーションがすごい。僕も引退後に水泳を始めて、最近泳げるようになりました。こんな風に勢いよく飛び込んでみたいと思いました」と感心した様子で語った。

そしてグランプリ発表では、中山が受賞者のメッセージを代読。これまでの苦労と母の逝去を報告しながらも「悲願のグランプリを母に見せたかった」という受賞者の思いが読み上げられると、中山は「お母さまは天国で必ず喜んでおられると思います」と言葉を添え、会場を温かな空気で包んだ。
その後に行われたトークセッションでは、アートとスポーツが交わる面白さについて4人が意見を交わした。中山が「皆さんの作品はテーマや色の使い方の発想が違う」と切り出すと、国枝氏は「どれもカラフルで、この発想はどこから来るんだろうと驚かされる。飛び込む瞬間の勢いをあんなに色彩豊かに表現するんだと感じました。実際に作業しているところを見てみたい」とうなずいた。
北澤氏も「年々レベルが上がっていると感じます。グランプリ作品を見て、『この一瞬をこう切り取ったんだ』と感心しました」とコメント。すると中山が「勝ったのか負けたのか、どちらとも受け取れるのが面白いですよね」と応じた。それを受けて北澤氏は「僕はなんとなく“負けた瞬間”にも見えるけれど、そこが魅力なんです。テーマへのメッセージがしっかり伝わってくるし、逆境をああやって絵で表現している」と続け、作品の奥行きに刺激を受けたことを明かす。

また、自身の現役時代を描いた「シュート北澤」について触れ、「Jリーグ初年度の頃だと思いますが…」と振り返ると、澤氏が「私、中学生の時に同じクラブハウスにいたんですけど、北澤さんってストッキングをいつも下げていて、その履きこなしが絵にも表現されているんですよ」と笑顔でエピソードを告白。さらに、「私は絵心がまったくなくて(笑)、思いを色や形で表現できる皆さんが本当にすごい」と話し、受賞者への敬意をにじませた。
話題は次第にスポーツの魅力へと広がっていく。国枝氏は「9歳で車いす生活になるまでは水泳をしていたんです。その後、20歳の頃に一度再チャレンジしたんですが、久しぶりすぎて水中で一回転しちゃって(笑)。そこから水への恐怖心があって…」と打ち明ける。しかし引退後、再びプールに戻り、「今では平泳ぎで50m泳げるようになりました」と笑顔を見せたうえで、「できなかったことができるようになる瞬間こそ、スポーツの醍醐味(だいごみ)」と、挑戦し続けることの尊さを会場に伝えていた。

この日のステージには国民栄誉賞受賞者が2人並び、中山が「国民栄誉賞が2人もいるんですよ!」と声を弾ませる一幕も。両者に挟まれた北澤氏は「ちょっと後ろに下がろうかな」と苦笑しつつ、「こうして皆さんの作品を拝見すると、本当に多様な視点に刺激を受けますね」と語り、会場の笑いと共感を誘う。
サッカー以外の競技経験について話が及ぶと、澤氏は「3歳から12歳までは水泳をやっていました。サッカーは6歳から30年間」と自身の歩みを振り返りつつ、「個人競技はメンタルが落ちた時、どう乗り越えていくのかが難しい。団体競技は、足りない部分を仲間がカバーしてくれる。私は性格的に、個人競技は向いていないと思います」と率直に打ち明ける。
これに対して国枝氏は「僕は逆に、すべてが自己責任で完結する個人競技のほうが向いていましたね」と笑顔で返し、競技の違いによる感覚の差を明かす。さらに澤氏と北澤氏は、「団体競技は負けた時に気持ちが分散するし、喜びは倍増、悲しみは半分。そこがチームスポーツの良さ」と声をそろえ、長年チームと歩んできた選手ならではの視点を示した。
トークの終盤には、毎年副賞として贈られている“新米”の話題で会場が和んだ。中山が「このご時世にお米をいただけるなんてぜいたくですよね」と振ると、昨年の受賞者の佐々木希さんの母親も「私もお米をいただいて、食べ盛りなので本当に助かりました」と笑顔で応じる。さらに「2歳からお世話になった療育園にも一部を寄付させていただき、先生方もとても喜んでくれました。本人も『自分が誰かの役に立てた』とうれしそうでした」と明かし、受賞の喜びが周囲にも広がっていることを伝えた。

また、来年10回の節目を迎えるにあたり、北澤氏は「応募作品が増え、レベルも上がっている。審査する側も視点を磨かないと」と気を引き締めた表情に。「来年はサッカーのワールドカップイヤー。作品のテーマとしても広がりが出ると思うので楽しみにしています」と展望を語った。澤氏は「障害のある人もない人も、互いを理解し合い、支え合える社会に近づいてほしい」とメッセージを送り、国枝氏も「今年はテニスの作品を見なかったので、来年はどんなテニスの表現が見られるか楽しみです」と期待を寄せた。
授賞式後には囲み取材が行われ、4人は率直な思いやエピソードを次々と披露。記者から「現役時代のどんな瞬間をアートにしてほしいか」と問われると、北澤氏は澤氏のプレーを挙げ、「澤さんなら“アメリカ戦で放ったアウトサイドシュート”を描いてほしい。あの瞬間は今も自分の中で時間が止まっている。絵になると思います」と力強く語る。澤氏は照れ笑いを浮かべつつ、「私は『背中』ですね。苦しい時にチームメートに“私の背中を見て”と言っていたので、背中で示すキャプテン像を描いてもらえたらうれしい」と思いを伝え、「タイトルは? と聞かれたら『苦しい時は、私の背中を見て』(笑)」と題した。

国枝氏は「東京パラリンピックで優勝したあと、仲間と抱き合った瞬間」を希望し、「個人競技でも、そこに至るまで支えてくれた人がいる。その一体感を描いてほしい」と願いを込める。“作品のタイトル”を求められると「一人じゃないぞ」と答え、力強いメッセージを残した。一方、中山は「僕はピンマイクをつける瞬間ですね。テレビの仕事はそこから始まる。山口百恵さんがマイクを置いたように、僕は最後ピンマイクを置くんじゃないかな(笑)」と独自の視点で語り、「タイトルは『さあ、やろうか』で」と軽妙に締めて周囲を笑わせる。
アートとの距離感についての質問では、国枝氏が「小学生以来絵を描いていないので、これを機に美術にも触れてみたい」と話し、澤氏は「娘と“絵しりとり”をするんです。私と娘は分かるんですけど、夫にはまったく分からないみたい(笑)」と家族のほほ笑ましいエピソードを披露。自身の書道展なども開催している中山は、「海外では書道も“アート”として評価された。書も絵も、感じて見ると近い存在」と経験を交えて語り、アートの裾野の広さを伝えた。

最後に「今年中にやり残したことは?」という質問が投げかけられると、北澤氏は「今週末からデフリンピックが始まる。100周年の節目が東京で見られるのは貴重なので、多くの方に触れてほしい」と呼びかけた。澤氏は「現役の頃よりスポーツ観戦の機会が減ったので、生で見に行きたい競技がたくさんある」と話し、国枝氏は「やり残したことはないですが、最近までアメリカにいたので、英語の勉強と体を動かすことを続けたい」と穏やかな表情で今後を見据える。

芸能生活40周年を迎えた中山は「書の個展や本の出版など、いろいろ挑戦してきた。今年はこのあとコンサートと初のディナーショーが残っているので、しっかり節目の年を締めくくりたい」と意欲を語り、会見を締めくくった。
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