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水谷豊×岸部一徳×檀れい「無用庵隠居修行」第9弾。江戸の“米騒動”に半兵衛(水谷)が立ち向かう2025/07/31 05:00

水谷豊×岸部一徳×檀れい「無用庵隠居修行」第9弾。江戸の“米騒動”に半兵衛(水谷)が立ち向かう

 BS朝日では9月23日に、水谷豊が主演を務め、岸部一徳檀れいが共演する痛快エンターテインメント時代劇「4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行9」(午後7:00)を放送。3人のコミカルで軽快な絡みは健在。江戸庶民や下級武士の生き生きした日常を描きつつ、主人公の半兵衛(水谷)がひょんなことから江戸に巣食う巨悪を痛快な手法で退治する。

 「無用庵隠居修行」シリーズは、直木賞受賞作家・海老沢泰久の短編時代小説が原作。「だましゑ歌麿」(2009・12・13・14年/テレビ朝日系)シリーズの主演を務める水谷と吉川一義監督のタッグでおくる、笑いとサスペンスあり、感動ありの時代劇だ。武士の日常をコミカルに描きつつ、武家社会に潜む人間模様を“事件”を絡めて描く。17年に初放送して以来、年に1回、これまでに第8弾まで回を重ねた人気シリーズだ。

 最新作には妻の奈津(檀)、用人の勝谷彦之助(岸部)を始め、おなじみのメンバーがズラリとそろう。半兵衛の悪行退治に力を貸す元御庭番衆・藤兵衛に田山涼成、半兵衛がなじみにしている料亭女将のお咲に中山忍、半兵衛の息子で目付・日向新太郎に田中偉登、奈津(檀)の母・郁に市毛良枝、父・清四郎に橋爪淳、半兵衛の理解者でもある火付盗賊改・長谷川平蔵に榎木孝明、半兵衛を高く評価している老中・松平定信に杉本哲太など、豪華レギュラーキャストが集結。

 さらに、安井順平櫻井淳子橋本良亮A.B.C-Z)、佐戸井けん太、中村又五郎らがゲスト出演することも決定。加えて、「第48回日本アカデミー賞」最優秀作品賞などを受賞した映画「侍タイムスリッパー」(24年)で初主演、一躍注目を集めた山口馬木也が剣術指南役として登場し、水谷と立ち回りも披露するほか、奈津が大切にしていた畑を荒らす泥棒役として、お笑い芸人のあばれる君も出演し、半兵衛や奈津とコミカルなシーンを繰り広げるのはもちろん、事件解決のキーマンとして活躍する場面も。

 今作では、飢饉(ききん)による米不足の世でありながら幕府がいざという時に流通させようと米を蓄えていた義倉(ぎそう)が盗賊に狙われるエピソードが描かれる。半兵衛と懇意の老中・定信(杉本)が推し進める倹約政策を逆手にとり、町の商人から高価な物品を言葉巧みにねだる悪徳大名と、その“米騒動”の関係が半兵衛らの活躍によって明らかになる。そこには、定信の地位が危うくなる巨大な陰謀が隠されていた!?

 隠居浪人として、妻の奈津や用人・勝谷(岸部)と平穏に暮らす半兵衛が、どのようなきっかけで事件を知り、持ち前の正義感を発揮して解決へと突き進むのか? おなじみとなった変装や密偵を駆使しての謎解きは痛快そのもの。さらに悲しい過去を背負った女性医師に半兵衛がそっと寄り添う人情噺(ばなし)も描かれる。

 本作が長く続いた秘訣について、水谷は「この作品も9作目になりますが、よく夫婦で“空気みたいな関係”と言うじゃないですか。僕は私生活でそんなことを思ったことはないんですが…(笑)、この作品でそれが少し分かってきました。今回はそんな“空気みたいな”感じがしていました」と話し、ナチュラルに作品と向き合っている様子。

 水谷が発した、「空気みたい」という感覚に関して「なんとなく分かる気がします」と同調した岸部は、「『無用庵』は他の作品では感じない不思議な魅力があります。家に帰ってきたような、(現場に)迎え入れてもらっているような」と言い表した。

 続けて檀も、「“空気みたいな関係”というのはうれしいですね。『無用庵』が始まった時には水谷さんと一徳さんのお二人が、これまで共演し積み上げてきた呼吸による掛け合いが本当に楽しくて。その中に私はどういうふうに入っていけばいいんだろうと思っていましたが、回を重ねて丁寧に作っていく中で、“空気みたい”と言っていただけたのはすごくうれしいです」と喜んだ。

 今年90歳になった監督・吉川氏について、「去年よりもエネルギーがあったような気がします。演じていて、ただただ楽しい監督です」(水谷)、「いつまでも勉強させてもらっています。それが回を重ねるごとに、ますます良くなって、空気のようになっていく、というのが理想ですね」(岸部)、「とてもお元気で、年齢を感じさせない頭の回転の速さ、鋭さとか、お芝居を作っていくうえでの誰もがひきつけられるような演出とか、現場に来るたびにいろいろな発見があってすごく刺激的です。すてきな監督とお仕事させていただいていると思います」(檀)と、それぞれ絶賛した。

 加えて、水谷が「『無用庵』がこれだけ続くということは、見てくださる方が楽しんでくださるから。それを実感しています。吉川監督との作品を皆さんが楽しんでくれている、その皆さんが楽しんでくださるエネルギーがこちらに返ってきて、また次へ行けるわけですから。いい循環になっていると実感しています」と付け加えた。

 今作で、山口との立ち回りを披露した水谷は「本格的に勉強したことがなかったので、自分としては少し心配だったのですが、殺陣師の方から教わっていくうちに立ち回りのことが理解できてきたんです。今は立ち回りのシーンが楽しみになりました」と、手応えを感じている様子。プラスして、「畑泥棒のシーンの奈津は面白かったですね。今まで妻の奈津があんなことになる場面はあまりなかったので、新しい妻を見たような新鮮な気持ちでした」と、水谷が新たな発見について明かした。

 そんな奈津をキュートに表現している檀は、奈津を演じるにあたって最初に監督から「おてんばであってほしい」と言われたそうで、着物姿のままでさまざまなことに挑戦していると言う。「時代劇で着物を着てカツラをかぶると、おしとやかな所作を心掛けなければいけないのですが、奈津を演じている時はおてんばが許されているので、一作目から楽しんでやってました。この格好で魚釣りもしましたし、遊女に化けて辻切りをおびき出したり、おてんばを発揮してきました。時代劇ですけど、奈津はどんなことにも飛び込んで『いろいろなことやっちゃおう!』みたいな楽しい役ですね」と話す檀。水谷が絶賛したように、畑のシーンで、あばれる君と奈津の軽妙なやりとりは必見だ。

 「相棒」シリーズ(00年~/テレビ朝日系)でも共演している水谷と岸部。「相棒」では、水谷の上司である小野田公顕官房長役で出演していた岸部だが、本作では立場が逆転し、岸部は水谷が担う半兵衛の用人である勝谷として出演している。人生の先輩である岸部に対して「後にも先にも、岸部一徳さんを呼び捨てにする役は、この作品だけ」と恐縮しつつ、「勝谷!」と呼びつけて命令できる半兵衛役を楽しんでいる様子の水谷。「誰にも味わえない密かな楽しみです」とニヤリ。それを受けて岸部が「水谷さんとは長い付き合いですが、『一緒にやって楽しい』などの感覚を通り越して、説明できない何かを感じているからお互いの関係が続いているわけで、僕は一緒にいて幸せを感じています」と打ち明けると、水谷が「勝谷!」と呼び捨てにしつつ「ありがとうございます!」と感謝し、スタッフから笑いが起きた。

 おなじみの変装シーンも本作の見どころとなっている本作。そのことについて「ある時から気が付いたら毎回変装しているんですよね(笑)」と、人ごとのようにとぼけて見せる水谷。しかし、変装は嫌いではないようで、「今では台本を読む時に『今回はどんな変装をするんだろう』と楽しみになっています。今回は店主を装いましたけど、ここだけ半兵衛とは別人になれるので本当に面白くて楽しいですね。変装して潜入、悪人をだますという大事なシーンなのですが、コメディーでその一連を表現するという楽しいシーンです」と、なくてはならないシーンであることを強調した。

 同じく、そのシーンで変装に参加した岸部が「僕は水谷さんの後ろに控える番頭さんを楽しくやらせていただきましたが、水谷さんを見ている方が楽しかったです(笑)」と打ち明けたほど、今回も楽しいシーンになっているようだ。一方、「今回は奈津の変装はないんです」とホッとしたような寂しいような表情を見せた檀は、「悪人をだまして成敗する変装シーンはとても楽しみなので、視聴者の皆さんと一緒に楽しみたいと思います」と、半兵衛が演じる商人、による痛快な“だまし”シーンを推していた。

 そんな「無用庵隠居修行」シリーズも今回で9作目。次回作があるとすれば10作目になるが、水谷は「始まった時はビジターのような気持ちだったんです。それが、ある時から皆さんがわれわれを受け入れてくださり、ホームに戻ってくるような感覚になりました。こういう思いになれる仕事というのはそうそうないと思います。そういう意味で本音を言えば、できる限りやりたいなと思っていますが、もし次があるとしたら…。う~ん、どうかな…。あるんじゃないですかぁ?(笑)」と、期待している様子。

 水谷の告白にまんざらでもなさそうに、「(次があると)とうとう言いましたね(笑)!」と苦笑する岸部は、「僕は一番年上なんですが、『無用庵』は、少しずつ何かが衰えるのを全部受け入れてくれる作品なんです。それが他にはないところ。例えばちょっと足が痛いんですと言っても痛いままでいいんだと。年を取ることになんの抵抗もない、珍しい現場です(笑)。そういう形で続いていくならば、楽しいだろうなと思っています」と、次回作への意欲を見せた。

 そして檀も、「お二人の話をうかがっていると、これは続きますね(笑)。11作、12作と…。そういうふうに続いていったら、こんな幸せなことはないという作品です」と目を丸くする。そして「監督、スタッフの皆さん、出演する私たち、もちろん見ている視聴者の皆さんも、小さなお子さまから年齢を重ねた人生の大先輩たちまで、幅広い世代の方がこの作品を本当に楽しんでくださっているので、水谷さんと一徳さんの予言通りになることを私は切に願っております」と笑顔で答えた。

 さらに、檀がクランクイン時を振り返り「スタッフの方から『日向半兵衛役の水谷豊さんです!』と水谷さんの紹介があった時、皆さんから拍手が鳴り止まなかったんです。ずっと拍手をしてくださって、いつまで続くんだろうと思ってしまうぐらい。それを聞いた時に松竹撮影所の皆さんは私たちが帰ってくるのを待っていてくださったんだ、この撮影をすごく楽しみにしてくださっているんだというのを感じて、撮影初日なのに目頭が熱くなりました。この作品は一本でも長くやるべき作品なんだと、見てくださる方だけでなくスタッフにとっても、役者にとっても大事な作品なんだと強く感じました」と、温かいエピソードを披露した。

あらすじ

水谷豊×岸部一徳×檀れい「無用庵隠居修行」第9弾。江戸の“米騒動”に半兵衛(水谷)が立ち向かう

 欲を捨てて年寄りらしい暮らしをするつもりだった元旗本の半兵衛。だが、若い奈津を娶(めと)り、ますます盛んな日々を送っている。家督を譲った息子・新太郎(田中)も目付に出世、最近では奈津が菜園で野菜作りを始め、自らも畑仕事を手伝うことも。そんな大殿・半兵衛の変化に目を丸くする用人・勝谷だが、やはり半兵衛同様、奈津の手伝いをすることに。

 半兵衛は頼まれた絵を届けに隠居浪人・乾友之助(佐戸井)を訪ねる。友之助は岩槻藩の元用人。家督を息子の彦太郎(橋本)に譲ったが、今は胸の病に苦しみ、最近越してきたという医者のお美津(櫻井)に診てもらっているようだ。

 そんな中、飢饉や災害に備えて米を蓄えている義倉が襲われる事件が続発した。半兵衛を訪ねてきた新太郎によると、定信も民に米が配れないと頭を痛めているとか。そんな庶民が困窮する中、岩槻藩の大名・曽根忠信(安井)は権力に物を言わせて高額の物品をせびっているという。岩槻藩といえば友之助の…。その息子・彦太郎が新太郎に曽根の悪事を訴えて来たらしい。

 ある日、畑から野菜が盗まれる事件が発生し、奈津の畑も荒らされてしまった。奈津らに泣きつかれた半兵衛は機転を利かせると畑泥棒の次郎吉(あばれる君)らを捕まえることに成功する。半兵衛に叱責された次郎吉は義倉の米を奪った犯人を目撃したと訴え、必死に許しを乞う。

 新太郎は目付として曽根に忠告するも煙に巻かれてしまった。相談を受けた半兵衛は岩槻藩が「初兎」という新米でもうけていることを知るが、お咲(中山)の店で口にした「初兎」の味に、ある疑念を抱く。さらに曽根はお咲の店でも高価な品をせびっていたらしいが、お咲は曽根のそばにいた目つきの悪い侍(山口)が恐ろしかったという。

 半兵衛が友之助を訪ねると、病が悪化しお美津に看取られ息を引き取ったあとだった。そこへ文蔵(山中)が何者かに彦太郎が襲われたと知らせにきた。お美津とともに駆け付けた番所で半兵衛は、彦太郎が口封じのために斬られたらしいと知る。そして、その傷は義倉で斬られた者と同じ特徴のあるもの。半兵衛はその傷にある記憶が…!? もはや放ってはおけぬと、半兵衛は籐兵衛(田山)に曽根らを探らせて、巨悪に立ち向かう。

 今回の「無用庵隠居修行9」も4Kで制作されており、BS朝日4Kチャンネルでは高精細かつ臨場感あふれる時代劇が楽しめる。なお、前作までの全8作は、9月に再放送が予定されているので、新作の放送までにぜひ見ておきたい。

【シリーズ「無用庵隠居修行」一挙再放送!】 
「無用庵隠居修行」 9月1日 午後7:00〜8:54
「無用庵隠居修行2」9月2日 午後7:00〜9:00
「無用庵隠居修行3」9月3日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行4」9月8日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行5」9月9日 午後7:00〜9:00【4K】
「無用庵隠居修行6」9月15日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行7」9月16日 午後7:00〜8:54【4K】
「無用庵隠居修行8」9月22日 午後7:00〜8:54【4K】



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