兵藤るりが第43回向田邦子賞贈賞式で喜びを語る! 清原果耶、佐野勇斗、望月歩らが祝福2025/06/24 20:59

優れた脚本作家に贈られる向田邦子賞(向田邦子賞委員会)の第43回贈賞式が、6月24日に都内で開催され、受賞者の兵藤るり氏が登壇した。受賞作は、4月23日に行われた選考会で、2024年10月20日~12月22日に放送された「マイダイアリー」(テレビ朝日系=ABCテレビ制作)に決定していた。
贈賞式では、兵藤氏が受賞の喜びを語ったほか、岡田惠和選考委員による選考経過の説明、大森美香選考委員から賞状の授与が行われ、株式会社東京ニュース通信社・代表取締役社長・奥山卓から、本賞の特製万年筆と副賞の賞金が贈呈された。


本賞はこれまでの受賞者(脚本家)が選考委員を務めているとあり、岡田氏は「同業者が同業者を選ぶのは大変なことで、生半可な気持ちではできない。この賞を得ることで変わる人生も体験している人間たちが真摯(しんし)にやらせていただいております」と前置きした上で「一番話が弾んだ、そういう選考だったと思います」と選考の経緯を語る。その理由を、「(『マイダイアリー』は)けして派手なドラマではないですけれど、同業者であり、年齢も上の方がたくさん語ることがあるというのは、とてもすてきなドラマである証だと思います」と証言した。
また、ドラマの企画・プロデュースを行った朝日放送の清水一幸氏が祝辞を述べ、制作に携わった東映のドラマ事業部門長の塚田英明氏が兵藤氏のさらなる活躍に期待を込めて乾杯のあいさつを行った。さらに、受賞作「マイダイアリー」に出演した望月歩が大きな花束を抱えて駆け付け、お祝いのスピーチをおくり、主役を演じた清原果耶、共演の佐野勇斗(M!LK)からはビデオレターが届き、兵藤氏の受賞を称えた。
◆兵藤るり 受賞スピーチ

このたびは、向田邦子賞という栄誉のある賞を受賞できて、非常にうれしく思っております。受賞の発表の時に、「この賞は、私の本を信じて最後まで見届けてくださった視聴者の方、最後まで丁寧に演じてくださった役者の方、スタッフの方のためにもらうのだ」と申し上げました。その気持ちは変わらずですが、ただ一つ自分に返ってくるものがあるとすれば“自分と作品とのつながり”だなと思っています。
脚本というものに触れる前に「阿修羅のごとく」という小説を読み、「これほどの孤高の脚本家が日本にいたんだ」と思った、その向田邦子さんというお名前の入った賞を自分がいただいたということもつながりですし……。「弟子だとは思ってないと」申し上げはしましたが、ゼミで過ごした2年間は非常にかけがえのないものでしたし、こうやって坂本(裕二)さんの前でスピーチができることはうれしいこと。それもつながりだと思います。また、仕事を通じて「この人のお芝居もっと見たいな」と思う役者さんにたくさん出会えたとこともつながり。そうやって、自分が脚本を書いていく中ででき上がった“つながり”というものにちょっとした幸せを抱くことが自分に返ってくるものの一つなのかなと思っております。
私は、どんな作品でも「これが最後かもしれない」と思って書いてるので、これをきっかけにもっと頑張るとは気軽に言うことはできません。ひたすらストイックに、丁寧に誠実に作品に向き合っていくことが自分にできる仕事だと思うので、それをこれからも続けていきたいです。その中で、この時代を生きる大人の一人として、これから生まれてくる子どもたちや今を生きる悩んでいる若い人たちに向けて、“自分は何ができるんだろう”と考え続けていけたらいいなと思っております。ありがとうございました。
◆「マイダイアリー」出演者 祝福コメント
【清原果耶】

るりさん、ご無沙汰しています。第43回向田邦子賞ご受賞おめでとうございます。お知らせを伺った時に、自分のことのようにとてもうれしく思いました。るりさんが大切に紡いだ数々の言葉を優希を通して発した時に、「なんて、人を傷つけないで誰かの心を温められる力の強さを持った言葉たちなんだろう」とすごく感銘を受けながら撮影させていただいておりました。るりさんが描く世界にまた参加したいなと思っています。ドラマでも映画でも、これからもるりさんの世界に入り込めるように、女優として精進します。またお会いしましょう。
【佐野勇斗】

兵藤るり先生、向田邦子賞受賞おめでとうございます。今日はスケジュールの都合で会場までお祝いに伺えず申し訳ありません。「マイダイアリー」の脚本を読んだ時に、すごく面白くて、「この作品に出演したいな」と思いました。「この脚本なら向田邦子賞を受賞するだろうな」と思って読んでいました! 現場でも脚本の話がよく上がって、主演の清原さんとも「本当にいい脚本だよね」と話していました。すごく心温まるお話ですし、僕の周りにも「マイダイアリー」のファンがたくさんいます。兵藤先生はすでにたくさんのご活躍されてますけど、これからもっと有名になると思うので……また僕を使ってください(笑)。兵藤先生、緊張していると思うんですけど、笑顔で!(笑)
【望月歩】

すてきな脚本の中で、スタッフの方々とキャストのみんなと作品作りに参加できたこと、その中で息ができたことが本当に幸せでございました。作中に「ふと人生の日記を読み返したくなった」というフレーズがあるんですけど、本を読んでいると、その言葉のままの感覚になって。あるはずのない思い出を読み返してるような……「ここ、俺こんな顔してたっけ」と思いながら写真を見ているような感じがして。そんな生き生きとした世界が脚本に広がっていて、それを読んで演じる時間がすごく幸せだったなと思っています。
僕は大学に行っていないので、(本作の舞台となる大学生活には)もっと華やかなイメージがあったんです。でも、それだけじゃなく、ゆっくりと温かい日常の中でのんびり時間が過ぎていく……その楽しみ方を教わった作品になったのかなとも思います。10年後、20年後、僕がふと思い出す時間の一つはこの作品なんじゃないかなと感じています。今回のこういった場所で、このようにあいさつできていることがとても幸せです。あらためて、おめでとうございます。

【プロフィール】
兵藤るり(ひょうどう るり)
1996年12月29日生まれ。東京都出身。大学を中退後、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域に進学した。ドラマ「就活生日記」(2020年)で脚本家デビュー。夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」(23年)で「第42回(2023年度)向田邦子賞」にノミネートされた。
<向田邦子賞とは>
故・向田邦子さんがテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績を称え、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に贈られる賞として、1982年に制定。選考は歴代受賞者らによる向田邦子賞委員会が担当。前年度に放送されたテレビドラマを対象に、選考委員がノミネート作品を選定。本選を含めて4回の討議を経て受賞作品を決定している。選考委員は大森寿美男氏、岡田惠和氏、大森美香氏、井上由美子氏、坂元裕二氏(向田邦子賞受賞順)。
取材・文/TVガイドWeb編集部 撮影/蓮尾美智子
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