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「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!2025/05/01 17:20

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 NHK Eテレで放送中の「日曜美術館」(日曜午前9:00)は、今年で放送49年目を迎える美術番組。時を超えてなお心に響く古今東西の“美”と、時代をつなぐ架け橋となってきた。5月11日放送回は「デザインミュージアムジャパン2025」を番組内で特集。櫻井翔をナビゲーターに迎え、〈デザインの宝物〉を映像と現物で体験し、その魅力を豊かに伝える。

 2022年にスタートした「デザインミュージアムジャパン」は、NHK地域放送局ディレクターと第一線のクリエーターが組んでそれぞれの土地の〈デザインの宝物〉を探す試みを続けているプロジェクト。3回目となる今年度は八つの地域放送局が参加している。プロジェクトの根幹にあるのは、「日本各地の日常の暮らしは〈デザインの宝物〉に満ちている」という考え。近代的なもの、伝統的なもの、意図されたもの、自然に生まれたもの……。生活の中にあふれる多種多様な〈デザイン〉をクリエーターたちの目線で見つけた背景の〈物語〉とあわせて紹介する。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 前回・前々回に続いてナビゲーターを務める櫻井は、「3回にわたってお送りしてきた『デザインミュージアムジャパン』が、一つの節目を迎えます。これまで、大変著名なデザイナーの方々にご出演いただきました。時に伝統工芸、時に最新技術と、幅広い、さまざまなジャンルと皆さまが触れ合う様子はとても豊かでぜいたくな時間でした」とプロジェクトを振り返る。そして「日本全国にあるデザインの宝物を探す旅には、懐かしさや新たな発見がところどころに潜んでいます。そんなワクワクを視聴者の皆さまにお届けし、共に体感できたらと思います。どうぞよろしくお願い致します」と今年度の放送への抱負を述べた。

番組には8人のクリエーターが参加

 グラフィックデザイナーの菊地敦己氏が紹介するのは「『ほうろうの生活用品』“デザイナーなし”の温かいデザイン」(栃木県栃木市)。菊地氏は「僕自身、自宅でも仕事場でも日々愛用している『ほうろう』。使うことの実感を持った方がデザインしているに違いない、日頃から感じていたそういった信頼を栃木市の工場でのぞき見ることができました。製造上の理由で、この容器にはひっかかりが必要だよね、だから取っ手をつけてみた。うん、悪くない。使い手の必要と、作り手の方法が地続きであることによる、無理のなさ。これこそが、ものをつくることの源泉だと思います」と日頃愛用している製品の裏側を知り、納得顔を浮かべる。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 現代美術作家の宮永愛子氏は「『フォント』明朝体と京都の新しく古い関係」に出演、京都府京都市へ出向く。「リサーチを行うまで深く考えていなかった〈フォント〉。でも、子どものプリントの一文字一文字にしても誰かが選んだものだといとおしくなりました。今回、生まれ育った京都で、スティーブ・ジョブズがデジタル製品のために選んだ文字の〈個性のない個性〉に感動し、そのルーツのような350年前の明朝体の版木を知りました。いろいろなものの元には〈小さなデザインの始まり〉があり、生活が豊かになればなるほどそのデザインも少しずつ発展し、私たちはその続きに生きていると思っています」と取材で得た手応えを語る。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 建築家の塚本由晴氏は、奈良県・天理市にて「かき氷を生んだランドスケープ」に密着。「“かき氷の聖地”として人気が高い奈良。ここには日本最古の氷室神社があり、氷について記した木簡も出土していると聞き、「『どうやって昔の人は氷を手に入れたんだろう?』と思いました」と取材の動機を語る。「氷を保存する“氷室”は雨が集まりにくい尾根の上に掘った竪穴を、熱を伝えないかやで覆ったものでした。そして氷を作る“氷池”は尾根の日陰になる北側の谷にありました。冬に氷を採り夏まで保管できる条件がそろった地形が、かき氷を結節点に、朝廷文化に結び付く、まさに『事物連関型のデザイン』です。人間の意思とは関係なく動く自然物の“ふるまい”を人間が有効に活用している。現代のランドスケープデザインにも、こういう広がりを期待しています」と、奈良で見た氷のアートに現代のデザイン技術への思いを重ねる。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 インテリアデザイナーの五十嵐久枝氏は、大阪府大阪市で『「魔法瓶」ガラス職人たちの情熱が生んだ〈特産品〉』に触れる。「勤務先の大学へコーヒーを持って行くなど、日々魔法瓶を愛用しています。思い出をたどると、祖母が毎朝魔法瓶をお湯で満たすのを手伝っていた小さい頃から、キラキラした内部の輝きに魅了されていました。今回、大阪のガラス職人と魔法瓶の関わりを知りましたが、特に心ひかれたのはガラスを熱して溶かす容器〈るつぼ〉。窯にすっぽり入り誰の目にも触れることはないのに、本当に美しく仕上げられている。この〈るつぼ〉で作られるガラス製品はきれいなものとして生まれる運命をバトンタッチされていると感じました」と、自身の思い出が宿る魔法瓶が持つ芸術性に感銘を受けた様子。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 映像工芸作家の菱川勢一氏は、鳥取県米子市にて「『大漁旗』漁師たちを鼓舞する魂のデザイン」を目撃。「以前に三重県で『この地域最後の大漁旗職人が店をたたむ』とたまたま聞き、仕事そっちのけで撮影させてもらったことがあります。その経験もあったので、鳥取に手染めで大漁旗を作り続けている方がいると知って、ぜひ! とリサーチに向かいました」と、米子に出向いた動機を明かす。「代々伝わる基本的な図案を基にしながら、贈る相手を思ってデザインを決める究極のオリジナル。命がけで海に向かう者を盛大に送り、安全を祈るという“気持ちの表れ”に胸が震えました。贈られた船主の方が『お祝いのお金より大漁旗』と語られる言葉に、大きくうなずきました」と、地域に伝わる伝統と漁師の心意気に触れてきた経験を語る。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

  プロダクトデザイナーの深澤直人氏は、「『石州瓦』瓦が生み出す町の〈雰囲気〉」を担当し、島根県大田市へ。「島根県西部で生産される石州瓦は、三州瓦(愛知)、淡路瓦(兵庫)と並び、日本三大瓦の一つ。地元産の土を高温で焼き締める瓦は、雪深く、日本海の荒波にさらされ、しばしば台風の通り道にもなる厳しい環境に耐えられる頑丈な瓦です。特徴は地元の石を素材としている釉薬由来の赤茶色。誰が『赤い瓦の街並みを作ろう』と呼びかけた訳でもないのに、結果として形成された赤い瓦の街並みは、町に独特の〈雰囲気〉を作り出しています」と、地域に根付いた瓦文化を紹介する。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 デザイナーの宮前義之氏は、高知県高知市の「“街路市”市300年続くコミュニケーションのデザイン」を紹介。「コロナ禍を経て、私たちは『服をどう届けるか』という問いに、これまで以上に向き合うようになりました。そんな折、江戸時代から300年以上にわたり続く高知の街路市の存在を知り、そこにはきっと、コミュニケーションの原点とも呼べる形があるのではないかとひかれました。実際に訪れてみると、そこにはただ物を売り買いするだけではない、親密で温かなやりとりが息づいていました。顔を合わせて言葉を交わす、互いを思いやる関係性。その風景のなかに、デザインの本質を見た気がしました」と、高知の“青空市”に注目した理由とそこを訪れて得た感情を明かす。「〈デザイン〉とは、単にモノをつくることではなく、人と人とが交わるところに生まれるもの。そして、それが暮らしを豊かにし、時を越えて受け継がれていくのだと思います。高知の街路市は、そのことを静かに、しかし力強く教えてくれる場所でした」と、高知でデザインの本質に触れた経験を伝える。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 グラフィックデザイナーの佐藤卓氏は、宮崎県宮崎市の『「スナック」〈間〉をつなぐ本能のデザイン』を紹介。「宮崎には日本一のスナック街〈ニシタチ〉がある」とNHK宮崎ディレクターからお誘いを受けました。人口あたりのスナック数が日本で一番多い、という話です。スナックとデザイン。一見相いれないものですが、聞いた途端、心をつかまれました。本能に訴える、〈唾液〉を出させるデザイン。看板の文字も、デザインの教科書的には『もうちょっときれいに整理すべきだ』と言われそうだけれど、本当にそうだろうか? デザインの本質みたいなものが隠れているっていうふうに思うところがあって、不思議にひかれました」と、繁華街に息づくデザイン性に感銘を受ける。

「デザインミュージアムジャパン」櫻井翔がナビゲーターとして再登場!

 また、5月15日から25日まで、国立新美術館 3階 展示室3Bにて、展覧会「『DESIGN MUSEUM JAPAN 展 2025』〜集めてつなごう 日本のデザイン〜」が開催される。放送と合わせ、8人のクリエーターが感銘を受けた日本各地の〈デザイン〉に触れてほしい。

【関連情報】
展覧会「『DESIGN MUSEUM JAPAN 展 2025』~集めてつなごう 日本のデザイン~」
●会期:2025年5月15日~25日 ※20日(火)休館
●場所:国立新美術館 3階 展示室3B(東京都港区六本木7-22-2)
●観覧料:無料
●時間:午前10:00~午後6:00(金曜日は午後8:00まで)※入場は閉館の30分前まで / ※15日は午後3:00開場



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