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トム・クルーズ主演“M:I”最新作!「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」が初放送2024/03/27

トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」

 昨年公開されたシリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」がBS10 スターチャンネルでテレビ初放送。シリーズの顔である主演のトム・クルーズを中心に、作品の魅力を徹底解説!

「ミッション:インポッシブル」とトム・クルーズの飽くなき魅力

トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」

 今や、ハリウッド・アクションを1人で牽引する立役者となったトムが、敏腕エージェントのイーサン・ハントに扮(ふん)して達成不可能に思えるミッションに挑むシリーズ第7作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」。これまでも、心強いチームの協力を得て度重なる危機を乗り越えてきたイーサンだが、今回のミッションはかなり荷が重い。なにしろ、彼が奪い返すよう命じられるのは、自我を手に入れて世界の防衛、情報、金融システムをコントロールしかねない新型AIなのだ。まして、彼が対峙(たいじ)するのは、なんと、イーサンとは過去に因縁がある狂気のテロリスト。こうして、世界中のファンが待ち焦がれた待望の第7作は、イーサンが仕事を懸命にこなしながら、同時に自らの過去とも向かい合うという、実に濃い内容になった。

 本作を監督するのはこれが3作目となるクリストファー・マッカリー。2020年の2月にイタリアで撮影を開始したが、パンデミックの影響を受けて撮影を中断。その後も厳格なウイルス対策プロトコルの下、薄氷を踏むようなロケーションを続け、ついにクランクアップを迎える。こうして、結果的に当初の予定から2年も公開が延期された。

 しかし、ファンは待ったかいがあった。トムが命懸けで挑戦したスタントシーンも、スタントなしで全力疾走するシーンも、期待値を大きく超えていたからだ。本作の後編にあたる第8作は、来年5月公開に向けて撮影がスタートしている。

トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」

 シリーズを重ねるごとに成長し、魅力を増す。普通は超えられない“時”の法則、パターン化とは無縁なところがイーサンの魅力といえないだろうか。組織に追われながらも仲間の協力を得て黒幕を暴き、一時は引退して結婚生活を送っていたのに、愛する人のために現場に復帰。核ミサイル発射コードの奪還という重い任務を負っても弱音を吐かず、観客に思ってもみなかった過去をさらすことにもなるイーサン。

 確かにアクションのスキルは人間離れしているが、内面の葛藤は観客も同レベルで理解できるところも、ほかのスーパーヒーローとは少し異なるところかもしれない。だから、彼のそばからは仲間たちが離れていかない理由がよく分かるような気がするのだ。

魅力的な新旧キャラクターたち/“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」
魅力的な新旧キャラクターたち/“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」

 イーサンと行動を共にする一匹おおかみのグレース(ヘイリー・アトウェル)、イーサンの過去を知る男・ガブリエル(イーサイ・モラレス)、ガブリエルの共犯者・パリス(ポム・クレメンティエフ)。これに、「ローグ・ネイション」以来イーサンとは深い関係にあるイルサ(レベッカ・ファーガソン)や、おなじみのエンジニア・ベンジー(サイモン・ペッグ)とハッカーのルーサー(ヴィング・レイムス)も強力サポート体制をとる。

トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」

 イーサンが砂漠の民、ベドウィンのように馬にまたがり登場するのは、アブダビの砂漠。やがて、カメラはイタリア、ローマへ。イーサンがグレースをサイドシートに乗せたフィアット500が走り去るのは有名なフォーリ・インペリアーリ通りだ。続くベネチアでは、カステッロ区にあるミニッチ橋にカメラが据えられ、問題のバイクスタントは“トロールの壁”と呼ばれ恐れられるノルウェーのヘルセツコペン山にある断崖絶壁がロケ地に選ばれた。

トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」
トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」メーキングショット
トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」

 古都・ローマの狭い道を壁にぶち当たりながら走っていくミニカー、時速96.5km/hで走る列車内と屋根の上での格闘などなど。見ていて手にびっしょり汗をかきそうなアクションシーンが数珠つなぎだが、なんと言っても白眉(はくび)は、バイクにまたがったイーサンが断崖絶壁スレスレまで猛スピードで走り抜け、やがて崖から真っ逆さまに落下するシーンだろう。このシーンに適応するために、トムは前もって1万3000回ものバイクジャンプにトライし、これだけのために1年以上のトレーニングを積んだそう。これまでもビルからビルへのジャンプシーンでけがを負ったことがあるトムだが、そんな怖いもの知らずの男が「僕の俳優人生で最も危険なスタントだった」と振り返っている。

トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」メーキングショット
トム・クルーズ主演“M:I”シリーズ最新作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」メーキングショット

【番組情報】

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」 
スターチャンネル1 
4月18日 午後8:00~11:00 ほか

スターチャンネル3[吹替版] 
4月21日 午後9:00~深夜0:00 ほか

シリーズ第7作。シリーズ初の2部作の第1部であり、イーサンの過去から現在までの旅路と、その果てに待ち受ける運命を描く。人格を持った最新AIをめぐる過酷なミッションを命じられたイーサンが、仲間たちのために決断を迫られることになる。

「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」との関連性

トムクルーズ出演映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

 最新型AIをめぐってイーサンと新たな味方となるグレースを加えた彼のチーム、そして、凶悪テロリスト・ガブリエルと手下の暗殺者・パリス、それに闇の武器商人・アラナを足した“善 vs 悪”がチームで対決するというのは、シリーズ第5作「ローグ・ネイション」から引き継がれた対立構図。「ローグ・ネイション」では各国のスパイで構成された悪の組織とイーサンたちの戦いが描かれていた。そして、イルサは「ローグ・ネイション」から参加した重要キャラだ。

【番組情報】

「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」 
スターチャンネル1 
4月20日 午後6:30~9:00 ほか

スターチャンネル3[吹替版] 
4月21日 午後6:30~9:00 ほか

シリーズ第5作。CIAやKGBをはじめとする各国の元エリート諜報員たちで組織された“シンジケート”の暗躍により、イーサン・ハントが所属するIMFは解体の危機に陥る。組織の後ろ盾を失ったイーサンは、イルサや仲間たちと困難なミッションを遂行していく。

トム・クルーズが出演した過去作品も一挙放送!

トムクルーズ出演映画「栄光の彼方に」

 1980年代のハリウッドで気鋭の若手俳優集団の俗称“ブラットパック”の一員だったトム。「アウトサイダー」でトムと面談した監督のフランシス・フォード・コッポラは、彼のまなざしに尋常ではない生命力を感じたと後述している。

 その後、トムは初主演作「卒業白書」で高校の売春斡旋人を好演しブレークスルー。なぜか日本では劇場未公開の「栄光の彼方に」でも、奨学金を手にして大学に行くしかない高校のフットボール選手を演じて、青春スターとして独自の地位を築く。

トムクルーズ出演映画「レインマン」

 やがて、「トップガン」で文字通りトップスターになった彼は、そこにとどまらず演技派へとシフト。「レインマン」では、父親の遺産目当てにダスティン・ホフマンが扮する障害を持つ兄と共に故郷へと旅立つ弟を演じて、演技にもポテンシャルがあることを証明する。

 「ミッション:インポッシブル」シリーズがスタートして以降は、アクション映画に軸足を置くようになる。それは、キャメロン・ディアスと共演したアクションコメディー「ナイト&デイ」から、未来の地球でドローンの管理を担う主人公を演じた「オブリビオン」まで幅広い。

トムクルーズ出演映画「オブリビオン(2013)」
トムクルーズ出演映画「7月4日に生まれて」

 しかし、彼の真髄は心身に傷を負ったベトナム帰還兵を好演して、初のアカデミー主演男優賞候補となった「7月4日に生まれて」や、ヒトラー暗殺計画を指揮したドイツ人将校を熱演した「ワルキューレ」のような、奥深い人間味がにじむ役柄にこそある。最近でこそアクション専門のように見えるトムは、決してアクション一辺倒ではないことを強調しておきたい。

トムクルーズ出演映画「ワルキューレ」

【番組情報】

「タップス」 
スターチャンネル2 
4月2日 午後9:00~11:15 ほか

「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」 
スターチャンネル1 
4月3日 午前11:00~午後1:00 ほか

「アウトサイダー」[劇場公開版] 
スターチャンネル2 
4月3日 午後9:00~10:45 ほか

「7月4日に生まれて」 
スターチャンネル1 
4月3日 深夜3:15~6:00 ほか

「オブリビオン(2013)」 
スターチャンネル1 
4月4日 午後6:00~8:15 ほか

「レインマン」 
スターチャンネル1 
4月5日 深夜3:45~翌午前6:15 ほか

「バリー・シール/アメリカをはめた男」 
スターチャンネル1 
4月8日 深夜4:00~翌午前6:15 ほか

「ナイト&デイ」[特別版] 
スターチャンネル1 
4月9日 深夜1:00~3:15 ほか

「ワルキューレ」 
スターチャンネル1 
4月10日 午後3:45~6:00 ほか

「コラテラル」 
スターチャンネル1 
4月13日 午前9:45~後0:00 ほか

「アウトサイダー」[ディレクターズ・カット版] 
スターチャンネル2 
4月14日 午後4:50~7:00

「栄光の彼方に」 
スターチャンネル1 
4月19日 午後5:10~6:45 ほか

文/清藤秀人


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