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バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!2024/02/28

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 2023年の夏、パリオリンピック出場を決めたバスケットボール男子日本代表が、五輪イヤーとなる今年初めての公式戦「FIBA アジアカップ2025 予選 1次ラウンド Window1」で、2月22日にグアム、25日に中国と対戦。パリ五輪へ向けての貴重な実戦の場であり、最終メンバーに残るための選手たちのアピールの場でもあった。舞台は両日ともに東京・有明コロシアム。注目の2戦をリポートする。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 まずは、グアム戦。最新のFIBAランキング(23年9月10日現在)では、日本の26位に対してグアムは76位。ホームで戦う日本の優位が予想されたが、国際試合に簡単な試合はないことを象徴するような展開となる。

 日本のスタメンは、河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)、金近廉選手(千葉ジェッツ)、ジョシュ・ハレルソン選手(佐賀バルーナーズ)、川真田紘也選手(滋賀レイクス)の5人。日本はトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)の下、積極的に3ポイントシュートを打つスタイルを追求しているが、この日はほとんどの選手が不調。前半は苦戦を強いられ、35対36。日本が1点ビハインドで前半を折り返す。そんな中でも、初の日本代表招集でスターターに起用されたハレルソン選手は、前半だけで3本の3ポイントシュートを決め、インサイドでもリバウンドやディフェンスなどで持ち味を発揮した。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!
バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 後半に入ると、ポイントガードの河村選手がディフェンスでリズムを変える。相手のポイントガードに対して激しいプレッシャーを与えてミスを誘い、そこから日本は得点を重ねていく。また、比江島選手も粘り強いディフェンスやルーズボールで最後までボールを追いかけるなど、得点以外でもチームに貢献。苦しい展開でも、勝利のためには何が必要かを知っている2人のプレーには頼もしさを感じた。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 そして、この日の主役となったのは、最年少18歳の川島悠翔選手(NBAグローバルアカデミー)。序盤は「緊張した」というものの、「チームメートの皆さんが声をかけてくれたので、2回目の交代から雰囲気にアジャストできました。流れが悪い時に自分のドライブで流れを持ってこられてよかったと思います」と振り返った。

 “ホーバス・ジャパン”のデビュー戦で、6得点、3リバウンド、1ブロックを記録し、プレータイムは13分56秒。ホーバスHCも「川島は本当に上手になった。前半少しミスはありましたが、彼のプレーは全然悪くありませんでした。彼のエナジーあふれるプレーが大事で、トランジション(攻守の切り替え)で走ったり、リバウンドやディフェンスではよくディフレクション(ボールの軌道を変える)とかティップしてボールに絡んでいました。だから、彼のプレータイムが長くなったんですよ」と、川島の成長を喜んだ。

 試合は、後半にグアムの得点を20点に抑えた日本が、77対56で勝利。前半は苦しんだが、終わってみれば大差。今年の初戦を白星で終えた。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 グアム戦後、今村佳太選手(琉球ゴールデンキングス)は「ベンチから見ていても、前半はグアムのペースに合わせてしまっていると感じていました。アップテンポなバスケができずに、3ポイントシュートと2ポイントシュートのバランスが悪く、3ポイント一辺倒になっていました。後半からは、やるべきことは変わらないですけど、よりペイントアタックをして、ズレを作った状態でシュートを打つという、自分たちが求めているバスケをして、そのいいシュートが続くとディフェンスもよくなるので、その部分は意識しました。個人としては、自分自身もびっくりするくらい、気負いすぎずリラックスして試合に臨めていました。それはいろんな経験をして自信を持って臨めたからこそで、それがプレーに出たのかなと思います。最初のオフェンスでうまくいったことが大きかったですね。ただ、これで自分が何かを成し遂げたわけではないので、今日のようなプレーを続けていくことが自分としても大事だと思うので、一喜一憂せずにやっていきたいと思います」と述べ、気を引き締めた。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 また、ハレルソン選手は「(日本代表のユニフォームを着た時は)初めての感情で、NBAで(ニューヨーク・ニックスの)ユニフォームを着た時とも、大学でケンタッキーのユニフォームを着た時とも違った、素晴らしい気持ちになりました。もちろんプレーする時は緊張もありましたが、緊張よりも高揚感の方が強かったです。一番何を意識していたかというと、日本のチームのためにプレーするというところで、そこはできたと感じています」とより一層意欲をみなぎらせた。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 続いて25日に行われた中国戦。中国のFIBAランキングは29位で、26位の日本とほぼ同じ。日本は昨年のワールドカップでアジア最上位の成績を残したことで五輪への切符を獲得したが、中国との直接対決はなかった。また、ホーバスが男子日本代表のHCに就任して、2021年に初めて戦った相手が中国で、日本は2連敗を喫している。さらには、FIBAの公式サイトで「日本は、“アジアカップ”レベル以上の主要国際大会に限ると、1936年のベルリンオリンピックを最後に中国戦で未勝利」と紹介される(実際には2012年のアジアカップなどで勝利しているが、当時と現在ではアジアカップの格付けが異なる)など、日本にとって中国は絶対に勝ちたい相手であり、リベンジしてアジア最強を証明できるか、注目の一戦となった。

 中国は若手主体ながら、200cmを超えるビッグマンが12人中・7人。一方の日本は、グアム戦からスタメンを変えて、河村選手、比江島選手、馬場雄大選手(長崎ヴェルカ)、吉井裕鷹選手(アルバルク東京)、ジョシュ・ホーキンソン選手(サンロッカーズ渋谷)が先発。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 開始早々、日本は立ち上がりの悪さを露呈。3対12で中国にリードを許す。その流れを断ち切ったのが、3ポイントシュートが得意なビッグマン・井上宗一郎選手(越谷アルファーズ)だ。連続で3ポイントを決めて、日本は第1クォーターを19対20で中国に食い下がる。

 第2クォーターに入っても、日本が目指す速い展開には持ち込めない。それでも、攻撃では馬場選手が確率のいい3ポイントシュートを決め、守備ではホーキンソン選手を中心に体を張り続け、38対38の同点で後半へ。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!
バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 後半に入っても一進一退の展開が続く中、今日のヒーローだった馬場選手が本領を発揮。「相手のディフェンスを見て冷静に判断できた」と語るように、序盤に3ポイントシュートを高確率で決めることができたことで、ペイントエリアにスペースを見つけ、今度は馬場選手が本来得意とするドライブからも得点を決めていく。この日の馬場選手は、チーム最多の24得点をマーク。3ポイントは6本中・4本を決めた。

 終盤までもつれる試合は、残り約1分のところで、ホーキンソン選手と比江島選手がダブルチームで相手からボールを奪い、ホーキンソン選手がダンクを決めて勝負あり。最終スコアは76対73で日本が接戦を制し、中国相手にリベンジを果たした。主要国際大会で88年ぶりとなる歴史的な勝利に、会場に集まった9191人のファンは歓喜に沸いた。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!
バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 司令塔としてチームをけん引した河村選手は、中国戦の勝因を尋ねられると「やっぱり、気持ち。自分たちは、88年間中国に勝てていない中で、中国は強いというイメージはあったと思うんですけど、中国相手にも自分たちは勝たなければいけないんだという強い信念とプライドというものが、プレーの一つ一つに結びついたのではないかなと。もちろんチャレンジャー精神は持ちながらも、自分たちは強いんだというプライドもちゃんと持って戦わないといけないと思います」と語った。

 2年半前に中国を相手に大敗したことを覚えているという富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)は「その敗戦からの成長を見せることができたのでよかったです。これで満足することなく、アジアでは当たり前に勝てるようになって、世界と戦っていけるように、より高いところを目指してやっていきたいと思います。今日はフリースロー、2ポイントシュート、3ポイントシュートのバランスがいい攻撃ができました。あれだけ(チームで27本)フリースローをもらえたというのは、すごくよかったと思いますし、中国相手に3ポイントシュートをたくさん入れて勝つのではなく、今日みたいな展開で勝てたことは、すごく大きなことだと思います」と確かな手応えと、今後を見据えたコメントを残した。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 試合後の会見で、ホーバスHCは「今のメンバーは本当にすごい。この2年半、合宿を重ねるごとに少しずつレベルが上がっています。この短い間に、みんな信じて頑張っている。今日のメンバーは全員、次の合宿にも呼びます」と明言。さらに、「今日の試合は結構フィジカルだった。でも、そこも全然負けていなかった。それは、Bリーグのバスケットボールが外国籍の選手もいて、フィジカルだからだと思います。それで、中国の選手の身長とか力とか、相手のフィジカルをそんなに苦にしなかった」と、Bリーグでも成長できることを証明した選手たちを称賛した。

バスケットボール男子日本代表が歴史的勝利でアジア最強を証明!

 馬場選手は「ワールドカップは、正直に言うと、自分の中で結果を出そうとしていたところがありました。でも、Bリーグに戻ってきて、なんか違うんじゃないかなと思ってきて。バスケットボールってみんなでやるものだし、みんなで一緒に上がっていくもの。1人だけがよくてもいけないし、もっとチームメートを大切にすることだったり、ポジティブなエネルギーを与えることが大事だと思うようになりました。独りよがりではなくて、もっと周りを大切にして、明るくポジティブに」と、ワールドカップ後の気持ちの変化を明かした。

 パリオリンピックまで、あと約5カ月。6月と7月には国際強化試合の国内開催も決定。今後、代表メンバー争いもますます熾烈(しれつ)になっていくだろう。3月1日から再開されるBリーグでは、代表候補選手たちのプレーにさらに注目が集まる。

【放送・配信情報】

「Bリーグ2023-24シーズン」

●地上波 
NHK札幌(北海道ローカル) 
3月3日 午後4:05(ティップオフ) 
「レバンガ北海道×佐賀バルーナーズ」

NHK沖縄(沖縄ローカル) 
4月6日 午後6:10(ティップオフ) 
「琉球ゴールデンキングス×千葉ジェッツ」

NHK広島(広島ローカル) 
5月5日 午後1:10(ティップオフ) 
「広島ドラゴンフライズ×琉球ゴールデンキングス」

●BS放送 
NHK BS 
3月2日 午後3:05 (ティップオフ) 
「アルバルク東京×島根スサノオマジック」

3月24日 午後2:05 (ティップオフ) 
「横浜ビー・コルセアーズ×長崎ヴェルカ」

4月21日 午後3:05 (ティップオフ) 
「宇都宮ブレックス×アルバルク東京」

5月4日 午後3:35 (ティップオフ) 
「横浜ビー・コルセアーズ×川崎ブレイブサンダース」

BS12 
3月24日 午後2:05 (ティップオフ) 
「広島ドラゴンフライズ×名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」

●CS放送 
J SPORTS https://www.jsports.co.jp/ 

●配信 
バスケットLIVE  https://basketball.mb.softbank.jp/ 
バスケットLIVE for Prime Video https://www.amazon.co.jp/gp/video/storefront?benefitId=basketlivejp&ref 
J SPORTSオンデマンド https://jod.jsports.co.jp/ 
Hulu https://www.hulu.jp/

「第99回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」 

●地上波 
NHK Eテレ 
3月16日 午後3:00~(生中継) 
決勝「琉球ゴールデンキングス×千葉ジェッツ」

●配信 
バスケットLIVE  https://basketball.mb.softbank.jp/ 
バスケットLIVE for Prime Video https://www.amazon.co.jp/gp/video/storefront?benefitId=basketlivejp&ref

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