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150万部突破「ケーキの切れない非行少年たち」ドキュメンタリードラマ化。女子少年院の精神科医が境界知能を持つ少女に向き合う2023/04/24

150万部突破「ケーキの切れない非行少年たち」ドキュメンタリードラマ化。女子少年院の精神科医が境界知能を持つ少女に向き合う

 NHK BS1では、6月20日にドキュメンタリードラマ「ケーキの切れない非行少年たち」(午後8:00)を放送する。

 児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務してきた宮口幸治氏によるシリーズ累計150万部突破の同名ベストセラーを、少年院のドキュメンタリー取材なども交え初めてドラマ化。17歳の小平恵は都内の公立高校に通う普通の女の子。でも、恵はどんなに頑張っても勉強ができず、「やる気がない」と言われてしまう。実は、恵のIQは76。知的障害(IQ70未満)ではないものの、平均値には及ばない“境界知能”に該当する。

 境界知能を持つ人たちは、統計的に全人口の14%いるとされ、35人のクラスに5人はいる計算となる。恵はその事実を誰からも気づかれず、平均的な知能の人たちと同じ土俵で勝負させられ、社会から取り残されてきた。そして、ある過ちから子どもを身ごもり、人知れず赤ちゃんを産み、捨てた。女子少年院に勤務する精神科医が、少女のある特徴を発見する。「ケーキを3等分できない」認知のゆがみが引き起こす悲しみの連鎖。衝撃の事件から1年、少年院を出た彼女は小さな命と向き合おうと決意する。

150万部突破「ケーキの切れない非行少年たち」ドキュメンタリードラマ化。女子少年院の精神科医が境界知能を持つ少女に向き合う

 平均値には及ばない“境界知能”に該当する主人公・小平恵を小林桃子、その母を工藤夕貴、悲しみを抱える非行少年を最前線で救いたいと願う精神科医を平岡祐太が演じる。会社で「“できないヤツ”とバカにしている人がいるのでは?」、学校で「“あいつは空気を読めない”と安易に除け者にしている人はいないか?」。 その“できない”、“空気を読めない”には理由があるのかも。いま社会が向き合うべき“見えない問題”を描く。

150万部突破「ケーキの切れない非行少年たち」ドキュメンタリードラマ化。女子少年院の精神科医が境界知能を持つ少女に向き合う

 原作者・宮口氏は「今から14年前、目の前の非行少年たちが切ったケーキの形のいびつさに驚愕(きょうがく)した体験が、時を経て書籍となり、コミックとなり、そしてこのたびドラマになりました。家庭や学校で見過ごされてきた、困っている子どもたち・少年たちの存在。ドラマを通して、こういった少年たちが実在すること、犯罪に至った人たちに対して憎しみ以外の観点でもみる必要があること、今なお学校で気づかれていない、困っている子どもたちがいること。これらを感じていただければうれしく思います」と期待する。

150万部突破「ケーキの切れない非行少年たち」ドキュメンタリードラマ化。女子少年院の精神科医が境界知能を持つ少女に向き合う

 ドラマ初主演の小林は「今回初主演ということで、最初はすごくうれしい気持ちでしたが、だんだんと不安や緊張で胸がいっぱいになりました。しかし撮影が始まると、監督やスタッフの方々、共演者の方々の温かさに触れ、何度も助けていただき、恵として最後まで頑張ることができました。周りの人たちからの愛とともに成長していく恵をぜひご覧いただけたらうれしいです」とアピール。

150万部突破「ケーキの切れない非行少年たち」ドキュメンタリードラマ化。女子少年院の精神科医が境界知能を持つ少女に向き合う

 精神科医・六麦克彦役の平岡は「僕が演じる六麦先生は、知的ハンディを持つ少年たちをなんとか支えたいという熱い心の持ち主であり、“子どもを愛するがあまりに、間違った捉え方をしてしまう親”には時にビシッと厳しいことを言う一面もあります。相手に寄り添い、理解し合うことの大切に気づかせてくれる作品になったと思います」と話す。

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 恵の母・里美役の工藤は「子どものいない私にとって、里美として生きることはとても難題でした。そのためたくさんの母になった友人たちに質問をして、役の思いを深く掘り下げてみました。答えはどれも“これが母性なのだなぁ”と感動するものでした。だからこそ、たくさんの人に、どんなことにも向き合う親子の真摯(しんし)な姿を知っていただけたらと思います」と訴えている。


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