有村架純が明かす「どうする家康」で松本潤が演じる家康の魅力2023/02/13
NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「どうする家康」（日曜午後8：00ほか）で、瀬名役を務める有村架純、巴役の真矢ミキ、鵜殿長照役の野間口徹がコメントを寄せた。
「どうする家康」は、誰もが知る歴史上の有名人である徳川家康の生涯を、新たな視点で描いた波瀾（はらん）万丈のエンターテインメント時代劇。脚本は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、「相棒」シリーズ（テレビ朝日系）、「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズ（ともにフジテレビ系）などで知られる古沢良太氏が担当している。
2月12日放送・第6回「続・瀬名奪還作戦」では、今川氏真（溝端淳平）が松平元康（後の家康／松本）に、降伏しなければ瀬名（有村）ら家族を皆殺しにすると通達した。そんな中、本多正信（松山ケンイチ）は今川家の重臣である長照とその子を生け捕りにし、瀬名たちと人質交換するという秘策を元康に提案する。実現困難ともいえる大胆な策だが、元康はその策にすべてを託す。正信の命を受けた服部半蔵（山田孝之）が、難攻不落の上ノ郷城に忍び込み、やがて、城の一角から火の手が上がる。
家康を長年にわたって支える正室・瀬名を演じる有村。「史実上、瀬名（築山殿）は悪女だったのではないかというお話も残っていますが、“本当はそうではなかったんじゃないか”というのを、古沢さんが面白く脚本で描かれていて。なので、家康に対して、“手のひらで転がす”じゃないですけども、それぐらいの受け皿を持って、基本的にはなるべく笑いの多い人物にしようと意識しています」と役作りについて明かす。
共演の松本については、「初共演から10年ほど経ちますが、時間をかけて松本さんの人柄を知っていく中で、チャーミングな部分が感じられて。それが今回の家康さんにもすごく反映されているような気がします。やはり武将なので、少し傲慢に物事を考える部分もあったりはしますけれど、放っておけない部分だったり、みんなが手を差し伸べたくなるような家康だからこそ、そことの調和がとれているというか。とてもバランスがお上手だなと思います」とその印象を語る。
そして、「役者の皆さんがそれぞれのキャラクターを本当に魅力的に演じられていて、私も負けないよう、この物語の一部となれるように、精いっぱい奮闘しております。時代が1年、2年経つごとに、どんどん変わっていきますが、そんな激動の時代をぜひ体感していただけたらと思います」とメッセージを寄せている。
また、今川義元（野村萬斎）を支えた筆頭家老・関口氏純（渡部篤郎）の妻で、今川家の品格を守る気高き瀬名の母・巴役を演じきった真矢は、「第5回、巴のせいで今川家からの脱出に失敗してしまうシーンは、初めて脚本を読んだ時『私か…』と複雑な思いでした（笑）。でも、巴を表すには重要なシーンですし、私自身、演じていく上でのヒントになりました。よく言えば、育ちがよく、物事の裏を読まない純粋さ、素直さがあります。悪く言えばうっかりしていて思慮深さにかけるとも言えますが、それだけ周囲の人に支えられて生きてきたのだろうと思います。瀬名にとっても、気品はあるけれど、たまに理解しがたいお母さんという感じだったのかな…」と役柄を解釈。
加えて、「でも、巴は、実は奥底に熱いものが流れている女性だったのだろうと思っています。それを象徴するのが、第6回で巴が瀬名に対し、『そなたが命を懸けるべき時は、いずれ必ずきます。それまで、強く生きなさい』と言葉を掛けるラストシーン。大切な人を守るために命を捧げる覚悟や潔さ、娘への愛、戦国を生き抜いてきた巴の強さが詰まった最期だったと思います」と振り返った。
「氏純さんは、口数は少なく威厳があり、思慮深く、巴とは正反対」という夫・氏純との関係については、「巴にないものをほとんど持ち合わせていますし、2人のバランスがとれていて、理想の夫婦」だと言い、「そんな氏純を演じる渡部篤郎さんともよくお話ししていたのですが、夫婦の軸にあるのは、やはり娘・瀬名に対する深い愛情。とにかくそれを大切に演じてきました」と報告。
さらに、「思い返せば、瀬名が雑木林で自由に遊ぶ元信（後の元康）にひかれるような温かい子に育ったのも、親の愛情が豊かだったからなのかもしれません。当初、巴は瀬名と元信の結婚に反対していましたが、それも愛情の裏返し。『今川へのご恩を忘れないでほしい』という今川への思いももちろんありますが、その裏には『娘に戦国乱世を生き抜いてほしい、そして次の世代にバトンを渡してほしい』という母の愛情があったのだと思います。瀬名を見ていると、父親譲りの賢さもありますが、出るところに出たら覚悟を決めるという強さや度胸も持っていて、巴の血が流れていることも感じられます。巴は亡くなっても、娘に伝えたかった思いはもう十分伝わっているのかなと思っています」と、愛情深く瀬名を見守ってきた巴の心情を慮った。
所作指導の花柳寿楽とは、真矢が宝塚歌劇団で男役を演じていた時以来の再会だったそうで、「体に染みついているのが男役の所作なのと、油断すると10代から習っている日本舞踊がつい出てしまうので、大変苦労しました（笑）。“日常の所作”を身につける難しさを実感しつつ、ふとした時に出てしまいそうになる日本舞踊を『抑えて抑えて…』と自分の中で葛藤していました。巴は育ちがよく、所作を非常に厳しくたたき込まれているおうちの生まれなので、その点では多少演じやすかったのですが、収録中、何度も寿楽先生のもとに走って確認しに行ったのを覚えています」とエピソードを語った。
今川家の重臣で、家康と激戦を繰り広げる知将・長照を演じた野間口は、「台本を読んだ時に、最初に感じたのは『愚直』でした。主君に対しての忠義を一番重要視する人物だということを心がけました。上ノ郷城が攻められた時は、本当は元康と戦いたかったと思うんです。それが忍に妨げられたので悔しかったのではないかと…」と長照の思いに触れ、「武将という初めての役で、果たして受け入れてもらえるのか不安でしたが、なんとか乗り切れてホッとしています。あとは何も考えず、この後の展開を楽しむだけですね」と無事に撮影を終えたことを安堵している。
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