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【東京パラリンピックを振り返って】自国開催に向けた強化が実り日本が躍進。限界に挑み、超えていくアスリートたちのプレー、競技の魅力が多くの人の心を捉えた祭典2021/09/06

東京2020パラリンピック(車いすバスケットボール日本代表)写真:松尾/アフロスポーツ

 日本は今大会で、金13、銀15、銅23、計51個のメダルを獲得。過去最多の2004年アテネ大会の52個に1個及ばなかったが、金メダルがゼロの計24個だった前回2016年リオデジャネイロ大会からは飛躍的に成績を伸ばした。自国開催に向けた強化が実ったと言っていいだろう。

 大会前半に話題を集めたのは車いすラグビーだった。車いす同士の激しいぶつかり合いを初めて目にした人たちは驚き、予選リーグを3戦全勝で突破した日本チームの戦いぶりに拍手喝采をおくった。日本は準決勝でイギリスに屈したものの、3位決定戦に勝ち、2大会連続の銅メダルを獲得。金メダルを目標にしてきた選手たちは悔しさを隠さなかったが、彼らの懸命なプレーや競技そのものの魅力は、多くの人の心を捉えた。

 同じ車いす競技の車いすバスケットボールと、車いすテニスも見る者の心を揺さぶった。パラリンピックの花形競技であり、全種目中最後に試合が開始された男子バスケットボール決勝に日本チームが出場したことと、車いすテニス男子で、日本選手団主将の国枝慎吾が金メダルに輝いたことは、日本の躍進を象徴するものだった。

 そのほか、競技初日から多くのメダルを獲得した水泳、多くの選手が自己ベストを更新しメダル候補が期待に応えた陸上、メダルラッシュに沸いた新競技・バドミントン、奥深い戦略と超高精度の技術にうならせらたボッチャなどなど、どの競技も魅力にあふれ、選手たちは輝きを放っていた。パラリンピックがオリンピックと同じように、自らの限界に挑み、超えていくアスリートのすごみを目の当たりにできる祭典であると気付かされた人が多かったはず。

 開会前から「大会をきっかけに、障がい者への理解が進み、やがて多様性を受け入れる共生社会が実現する」という理想が語られたが、それに近づくために重要な“気付き”だったのではないだろうか。


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