東京パラリンピックの競技を解説【射撃】風を読む力、冷静さと集中力を保つメンタルの強さが勝利への鍵2021/08/22

射撃は肢体不自由の選手を対象に行われ、ライフルまたはピストルで固定された的を撃ち、得点の合計を競う。パラリンピックで正式競技になったのは1976年トロント大会から。クラス分けは選手の障がいの程度ではなく、銃器を上肢(手や腕)で保持できるかどうかを基準になり、上肢で保持して射撃する「SH1」、保持できないため規定のスタンドを使用する「SH2」の二つのクラスに分かれる。さらに銃の種類や的までの距離、撃つ姿勢によってさまざまな種目があり、今大会では新種目の男女混合50mライフル伏射SH2が加わり、前回2016年リオデジャネイロ大会より1種目多い13種目(男女各3、混合7)が実施される。
使用する銃器はエアライフル(的までの距離10m)、ライフル(50m)、エアピストル(10m)、スポーツピストル(25m)、フリーピストル(50m)があり、それぞれ制限時間内に規定の弾数を連続して撃つ。的には10個の同心円が描かれ、10mエアライフルの標的の中心円は直径わずか0.5mm。これを撃ち抜くと10点になる。ライフル種目では、電子計測によって各得点圏を10分割し、小数点以下まで得点を表示するため、最高得点は10.9点。0.1点差を争う勝負になることもある。
ピストルは立った状態で射撃する「立射(りっしゃ)」のみだが、ライフル種目は種目ごとに射撃姿勢が決められている。パラリンピックでは車いすを使用する選手も参加するため、ルールもそれに応じたものになっている。車いすの選手は立射において、両肘が背もたれや自分の脚などに触れぬよう、両腕で銃を保持して撃つ。片膝を立て、しゃがんだ姿勢で射撃する「膝射(しっしゃ)」では、体は車いすに座ったままで、銃を支える方の片肘のみを台の上に置いて撃つ。体を床に伏せた状態で射撃する「伏射(ふくしゃ)」は、車いすに取り付けたテーブルに両肘を乗せて構えて、撃つ。それぞれ見た目はそれほど変わらないが、射撃の難易度は変わる。
射撃場によっては天候の影響を受けることもあり、風の強さや向きを読む力や、天候の変化にも動じないで対応する冷静さも重要。技術はもちろん重要だが、常に冷静さと集中力を保つメンタルの強さがないと、好成績を残すことはできない。
近年、活躍が目立つのは中国勢で、リオ大会は5種目で金メダルを獲得した。日本は2000年シドニー大会で初めて4人が出場して以来、連続して数人ずつが出場してきたが、リオ大会はエアライフル伏射SH2の瀬賀亜希子のみが出場し、20位という結果に終わった。それから5年、自国開催となる今大会でメダルを獲得すべく強化が進められてきた。出場選手は男女計3人。各自強化の成果を発揮してほしいものだ。
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