東京パラリンピックの競技を解説【陸上競技】実施種目数は全競技中最多。クラスごとに繰り広げられる熱い戦い2021/08/21

パラリンピックの陸上競技は、1960年の第1回ローマ大会から正式競技として実施されてきた。対象とする障がいが視覚障がい、知的障がい、運動機能障がい、麻痺や四肢の欠損など多岐にわたることもあり、夏季大会の競技の中で参加人数が最も多く、今大会の実施種目数167も全競技中最多だ。
各選手は障がいの種類や程度、運動機能などに応じてクラス分けされ、クラスはアルファベットの「T」または「F」と2桁の数字を組み合わせて表記される。Tはトラック及び跳躍種目とマラソン、Fは投てき種目を表し、数字は10の位が障がいの種類、1の位は数字が小さいほど障がいの程度が重いことを表す。競技はクラスごと、あるいは隣り合うクラスを合わせた統合クラスで行われる。トラック種目は細かくクラス分けされているため、同じ距離の決勝レースが数多く実施される。たとえば今大会の100mの金メダリストは、男女計29人誕生する。
選手たちはクラスに応じて、さまざまな道具を使い、あるいは人のサポートを受けて競技を行う。たとえばトラック種目視覚障がいのT11とT12クラスの選手は、ガイドランナーと共に走ることが認められている。選手とガイドランナーは同じロープを握り並走し、ガイドランナーはコーナーではいつ曲がり終わるかを、ゴール近くでは残りの距離を選手に伝えながら走る。
競技用の義手・義足や車いすは、近年素材や形状の研究により進化し、記録の更新に貢献している。しかし用具の性能を十分引き出すためには、相応の技術と筋力が必要。義足を使うクラスは用具の反発力を推進力に変える選手たちの躍動感あふれるフォーム、車いすを使うクラスは鍛え抜かれた上半身の筋肉と、力強い漕ぎの動作に目を凝らしたい。
フィールド・跳躍種目の視覚障害クラスの選手は、助走のスタート位置まで誘導し、走る方向を伝える「ガイド」と、手拍子や声などによって踏み切り位置などを教える「コーラー」が活躍する。1人で両方の役目を兼ねてもOK。サポート役の立ち位置、指示の出し方は人それぞれで、選手たちのパフォーマンスともども見どころ。投てき種目では、パラ陸上特有の「こん棒投げ」(男女F32/男女F51)が必見だ。細いやりを握る握力がないなど、障がいが重いクラスの選手のために考案された種目で、投てきサークルに固定された車いすや台に座り、ボウリングのピンに似た木製のこん棒を片方の手で握ってから投げる。着地エリアの方向を向いて投げてもいいし、後ろ向きの姿勢から頭越しに投げてもいいのが特徴だ。
マラソンは男女T12(視覚障がい)、男子T46(上肢機能障がい)、男女T54(車いす)の計5種目でメダルが争われる。オリンピックは暑さ対策のため北海道・札幌に舞台を移したが、パラリンピックは当初の予定通り、オリンピックスタジアム(国立競技場)を発着点に都内各所をめぐるコースで行われる。終盤の上り坂が勝負どころになりそうだ。
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