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Official髭男dismが劇場版「コンフィデンスマンJP」の主題歌「Pretender」をリリース。「今までの僕らにはない曲」2019/05/14

Official髭男dismが劇場版「コンフィデンスマンJP」の主題歌「Pretender」をリリース。「今までの僕らにはない曲」

 山陰発の4人組ピアノPOPバンド・Official髭男dismが、ドラマに続き映画「コンフィデンスマンJP」の主題歌となる「Pretender」をリリース。初の映画主題歌に挑んだ彼らの思いに迫る。

──「Pretender」はドラマに続き劇場版「コンフィデンスマンJP」の主題歌ですが、制作側からは、どんなリクエストがあったのでしょうか?

藤原 「“ザ・フーみたいな感じでよろしく!”と言われました。でも、あまりUKロックに詳しくないので、どうしたらいいんだろうと。しかもザ・フーにはピアノが入っていない(笑)。僕らはピアノPOPバンドなので、ピアノを使っているイギリスのバンドも聴いて、イメージをふくらませていきました」

小笹 「今までの僕らにはない曲だと思います。最初に聴いた時から、イントロが印象的で、これは美しい曲に仕上がるはずという予感がしました」

楢崎 「僕も、デモの段階からスマホに入れてずっと聴いていました。歌詞の世界観が好きです。運命の女性ではないと分かっているんだけど、魅力的だからどうしてもひかれてしまう。そのニュアンスって、多くの男性が経験することだと思うし、いろいろな人の心にヒットする曲になったと思います」

松浦 「最初に聴いた時、大きな会場で演奏したら気持ち良いだろうなって思いました」

── 歌詞の世界観の話が出ましたが、歌詞は最初から現在のイメージだったんですか?

藤原 「いや、何度も作り直しました。最初はサビも違いましたし。映画チームから、映画で伝えたいことについて話を聞いて、台本も読んで、音が入っていない状態の映画も見て、この場面で流れるんだということも把握して歌詞を書いていきました」

── レコーディングでは、4人で一緒に演奏するんですか? それともパートごとに別々に?

楢崎 「Bメロは一緒に演奏しているんですけど、それ以外のパートは、打ち込みのドラムトラックを使っているんです。Bメロだけリズムの質感が違うので、いきなり世界が変わったような感覚になると思います」

藤原 「グリッドさせた音楽の中に、生々しいバンド感が入るといいなと思って。特にBメロの歌詞は、心の本音の部分を歌っているので、そこで生ドラムが入ることに意味があったんです」

── ちなみに、完成した映画はご覧になりましたか?

藤原 「僕はまだ見ていないんですけど、3人は……」

楢崎 「試写会で見させていただきました。もう“わっほいわっほい”って、みんなですごくテンションが上がりました(笑)」

松浦 「エンドロールで僕らの曲が流れてくるのはいいよね」

小笹 「泣きそうになりました。劇場版だけ、イントロが長いんです。ギター1本だけのフレーズが入っているんですけど、それがまた、良いタイミングで流れるんですよ。俺の音だけが劇場に鳴り響いてる!と鳥肌がたちました。乞うご期待です!」

── 夏には日本武道館でのライブが控えていますね。

藤原 「事務所から一番近いハコって実は武道館なんですよ。移動が楽でうれしいです(笑)。身近ではあったけど、なかなか立つことのできなかった場所なので、そこでライブができるっていうのは不思議な感覚ですね。大きなところなので、会場の隅々にまで届くライブにしたいねって、4人で話し合っています」

── 武道館でのライブも新たな挑戦の一つだと思いますが、他に今後挑戦してみたいことは?

藤原 「健康に音楽を追求したいというのが一番ですね。前回のツアーでは、ホーンセクションを入れて新しい可能性を見つけることができました。そんなふうに、自分たちがわくわくできることを追求していきたいです」

【OUR MUSIC~衝撃を受けた!映画】

小笹 「Hi-STANDARDのドキュメンタリー映画『SOUNDS LIKE SHIT~』ですね。震災をきっかけに彼らは再始動するんですけど、映画で“天国にもいっぱい仲間がいるよ”と言って、『DEAR MY FRIEND』を演奏するシーンがあるんです。息ができなくなるくらいに涙しました。一番感動した映画の音楽というと、この曲ですね」

楢崎 「僕は、映画『CASSHERN』で流れた宇多田ヒカルさんの『誰かの願いが叶うころ』。エンドロールでこの曲が流れてきたら、なぜか泣いてしまって。それだけ音楽の力が強かったということだと思います」

松浦 「宮崎駿監督と久石譲さんの作品全般が好きです。作中のいわゆる劇伴が良いんですよ。『もののけ姫』の『アシタカとサン』は感動的で涙が出ます」

藤原 「僕は映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』。あれを見て、自分も歌ってみたいと思ったんです。特に『ヒューマン・ネイチャー』を歌うマイケルには引き込まれました。人生を変えた映画の1曲ですね」

Official髭男dismが劇場版「コンフィデンスマンJP」の主題歌「Pretender」をリリース。「今までの僕らにはない曲」

【プロフィール】

Official髭男dism

写真左から松浦匡希(Drs)、藤原聡(Vo/Pf)、小笹大輔(Gt)、楢崎誠(Ba/Sax)。2012年に結成。インディーズアーティスト(当時)初のフジテレビ系“月9”ドラマ「コンフィデンスマンJP」の主題歌を担当した「ノーダウト」(18年)で話題を集めた。6月からは全国ツアーがスタート。7月8日には、初の日本武道館公演を予定。

【リリース情報】

Official髭男dismが劇場版「コンフィデンスマンJP」の主題歌「Pretender」をリリース。「今までの僕らにはない曲」

シングル「Pretender」  
5月15日(水)発売 
1,080円(税込)ほか CD+DVD/CD 
ポニーキャニオン

約半年ぶりのリリースとなる新音源は、劇場版「コンフィデンスマンJP」の主題歌となる表題曲をはじめ、3曲を収録。その表題曲はミディアムテンポで伸びやかに歌い上げるメロディアスなナンバーで、彼らの新境地を思わせる。初回限定盤にはライブDVDが付属。

取材・文/竹内伸一 撮影/山本絢子 
ヘア&メーク/チチイカツキ



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