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「広場」チュ・ヨンウ【今月のSPOTLIGHT】2025/07/28 12:00

「広場」チュ・ヨンウ【今月のSPOTLIGHT】

 「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」「トラウマコード」で、今最も注目すべき若手俳優の座に躍り出たチュ・ヨンウ。2025年5月の百想芸術大賞では「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」で新人演技賞を受賞、先頃の青龍シリーズアワードでも「トラウマコード」で新人男優賞を受賞するなど、各賞で確かな存在感を放っている。

ノワールアクションで物語の鍵を握る存在

 そんなチュ・ヨンウだけに出演作もめじろ押し状態なのだが、チェックしておきたいのがこちらの2作。Netflixシリーズ「広場」とPrime Videoで配信中の「巫女と彦星」だ。

「広場」チュ・ヨンウ【今月のSPOTLIGHT】

 裏社会を舞台にした「広場」はバイオレンス描写もすさまじいノワールアクションで、弟を殺害された男の壮絶な復讐(ふくしゅう)劇が展開。一度は組織を去ったものの、弟の死をきっかけに裏社会を血の海にしていく主人公・ギジュン役のソ・ジソプをはじめ、ハードボイルドな世界の似合う面々が顔をそろえている。その中でチュ・ヨンウが演じるのは、ギジュンがかつて忠誠を尽くした組織の会長子息であり、現職の検事でもあるグムソン。検事という仕事柄、父親の組織とは距離を置いているが、グムソンには内に秘めたものがあるよう。そもそも彼がなぜ検事になったのか、裏社会でどう立ち回っていくのか、そしてギジュンとどう絡んでいくのかを含め、物語の鍵を握る存在となっている。こわもてたちの中にキュートなチュ・ヨンウが……と思いきや、なかなかどうしてハードな世界観も似合う。

 一方、「巫女と彦星」は安心のラブコメディーで、物語の主な舞台は高校。ただし、チュ・ヨンウが演じる男子高校生・ギョヌは安心と無縁の人生を送っている。というのも、ギョヌは生まれつき不運な星のもとにあり、何度も死と隣り合わせの状況に陥ってきた。そんな彼に一目ぼれした巫女の女子高校生・ソンア(チョ・イヒョン)が、彼を救おうと奮闘する。ギョヌは死の運命を回避し、幸せを手にすることができるのか。そして、ソンアの恋は実るのか。ひねりのきいたファンタジーテイストが、スリルと楽しさとときめきをもたらす。ソンア役のチョ・イヒョンとかつて共演した「トキメク☆君との未来図」など、学園ものは経験済みのチュ・ヨンウだが、本作のポイントは人生を諦めた男子であるところ。不運続きの人生に疲れきったギョヌの心の殻が、ソンアによって徐々に壊されていく。

 ちなみに、「広場」の撮影が行われたのは「トラウマコード」の後、「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」の前で、それぞれの撮影を並行してこなす時期もあったそう。「巫女と彦星」は「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」の撮了後、すぐにクランクインを迎えている。それだけでも勢いが伝わってくる中、テイストの異なる役柄を見事に表現してきたチュ・ヨンウがただただあっぱれ。その活躍はまだまだ続きそうだ。

「広場」チュ・ヨンウ【今月のSPOTLIGHT】

【プロフィール】
チュ・ヨンウ(Choo Young Woo)
1999年6月5日生まれ。韓国出身。韓国芸術総合学校で学び、「You make me Dance~紅縁<ホンヨン>」(2021年)で俳優デビュー。以降の出演作に「警察学校」(21年)、「田舎街ダイアリーズ」(22年)、「オアシス ~君がいたから~」(23年)などがある。日本映画「今夜、世界からこの恋が消えても」の韓国リメーク版で主演を務めることも話題に。

「広場」チュ・ヨンウ【今月のSPOTLIGHT】

【コンテンツ情報】
Netflixシリーズ「広場」(全7話)
Netflix
独占配信中

文/渡邉ひかる



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