奥智哉×青木崇高の名コンビが続投! 「館」シリーズ映像化第2弾は「時計館の殺人」2025/06/10

Huluオリジナル「十角館の殺人」に続く「館」シリーズ映像化第2弾が、「時計館の殺人」であることが明らかになった。
日本のミステリー文学の発展に著しく寄与した作家・評論家に贈られる「日本ミステリー文学大賞」を2019年に受賞した、日本ミステリー界の巨匠・綾辻行人氏。その代表作である「館」シリーズは、国内のみならず世界中のミステリーファンから熱い支持を得ている。「十角館の殺人」から「奇面館の殺人」まで9作の長編が発表されているシリーズの全世界累計発行部数は750万部を突破。現在は、シリーズ第10作にして最終作となる「双子館の殺人」の執筆が進められている。
2024年3月、そんな「館」シリーズの記念すべき第1作であり日本ミステリー史に画期的な影響を及ぼしたと評される傑作長編が、Huluオリジナル「十角館の殺人」(全5話/製作著作:日本テレビ)として映像化された。巧妙な叙述トリックを全編に仕掛けながら、終幕近くのたった1行で真相を明らかにする劇的な手法でミステリー界に衝撃を与え、長年“映像化は不可能”と言われ続けてきた名著「十角館の殺人」。
「衝撃の“あの1行”をいったいどうやって映像化するのか?」と配信前から大きな話題となった本作は、2024年度のHulu年間視聴ランキングの「Huluオリジナル部門」で堂々の1位を獲得。ATP(全日本テレビ番組製作社連盟)が製作会社の社会的機能を高め、制作スタッフ一人一人の情熱や気概に応えるために創設した「第40回ATP賞」のドラマ部門で奨励賞を受賞し、さらにはアジア最大級の番組アワードである「第29回アジア・テレビジョン・アワード」の「ドラマ・シリーズ部門」にノミネートされるなど国内外で高い評価を受けた。
そして、昨年末、「館」シリーズ映像化第2弾の製作決定が発表されると、瞬く間に話題沸騰。次はどの“館”かを予想して心待ちにする声が数多く寄せられていた。


世界中のミステリーファンをとりこにし続けている「館」シリーズ。中でも、91年9月に発行されたシリーズ第5作の「時計館の殺人」は、上下巻に分かれる大長編ながら息つく間もないストーリー展開と張り巡らされた精巧な伏線、繊細な心理描写で読者を魅了し、92年第45回日本推理作家協会賞を受賞。第2弾製作発表時にも映像化を期待する声が多く寄せられた、シリーズ屈指の人気作だ。
今作の舞台は89年、鎌倉のはずれに建つ謎の館・時計館。3年前の角島(つのじま)・十角館の惨劇を知る江南孝明は、大学院を修了後、オカルト雑誌「CHAOS(ケイオス)」の新米編集者として働く中、ある企画の取材班として、中村青司が設計した時計館を訪れる。同誌の副編集長やカメラマン、W大学の超常現象研究会のメンバーらと共に、その館にすむという少女の亡霊と接触する“交霊会”が行われた夜、こつ然と姿を消す霊能者。逃げ場のない閉ざされた館の中で、江南たちは恐るべき連続殺人劇へと巻き込まれていく――。
一方、江南と共に十角館の惨劇の謎を追った仲である島田潔は、あれから3年が経ち、推理作家・鹿谷門実としてデビューしていた。江南が時計館へ取材に行くという話を聞き、自らも時計館を訪れた鹿谷は、館の主人が残した「沈黙の女神」の詩の謎を追うことになる。
前作「十角館の殺人」で魅力的なそのキャラクター描写に原作ファンからも絶賛の声が上がった2人が、今作でも続投。2024年、Huluオリジナル「十角館の殺人」でドラマ初主演を務めた奥智哉は、その後も大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(NHK)、ドラマ「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」(フジテレビ系)など話題作へ次々と出演、目覚ましい活躍を続ける中、再び江南を演じる。
また、連続テレビ小説「ちりとてちん」や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(ともにNHK)、映画「ゴジラ-1.0」(23年)や「ミッシング」(24年)、韓国映画「犯罪都市 NO WAY OUT」(23年)など、見る者を引き込み、作品の世界に深みを持たせる存在感のある芝居で数多くのヒット作に出演し、バラエティー番組のMCや2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のスペシャルサポーターも務めるなど幅広く活躍している青木崇高が、推理作家・鹿谷に扮(ふん)する。
さらに、今作で脚本を務めるのは、戸田山雅司氏。89年に「奇妙な出来事」(フジテレビ)でドラマ脚本デビューし、その後「相棒」シリーズや「科捜研の女」シリーズ(テレビ朝日系)、「世にも奇妙な物語」シリーズ(フジテレビ系)など数々のミステリードラマの脚本を手掛ける巨匠で、綾辻氏と作家・有栖川有栖氏が共同で原作を考案した本格ミステリードラマ「安楽椅子探偵」シリーズ(テレビ朝日系)では、8作品すべての脚本を担当。同作の第1〜7作で監督を務めた内片輝氏と再びタッグを組み、実写映像化に挑む。
音楽は、「十角館の殺人」から引き続き、富貴晴美氏が担当。映画「わが母の記」(13年)で「第36回日本アカデミー賞」音楽賞優秀賞を史上最年少で受賞し、その後「日本のいちばん長い日」(16年)、「関ヶ原」(18年)で3度の日本アカデミー賞音楽賞優秀賞を受賞、テレビドラマや映画、アニメ、ミュージカルなど幅広いジャンルの作品の音楽を手掛ける富貴氏が、綾辻ミステリーの緻密な世界観を彩る。

キャスト コメント
■奥智哉(江南孝明役)
――「館」シリーズの実写映像化第2弾決定を聞いた感想をお聞かせください。
「『あの“不可能なトリック”をまた可能にするのか!』と、どの作品になるのかすごく気になっていました。それが『時計館の殺人』だと聞いた時は、既に原作も読んでいたので、とても複雑な内容で難しいと思いましたし、同時にすごく楽しみでもありました」
――再び江南というキャラクターを演じること、青木さんとの再共演についてどう思われましたか?
「江南は今作で新社会人になり東京に1人暮らしで、その境遇も相まって今回はどこか自分と重なる部分が非常に多くて。お芝居をしている中でも、すごく江南の心情が分かるというか、寄り添えているなという感覚が近いです。撮影をしていて『江南くんが戻ってきているな』と日々感じます。青木さんとは、再会の第一声で『おい江南(コナン)このやろう!』と熱い抱擁から始まり、『あぁ青木さんだ、島田さんだ』という安心感がすごかったです。初日は少し緊張していましたが、それで肩の荷が下りたというか、撮影の序盤から一気に『もう大丈夫だ』と思えて心強さを感じました」
――久しぶりの内片組の撮影現場はいかがですか?
「内片監督は、何か自分が迷っていたり不透明な部分があるとそれを察してくださって、指針になるものを教えてくださいます。作品全体として見た時にも、監督の頭の中で完成している画を言語化して伝えてくださるので、すごくやりやすいというか、すてきな監督だなと思います」
――楽しみにしている方々へのメッセージをお願いします。
「約2年ぶりに皆さんにこうして江南としてお会いできるのはすごく楽しみですし、僕自身もいろいろな現場を経て成長した姿をお見せできたらと思います。前作を超える勢いで、スタッフ・キャスト全員で力を合わせて制作しておりますので、ぜひお楽しみに」
■青木崇高(鹿谷門実役)
――「館」シリーズの実写映像化第2弾決定を聞いた感想をお聞かせください。
「『時計館の殺人』は、作品のスケールが前作とはまた違った広がりがあるので、美術班や装飾、いろいろな仕掛けなども本当に大変だと思います。今は撮影の前半ですが、本当に完成するのかなと…原作を読まれた方は尚のこと、そう思うのではないでしょうか。前作『十角館の殺人』と同じスタッフで挑んでいきますので、お楽しみにしてください」
――再び島田潔/鹿谷門実というキャラクターを演じること、奥さんとの再共演についてどう思われましたか?
「僕は今回『島田潔』から『鹿谷門実』になり、十角館の頃からキャリアや生活面でいろいろ変化しています。久しぶりに会った奥くんは顔つきが変わっていて、精悍な顔立ちになったなと思いました。きっと視聴者の方も楽しみにしてくださっていると思いますが、江南とも同志であるので、それぞれ時を経てまた会うというのは個人的にもグッとくるものがありました。江南との関係は、続編ならではの楽しめる部分かなと思います」
――久しぶりの内片組の撮影現場はいかがですか?
「内片監督とは過去に何度か作品を一緒にやらせていただいて、自分にとっては信頼できる兄貴のような存在です。前作もそうですが、ミステリーはリアリティーを追求するだけでは作れないところがあると思っています。殺人が起きて、それを冷静な判断で謎を解いていく、トリックを暴いていくという行為は、どこか非日常なんですよね。その中でキャラクターを成立させるのはかなり難しく、普段の心情から紡ぐアプローチだと動けなかったりするんですが、“ミステリー”という特別なフィールドをエンターテインメントにするために、向き合い方・キャラクターの作り方はそれなりのギアを入れていかないといけません。リアルな表現が頭をよぎる時に、監督がしっかりとエンタメとしての見せ方をディレクションしてくれるので、信頼して演じています」
――楽しみにしている方々へのメッセージをお願いします。
「『十角館の殺人』の時も『これはもう傑作になるだろう』と言っていましたが、今回も、もちろん小説がとんでもなく面白いので、素晴らしい作品になると思います。制作面では一筋縄ではいかず、なかなか大変ですが、これをしっかりと映像に落とし込むことができたら、二つ目の、さらなる金字塔を打ち立てることができるのではないかと思っております。ご期待ください」
■綾辻行人(原作者)
「次は『時計館の殺人』を映像化したい、と聞いて「なるほど」と思いました。『時計館』は小説『館』シリーズの第5作。第2作から第4作までは登場しなかった江南孝明が再登場して、『十角館』で意気投合した島田潔と再会するところから始まる物語です。実写版『十角館』の、奥智哉さん演じる江南と青木崇高さん演じる島田がとても良い感じのコンビだったので、この2人が再び活躍する『時計館』を第2弾に──という提案は十分に納得のいくものでした。ただ同時に、『大変だろうな』とも思いました。『時計館』の映像化を成功させるためには、『十角館』のアレとはまた違うレベルで、立ち向かわなければならない難題がいくつもあります。それらをどのようにして?……などと自分で想像し始めたらもう、めまいが……いや、しかし。内片監督のことだから今回もきっと、原作者をして『やったね!』と言わしめるような作品に仕上げてくれるでしょう。大いに期待しつつ、完成を待ちたいと思います。皆さんもどうぞ、お楽しみに」
■内片輝(監督)
「再び『館』シリーズを映像化するにあたり、最も困難ではないかと想像される『時計館』に挑むことになりました。同じ役者の方々と同じシリーズを続けて制作できること、言葉に尽くせない感動を覚えます。まるで留学し成長した息子や友人と再会するような、感慨深い気持ちです。 そして、ミステリ作品で戸田山(雅司)さんとご一緒できることは、何より心強いです。『館』シリーズは、チームで脚本を書いているので、複数の脚本家が同じエピソードに向き合うことで生まれる面白さも、特筆すべき点かもしれません。『時計館の殺人』を既にお読みになっている方は、『大変なのではないか?』と想像されることでしょう。その通り、非常に大変です。前作『十角館の殺人』とはまた異なる種類の困難さがありますが、スタッフ、キャスト一丸となって丁寧に作品を作り上げていることを実感しています。原作既読のファンの皆さま、ぜひ『十角館の殺人』のドラマをもう一度ご覧いただき、数年後の物語である本作の完成を楽しみにお待ちください。原作未読の方、ドラマ未視聴の方は、犯人を推理しながら、まずは『十角館』を見ていただくことをおすすめします。そして『時計館の殺人』の実写ドラマが完成しましたら、同じように、メモを取りながら犯人当てに挑戦していただければうれしいです。期待してください」
【コンテンツ情報】
Huluオリジナル「時計館の殺人」
Hulu
2026年2月独占配信
Huluオリジナル「十角館の殺人」
Hulu
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