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エミリア・クラークが感慨深く語る「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章2019/03/22

エミリア・クラークが感慨深く語る「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章

 架空の国ウェスタロスを舞台に、覇権争いが繰り広げられる壮大なドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」が、今回のシーズン8をもっていよいよ最終章を迎える。個性あふれるキャラクターたちの群像劇でもある本ドラマの主役の1人であり、“ドラゴンの母”でかつて王国を支配していたターガリエン家の生き残り、デナーリスを演じたエミリア・クラークは、本シリーズで大ブレーク。映画「ターミネーター:新起動/ジェネシス」(2015年)、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」(18年)などで活躍する映画スターとなった。そんな、「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」の放送を待つエミリアに、本シリーズへの思いを聞いた。

私の中にデナーリスがしっかりと刻み込まれている

── 今回のシーズン8でデナーリスを演じるのも最後となりました。

「今回の台本を読んで、これでおしまいなんだなと思った。だから撮影の間中、デナーリスにさよならを言い続けていたの。どんな小さなことでも、これが最後なんだと思うと大切に思えた。撮影はすごく長くて、本当の最後になるまで心の準備をする時間は充分にあったわ。私の人生の10年を費やしたし、私の中にデナーリスがしっかりと刻み込まれている。彼女は、これからも自分の中の一部として存在すると思うわ」

── 今作は世界的に大人気を博したドラマで、熱狂的なファンも大勢います。とんでもない体験をしたこともあるのではないですか?

「なぜかは分からないけど、ファンはその気にならなかったみたいね。そんな体験はしていないわ。ドラゴンの衣装を着て現れたファンもいなかったし…。私が会ったファンの人はとても優しくて礼儀正しかった。だから残念なことに、驚きのエピソードはないのよ」

── 過去のエピソードで、一番好きなシーンを教えてください。

「そうね。シーズン3で、ヴァリリア語を話せるのに話せないふりをしていて、初めてヴァリリア語で話し始めるシーン。デナーリスは今こそ自分の真の力を見せるべきときだと決心する。あのシーンを演じていて“最高!”と思った。解き放たれて自由になるデナーリスの喜びが自分の中に満ちあふれたわ」

── デナーリスのオーディションの時のことを覚えていますか?

「演じたシーンは、シーズン1の兄に反撃するシーンと、火の中に歩き出す前にするスピーチのシーン。オーディションで演じて、デナーリスの本質にふれることができた気がした。彼女を演じる時は、とても冷静になれるの。それは彼女が私の中にいるからだと思う。それが私の強みであり、それをキャスティングの人は見てくれたのだと思うわ」

── 役作りのためにリサーチしたことを教えてください。また、ドラマの原作を読みましたか?

「もちろん、原作の1冊目を6回ぐらい繰り返して読んだ。シーズン1の撮影中はいつも持ち歩いていて、本にびっしりと書き込みをしていた。デナーリスを演じるにあたり、発声法は、ピーター・オトゥールがアラビアのロレンスを演じる、映画『アラビアのロレンス』(62年)のスタイルにしてほしいと言われたの。だから、映画を繰り返し見た。映画は“権力”や“人間的な成長”について、などのセリフが多くて参考になったわ」

── シリーズを通して、これまで奴隷制度が登場してきました。権力を持ったデナーリスは、これからどのように奴隷制度と向き合うと思いますか?

「それは大きな課題だわ。『ゲーム・オブ・スローンズ』全体の課題でもある。権力を持つと、人はいかに目がくもるものなのか。権力者は自らの欲を捨てられるのか、またそれは可能なのか。デナーリスは自分が奴隷のようだった過去を持ち、奴隷を解放する。自由というのは彼女にとって常に大きな課題であり、重要なテーマよ」

── 数々の町を支配者から解放したデナーリスは残虐なこともやってきました。

「このドラマが面白いのは、善と悪の境界線が明確じゃないという点にあると思う。キャラクターたちは、誰もが賛同する行動をいつもとるとは限らない。それが一貫したテーマの一つでもある。権力を持った人が国を治めるにあたり、常に正しく行動できるのか? その問いかけがシリーズを通して繰り返されるのよ」

── シーズン7では、キット・ハリントン演じる、大陸北部を率いるジョン・スノウと対面しました。

「デナーリスとジョンには、多くの類似点があり、彼女はジョンの存在によって自分の新しい面を発見する。彼女にとってそんな存在は、元夫のカール・ドロゴ(ジェイソン・モモア)以外で初めてなの。そして、最終章ではその可能性を深く追求することになるの。最終章では、すべてのキャラクターたちが夢や理想、目的などを持って登場する。具体的には明かせないけれど、緊張感いっぱいのストーリーよ!」

※スターチャンネルの公式サイト(https://www.star-ch.jp/gameofthrones/)では、メイジー・ウィリアムズ(アリア・スターク)&ソフィー・ターナー(サンサ・スターク)、ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター)&ジェローム・フリン(ブロン)など、「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」のインタビューを順次アップする予定。

【プロフィール】

エミリア・クラーク Emilia Clarke  

1986年10月23日生まれ。英・ロンドン出身。ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(11年~)でブレーク。映画「ターミネーター:新起動/ジェネシス」(15年)ではサラ・コナー役にふんした。ほか「世界一キライなあなたに」(16年)、「ボイス・フロム・ザ・ダークネス」(17年)、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」(18年)などに出演。

ドラマ界の最高傑作!「ゲーム・オブ・スローンズ」とは?
ジョージ・R・R・マーティンの人気小説を映像化し、熱狂的なファンを獲得しているドラマシリーズ。米・エミー賞において、3シーズン連続で作品賞に輝くドラマの最高傑作。1シーズンの製作費に数十億円をかけて壮大な規模で映し出されるのは、架空の国の王座をめぐる壮絶な覇権争いと、人間たちの営み。ドラマティックな衝撃の展開が見逃せない!

【番組情報】

エミリア・クラークが感慨深く語る「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章

「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」
4月15日スタート 
スターチャンネル2 
月曜 午前10:00~11:30ほか(字幕・全6話)
※4月29日は午前10:00~11:45

大陸・ウェスタロスで王座をめぐる争いが激化する中、北から死者の軍団の襲撃が始まった。王座奪還を目指してきたデナーリス(エミリア・クラーク)と、北部を守るジョン(キット・ハリントン)は、覇権争いを休戦にもちこみ、北部での戦いに全力を注ぐことに。

取材/高野裕子 構成/編集部



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