田中麗奈×古川雄大「親愛なる夫へ」狂気と愛の境界に迫る夫婦サスペンス「かなり衝撃的」2026/06/29 12:00

“完璧な夫婦”の裏側に潜む狂気的な愛情を描く夫婦心理サスペンス「親愛なる夫へ~完璧な妻の嘘~」(木曜深夜0:09、レギュラー放送は午後11:59)で、ダブル主演を務める田中麗奈と古川雄大。
読売テレビ・日本テレビ系で7月2日にスタートする本作は、やり手の女社長である妻と、昼の情報番組でメインキャスターを務める夫をめぐる完全オリジナルの夫婦心理サスペンスだ。世間からは理想の夫婦に見える2人だが、その関係には、妻が夫に注ぐ狂気的な愛情という秘密が隠されていた。妻との生活に限界を感じた夫が離婚届を突き付けた翌日、妻は突然、謎の死を遂げる。
盗聴やGPS監視もいとわない最恐狂愛妻・坂井麻衣子を田中、その重すぎる愛に苦しむ人気フリーアナウンサー・坂井優一を古川が演じる。クランクインを目前に控えたこの日、初対面だという2人が、作品の魅力や役柄への思い、撮影に向けた意気込みを語り合った。
“完璧な夫婦”の裏側にある、衝撃と人間ドラマ

――まず、オファーを受けた時のお気持ちをお聞かせください。
田中 「驚きました。第1話からかなり衝撃的なストーリーで、脚本を読みながら、私自身も麻衣子に翻弄(ほんろう)されていくような感覚がありました。謎も多く、神秘的な部分もあって、続きが気になって仕方がない作品です。演じ方によって印象が大きく変わっていく役でもあるので、とてもやりがいがあります」
古川 「まず、ドラマで主演を務めさせていただけることがうれしかったですし、田中麗奈さんという素晴らしい方とダブル主演を務めさせていただけることも、とても幸せに感じました。僕自身、サスペンスは好きでよく拝見するので、こうした先の読めない作品に参加できることもうれしかったです。優一は、仕事以外の部分では頼りない人物です。彼がダメであればあるほど、物語が動いていきますし、彼が気付き、成長していくことで展開も変わっていく。難しい役ですが、その分、挑みがいも大きいです」
――脚本を読んでみて、作品の印象や魅力はどこに感じましたか。
田中 「毎回、展開が非常にスリリングです。ただ、少し笑えるシーンやほっとできる部分もあったりするので、サスペンスでありながら、夫婦の愛についても考えさせられる作品だと思いました。考察を楽しめる刺激的な展開もありますし、回を追うごとに『この夫婦に何があったのか』と気になっていく。最初に読んだ時の衝撃と、読み進めるほどに見えてくる人間味、その両方に魅力を感じています」
古川 「最初に読んだ時は、サスペンスとしての見応えを感じました。2回目に読むとまた違った楽しみ方があって、『ここに伏線があったんだ』と気付く部分もたくさんありました。入口と出口で印象がガラッと変わる作品です。最初は、愛妻家のフリーアナウンサーとその妻の少しいびつな関係、そして妻の死をめぐるサスペンスとして始まりますが、最後には大きな愛を抱えた人たちの人間ドラマのようにも映ります。見終えた時には、どこか身近に感じられるドラマがあるのではないでしょうか」
――あらためて、お二人が演じる役柄を紹介してください。
田中 「この間まで“コンビニのパート主婦”(「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」(NHK総合)でのパート店員・中尾光莉役)を演じていたので、自分でもかなりギャップがありますが、それもまた面白いです。麻衣子は結婚している女性ではありますが、一人の女性として描かれる役。愛の話でもあり、彼女の生き方にもつながっていくので、そういう部分も積極的に楽しみながら演じていきたいです。皆さんを驚かせたいですね」
古川 「優一は人気フリーアナウンサーです。仕事はしっかりできる人ですが、仕事以外ではわりと頼りないというか、のほほんとしているところがあります。純粋に人と接するので、周囲から好かれますし、人を動かす力もあり、ある種、人たらしのような側面もあると思います。ただ、人を信じやすいからこそ、利用されてしまう人でもある。世渡りがうまいタイプではないので、そういう部分を妻の麻衣子さんに補ってもらいながら、二人三脚で今の地位まで上り詰めてきた人物です。一方で、妻の重すぎる愛に息苦しさを覚え、夫婦の間に溝が生まれているという役柄です」
――演じる上で、意識したいことや役作りで大切にしたいことはありますか?
田中 「麻衣子がなぜそういう“強さ”を持つようになったのか、優一とどう出会ったのか、怖くなる前のエピソードも描かれていくんです。2人は最初から今のような関係だったわけではなくて、麻衣子が夫をぐいぐい引っ張っていき、『私がいないとダメでしょう』というように、すべてをコントロールしようとする強い視線がある。そうではなかった頃のエピソードも毎回入ってくるので、その対比も面白いですし、麻衣子の魅力や人としての広がりを見せていけたらと思います」
古川 「優一は基本的に受け身で、さまざまなことに翻弄されていく人物です。ただ、物語を展開させるキーポイントでもあると思います。彼がダメだからこそ麻衣子さんが手を差し伸べるし、彼自身の気付きによって物語も動いていきます。繊細な描写が多い役なので、一つ一つ丁寧に、麗奈さんに引っ張っていただきながら演じていきたいです」
――お二人は今回がドラマ初共演。共演相手が田中さん、古川さんだと聞いた時は、どのような印象を持たれましたか。
古川 「映像の世界で長く活躍されてきた方という印象がありました。優一は基本的に受け身で、麻衣子さんに翻弄されていく役でもあるので、麗奈さんに引っ張っていただきながら、夫婦の関係性を丁寧に作っていけたらいいですね」
田中 「共演も初めてですし、世代も少し違っていて、私の方がお姉さんなので。夫婦という形で、違う世代の方、そしてミュージカルをやられている方という、全然別のところから来たような2人が一緒に演じるのは、また面白いんだろうなと感じました」
――今日、取材を通してお話しされてみて、あらためてお互いの印象はいかがですか。
田中 「まだ何時間か前に初めてお会いしたばかりなんです。さっき初めて『運動していますか?』と聞いたら、『していません』とおっしゃって、『そうなんだ』と思ったくらいで(笑)。今はまだそういう状態です。でも、これから仲良くしましょうね、という段階です(笑)」
古川 「田中さんはジムに通われていて、パーソナルでもしっかりトレーニングされていると聞き、やはりストイックな方だなと感じました。もともとクールビューティーなイメージがありましたが、お話しするととても柔らかい方です。これからもっと仲良くしていただけたらうれしいです」
――古川さんから見て、田中さんのストイックさを感じた場面はありましたか。
古川 「今日も、たんぱく質を取るためにささみを召し上がっていたんです。お弁当もいろいろあったのですが、体を維持するためにそういうものを選ばれていて。アミノ酸を飲まれたり、ささみを食べられたり。僕も一時期、筋トレをかなりしていた時に、体を大きくするためにささみばかり食べていたことがあるので、すごいなと思いました。体づくりは8割方食事だと言いますから」
田中 「私はささみが大好きなんです。結構シンプルに、そのまま食べています。撮影期間中は、全然違う世界観の中で、それが自分のリアルな日常になっていく。どうしても撮影中心の生活になりますし、今回もハードな部分があると思うので、乗り越えられるのかという自分へのいいプレッシャーもあります。そういうスリルも、いただいています」
愛か、狂気か? 坂井夫妻の関係性に迫る

――麻衣子が優一のためを思ってやることについて、愛情と狂気のラインはどのあたりにあると思いますか。
田中 「最初に台本を読んだ時は、『ひどいわ』と思ったんです。でも、だんだん慣れてくるんですよ。読んでいるうちに、『あれ、これは麻衣子にとってはナチュラルなのかもしれない』と思えてくる。そこが怖さでもありますよね。演じる側としても、自分の中の感覚が少しずつ麻衣子に寄っていくようなところがあって、そのズレを大事にしたいです」
古川 「どこからが狂気なのか、線を引くのは難しいです。結局、そこにあるものは愛なのだと思います。ただ、その表し方があまりにも極端で、受け取る側には苦しさにもなってしまう。優一は最初、その重さに耐えられなくなっていますが、物語が進む中で、その奥にあったものにも気付いていきます。そこがこの夫婦の面白さだと感じています」
――例えば、勝手に携帯を見られるくらいは、お二人は気にしませんか?
田中 「駄目でしょう(笑)。相手のものも見ようとは思わないです。見たくなる時はもしかしたらあるかもしれないですけど、見ないですよね」
古川 「劇中では、過去にも何度もあったんでしょうね。何の気もなく。優一自身に悪気はなくても、麻衣子からすると不安になるようなことが積み重なっていたのかなと思います」
――ここまでお話を聞いていると、優一も麻衣子も、怖さといとおしさが表裏一体の人物に見えてきます。それぞれの役柄について、いとおしいところや恐ろしいところを挙げるとしたら?
田中 「優一は、頼りないところも含めていとおしいです。何でも信じてしまうところは心がピュアなのだと思いますし、無垢(むく)で無防備なところもある。そういう部分が魅力でもあります。麻衣子はそこが心配になり、自分が守らなければと思っていくのですが、優一は仕事に対して誠意を持っている人ですし、きっとかっこいい部分もたくさんある人なのだと思います」
古川 「麻衣子は基本的に強い妻で、優一にとって絶対的な存在のようなものだと思います。ただ、物語が展開していく中で、彼女がすごく葛藤を抱えていたという一面も見えてくる。強さの中に垣間見える弱さ、こぼれ出る弱さのようなものが、僕としても大切にしたいポイントです」
――愛についての物語でもあると思いますが、この作品における愛をどのように捉えていますか。
田中 「麻衣子の行動は、優一のことを愛しているからこそのものなんです。だからこそ、麻衣子の言動に注目していただきたいですし、優一が振り向いてくれるのか、いつかこちらを見てくれるのかというところも見守っていただけたらうれしいです。過去のエピソードも出てきますし、いろいろな側面を持っている女性だと思います」
古川 「どの角度から見るか、ということなのだと思います。客観的に見れば狂気に映るけれど、麻衣子から見れば大きな愛で、相手を守るためのものだったりする。その見え方が、角度によってグラデーションのように変化していく。そこがこの作品のテーマでもあり、面白さの一つだと捉えています」
作品にちなんだ二択質問で見えた、2人の素顔

――ここからは少し趣向を変えて、1話で麻衣子が優一に突き付ける二択クイズにちなんだ質問を。まずは、優一と麻衣子、自分が近いのはどちらのタイプですか?
A・流されやすく情に弱い優一タイプ、B・こうと決めたら一直線な麻衣子タイプ。
古川 「難しいですね。優一か麻衣子、どちらに近いか……」
田中 「でも、2人でいて一つというか、お互いに補い合っている感じが優一と麻衣子にはある気がします。どちらか一方だけでは生きていけないというか」
――2人で一人、という感覚があるんですね。
田中 「そうですね。バランスが取れているというか」
古川 「どちらかというより、2人でバランスが取れている感じはあります」
――では、1話で麻衣子が岩崎愁斗(尾崎匠海/INI)のオーディション前に「かつ丼食べて帰ろう!」と声を掛けるシーンにちなんで、勝負飯についても伺います。お二人に勝負飯は?
A・ある、B・ない
田中 「Aですね。あります。ラーメンです」
――ラーメン。福岡出身の田中さんはやはり豚骨ですか?
田中 「そうですね。豚骨ラーメンです。締めというわけではないんですけど、ソウルフードなので、やっぱり食べると気合が入ります。自分へのご褒美でもありますし、学生の頃から食べているものでもあるので」
古川 「僕もAですね。勝負飯というわけではないですが、舞台の本番前などは、あまり味の濃いものを食べないんです。『よし、行くぞ』というモードになるので、塩むすびか、ただ焼いた食パンとか」
――シンプルなものを召し上がるんですね。
古川 「はい。味の薄いものを、ただおなかに入れている感覚です」
――最後は、劇中にも登場する別荘にちなんで。休日を過ごすならどちらを選びますか?
A・別荘でゆっくり B・街でアクティブに過ごす
田中 「Aの別荘でゆっくりしたいです」
古川 「僕も全く同じです。山の別荘がいいです」
――田中さんも山派ですか?
田中 「山がいいです。森林浴がしたいですね。山の虫や鳥の声を聞いて、ぼーっとしたいですし、風に当たって気持ちよく過ごしたいです」
古川 「あまり人がいないところがいいです」

――ありがとうございます! そんなお二人がこれから挑む撮影は、7月クールということもあり暑さとの戦いにもなりそうです。現場で楽しみにしていることや、心がけたいことはありますか。
田中 「撮影自体が好きですし、スタッフさんや出演者の皆さんと一緒に作品を作り上げていく作業は純粋に楽しいので、そこは大切にしたいです。サスペンスなので、自分の日常とは違う日常を味わえることも楽しみですね。暑さとの戦いになるのかもしれませんが、そこは戦わないようにして、暑さからは逃げながら(笑)。自分をいたわり、皆さんにもご自愛いただきながら、声を掛け合って、みんなで撮影を乗り切りたいです」
古川 「僕も暑さとの戦いは頑張りたいです。汗をかきやすいので、もしかしたらご迷惑をおかけするかもしれません(笑)。あとは、非日常的な描かれ方をする作品でもあるので、その撮影の過程がどういうものになるのか楽しみにしています」
――心身ともにハードな撮影が予想されます。ご自身なりのリフレッシュ方法があれば教えてください。
田中 「私は、運動と睡眠と食事。この三つをしっかりやっていれば、健康体でいられるのではないかなと思っています。あとは、ハッピーでいることですね。楽しい、うれしいという気持ちでいると疲れないので。ハードな撮影になる覚悟はしていますが、みんなで作品を作ることができる幸せを実感しながら乗り切りたいです。今はアミノ酸も取り入れています。肩こりや筋肉のこわばりを和らげたり、朝すっきり起きられたり、いろいろなことにいいらしくて。そういうサプリメントが少しずつ増えています。いいサプリメントがあったら教えてください(笑)」
古川 「今のお話を聞いて、僕もハッピーでいることと、アミノ酸を取り入れようと思いました(笑)。僕はあまり発散方法のようなものがなくて、寝る前に少し早くベッドに入って携帯をいじる。それが自分の中で一番のリフレッシュ方法だったんですけど、お話を聞いて、少し情けなくなりました(笑)」
――最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。
田中 「たくさん言いたいことはあるのですが、なかなか言えないことも多くて、どうお伝えすればいいのかという感じです。でも、見ている方にも一緒に楽しんでいただける作品になるはずです。毎回たくさんの人が関わってきますし、その一人一人との関係性にも注目していただきたいです。今の夫婦だけではなく、もっと前の夫婦のエピソードも出てくるので、この夫婦に一体何があったのかというところも見どころです。麻衣子はやはり“愛がゆえに”というところがあるので、彼女が持っている愛情にも注目していただけるとうれしいです」
古川 「サスペンスとして十分見応えのあるストーリー展開ですので、気楽に見ていただきたいです。最終的には、何か気付かされるような身近なメッセージも込められているはずです。ぜひ楽しんでいただけたらと思います」
【プロフィール】
田中麗奈(たなか れな)
1980年5月22日生まれ。福岡県出身。98年、映画「がんばっていきまっしょい」で主演を務め注目を集める。近年は、2025年に映画「ストロベリームーン 余命半年の恋」や「ナイトフラワー」、26年4月公開された「黄金泥棒」など、幅広く活躍。現在、NHK総合で放送中のドラマ10「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」に中尾光莉役で出演している。
古川雄大(ふるかわ ゆうた)
1987年生まれ、長野県出身。ミュージカルやドラマ、映画でも活躍。2023年に「LUPIN〜カリオストロ伯爵夫人の秘密〜」で帝国劇場単独初主演を務める。近年は、2020年の連続テレビ小説「エール」、25年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(いずれもNHK総合ほか)に出演。現在、連続テレビ小説「風、薫る」で今井益男役を務めている。
【番組情報】
木曜プラチナイト「親愛なる夫へ~完璧な妻の嘘~」
読売テレビ・日本テレビ系
7月2日スタート
木曜 深夜0:09~1:04
(レギュラー放送は午後11:59~0:54)
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取材・文/斉藤和美
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