日曜劇場「GIFT」本田響矢、元ヤンの車いすラグビー選手役に挑んで「真逆だからこそ面白い」2026/05/03 10:00

堤真一さんが主演を務める日曜劇場「GIFT」(日曜午後9:00)が、TBS系で放送中。ある日、孤独な天才宇宙物理学者・伍鉄文人(堤)が出会ったのは、難問だらけの弱小車いすラグビーチーム「ブレイズブルズ」(以下:ブルズ)。チームの抱える多くの難問の答えを導き出しながら、本気で心と体をぶつけ合うことで、仲間や家族の大切さを知っていく“愛と絆”のギフトを描く物語だ。
本作で本田響矢さんが演じるのは、元ヤンであり、バイク事故を機に車いすで生活を送る青年・朝谷圭二郎。悪事をはたらきながら暮らしていたが、伍鉄とブルズのエース・宮下涼(山田裕貴)と出会ったことで“闘志”が芽生え、チームに加入することに。伍鉄は2人が一緒になればブルズが生まれ変わるのでは、と期待を寄せるが……。
車いすラグビーの選手を演じるにあたり積み上げてきた日々や、近年の自身のイメージを一新する圭二郎のキャラクターについて、本作を通して伝えたいメッセージなどを聞いた。さらには、自身が長く取り組んできた剣道やスポーツへの思いなども。
――本田さんは今回が初の日曜劇場への参加となります。「GIFT」への出演が決まった時はどのようなお気持ちでしたか?
「日曜劇場という枠は、僕も毎クール“次はどんな作品をやるんだろう”と楽しみにしているいち視聴者なので、オファーをいただいた時はすごくワクワクしました。同時に、車いすラグビーが題材の作品ということもお聞きして、初めての挑戦に楽しみだと思ったことを覚えています」
――日曜劇場にはどのようなイメージをお持ちだったのでしょうか。
「熱くて、胸が高鳴るイメージといいますか。毎作品、前のめりになりながら見てしまう印象です。役者をやっていく中で、“いつか日曜劇場に出たい”というのは、ずっと夢を見ていました」
――本作は車いすラグビーが題材であり、本田さんも選手役として出演されていますが、台本を読んだ時にどういう印象を受けましたか?
「試合のシーンが1話から描かれていて、ト書きの量の多さ、そして、そこから伝わってくる世界観と迫力に、文字だけでも圧倒されました。撮影は相当激しいものになるんだろうなと思いましたし、これをドラマ化するというのは、皆さんにも新鮮に感じていただけるのではないかなと。その想像通り、特に試合のシーンは激しく、気迫あふれる映像になっていると思います」
――選手役に挑むにあたり、どのような準備を行われたのでしょう。
「僕は昨年7月頃末に初めて車いすラグビーに触れました。初日から監修で来てくださっている峰島靖さんという車いすラグビー選手の方に、マンツーマンで教えていただくところから始まりました。最初は、車いすの乗り方やこぎ方、ベルトの締め方やグローブの付け方など、基礎の基礎から始めて。クランクインに向けて、準備期間を過ごさせていただきました」
――準備期間の練習としては、どのようなことを?
「車いすの基礎から、徐々にボールを使うようになったのですが、まずパス練習からすごく難しくて、キャッチも全然できなかったです。そこからミニゲームをやってみても、うまくいかなくて……(笑)。根本の試合のルールから頭にたたき込んだ上でプレーをして、かつ仲間と共に道を作っていく難しさ。準備期間を経て、それをより感じました。加えて本当に激しいので、けががないように、細心の注意を払いながらやっていました」

――圭二郎を演じるにあたり、監督から何かリクエストなどはあったのでしょうか。
「フィジカル的な面でいうと、クランクイン前に『もう少し体を大きくしてほしい』と言っていただいて、それまでより一回りくらい体を大きくして臨みました。今は撮影がだいぶ終盤に近づいているのですが(※取材時)、もはや二回りぐらい大きくなっていると思います(笑)」
――それは驚きです。終盤まで、今後の体つきの変化も見どころですね。
「腕をひたすら使うのですが、それよりも背中や肩甲骨周りの筋肉痛がすごくて。でも、『それはいい筋肉痛のあり方、いい体の使い方ができている』と褒めていただけて、うれしかったです」
――圭二郎は元ヤンで、誰にでもかみつく、血気盛んな性格のように感じます。本田さんはどのように人物像を捉えていますか?
「今おっしゃっていた通り、圭二郎はバイク事故をきっかけに心を閉ざしてしまい、誰に対してもかみついていくところがあって。でも、もともとは素直で真っすぐで、何事も正面から突破していける人なんです。喜怒哀楽が激しくて、実は堅実で、人間らしい人だなと感じています」
――そんな圭二郎を演じる上で、大切にしていることはありますか?
「圭二郎は過去にバスケットボールをやめたきっかけ、バイク事故などもそうですが、“前を向こう”と思った時にいつも阻まれてしまって……。何度も何度も押し倒される瞬間がありながら、それでも前を向いて、必死に歯を食いしばっていく。何にでも全力で向き合える姿がすてきだなと思って、そこを大切にしながら演じています」

――大きな話題を呼んだ、ドラマ「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系/2025年)での江端瀧昌役とは正反対のキャラクターです。ファンの方は、そのギャップも楽しんでらっしゃるようで。
「そうですね。ドラマもそうですが、舞台もこの作品の前にやっていて。どちらも時間軸は昭和で、キャラクターは違えど好青年の役、対して今回は令和で金髪のヤンキー役というのが面白いです。切り替える時間としては短かったのですが、分かりやすく髪の色を変えられたのがありがたくて」
――タイトなスケジュールだったとお聞きしました。
「はい。でも、僕は役を演じる上で、そのキャラクターが着ている服や持っているもの、アクセサリーなどを身に付けることで切り替えられる感覚があって。そういう意味では、圭二郎は金髪でボサッとしている外見で、それまでとの差が大きかった分、切り替えはしやすかったです。時代もそうですが、見た目や性格なども真逆だったので、いい意味でメーターが振り切れて、楽しんで臨むことができました」
――そうして作り上げた圭二郎を演じる中で、通じているなと感じる部分はありますか?
「いえ、全くないです(笑)。圭二郎は表にばーっと出てきて、『俺がエースになる男だ!』と言えるタイプですが、僕はむしろそういうことが苦手で、“あまり僕を見ないで”と恥ずかしがってしまう性格なので。真逆で全く別の人だからこそ、“面白いな”と思いながらやらせていただいていました」
――似ていないからこその、演じる面白さがあると。
「圭二郎を演じていると、いい意味で変なアドレナリンが出るんです。それが出ているから言えたセリフだな、と思うこともあります。家で台本を読んでいる時は“これ、どうやって言おう……”と思っていても、現場に入ったら『よーい、スタート』で自然と言えるんです。カットかかった後も、不思議な感覚になる瞬間があります。それほどに彼は熱があって、熱い男なのだろうなと」
――実際に、圭二郎を通して、本田さんの新たな一面が見えた気がしています。
「監督からは、いかにもヤンキーで、誰かと目が合うだけで“何、見てんだよ”とガンを飛ばすような感じで、喜怒哀楽も激しくていいと思う、と言っていただいて。最初の頃は、特にそういう部分を意識して演じていました」

――約4~5か月の準備期間を経て、迎えたクランクインはどのような雰囲気だったのでしょうか。
「僕は最初に1人のシーンから入ったのですが、その後ブルズの皆さんの中に入ったら、もう空気感が出来上がっていて、いい意味で“異質な人物が入ってきたぞ”という感じで受け入れてくださったんです。僕の準備がどうこうというより、皆さんがそういうふうに受け入れてくださったおかげで、話し方や振る舞い方など、圭二郎として自然と生きられたように思っています」
――本田さんご自身、子どもの頃から長らく剣道に熱中されていたということですが、スポーツに対してどのような思いがありますか?
「やっぱり、スポーツってすごいなと思いました。僕は高校3年生まで剣道をやっていて、当時の仲間とは今でもつながりがあるのですが、仲のいいクラスメートとはまた別の存在なんです。楽しいことはもちろん、苦しいことや悲しいことも共に乗り越えてきた、スポーツを通して積み上げてきた関係性というのは、僕にとって何事にも代えられない存在になっています」
――撮影中、共感できる部分や懐かしく思う瞬間などもあるのでしょうか。
「はい。試合をする中で、ガンガンぶつかって、ボールの取り合いをして、老若男女を問わず、みんなでチームを作っていく。それを通じて深めていく絆、キャラクターが成長していく過程などは、剣道をしていた当時の心情や感覚にも通じているなと感じます。実際、僕らも練習や試合のシーンを通して、お芝居をする上での互いの信頼度もどんどん高くなっていった感覚がありました」
――本作には伍鉄をはじめ、個性豊かなキャラクターが多々登場しますが、本田さんが特に“すごいな”と思う、気になるキャラクターは?
「山田(裕貴)さん演じる涼は、やはりエースです。向こうからの矢印はないかもしれないけれど、圭二郎は彼をライバルだと思っているし、“絶対あいつを超えてやる”という気持ちを持っているので。涼はチェアスキルもそうですし、パスを出すタイミングや精度、そういったものが全部一つ抜けているんです。圭二郎を演じる上で、涼への熱い思いはずっと持ち続けていました」

――この作品を通して、本田さんは視聴者の方にどのようなメッセージを届けたいですか?
「この作品はスポーツドラマでもありますが、車いすラグビーを通して、人と人がぶつかり合って進んでいく、人間ドラマでもあると思っています。そして、僕自身が撮影をする中で、誰しも気付かぬうちに誰かにギフトを渡していたり、実はいつの間にか受け取っているのだなと感じて。キャストの皆さん、この作品に携わるスタッフの方、それぞれがギフトを与え合い、このドラマを描き出す。そして、全員が成長していくその姿がこのタイトルの意味であり、ドラマを見ていただく方にも受け取っていただけるとうれしいです」
――本田さんが、本作の撮影で得た“GIFT”を一つ挙げていただくと?
「本当にたくさんありますが、一つ挙げるなら、皆さんの“輪”に入らせていただいたことでしょうか。作り手の1人として、あらためて作品は全員で作り上げるものだと感じられましたし、それが僕にとっての一番のギフトになったかなと思います」
――最後に、本田さんが思う今後の見どころ、注目してほしいポイントを教えてください。
「今はバラバラなブルズというチームがどう成長していくのか、圭二郎が入ることによってどう変化していくのかを、ぜひ見ていただきたいです。元々ブルズにあった空気感をぶち壊すような、爆発的なエネルギーを持つ異質な存在が入ってきて、この後チームがどうなっていくのか、今後も見守っていただけたらうれしく思います」
【プロフィール】
本田響矢(ほんだ きょうや)
1999年6月20日生まれ。福井県出身。2025年の出演作はドラマ「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系)、「すぱいす。」(BS-TBS)、「私は整形美人」(フジテレビ)、音楽劇「エノケン」など。「波うららかに、めおと日和」の続編が26年秋に放送予定。
【番組情報】
日曜劇場「GIFT」
TBS系
日曜 午後9:00~午後9:54
取材・文/TVガイドWeb編集部
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