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志尊淳×仁村紗和「初対面はお互いミステリアス」純愛ドラマ「10回切って倒れない木はない」への思い2026/04/09 06:00

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志尊淳×仁村紗和「初対面はお互いミステリアス」純愛ドラマ「10回切って倒れない木はない」への思い

 志尊淳主演、仁村紗和がヒロインを務める日本テレビ系で4月12日スタートの連続ドラマ「10回切って倒れない木はない」(日曜午後10:30)。幼い頃に日本人の両親を失い、韓国有数の財閥の養子として育った青年・キム・ミンソク/青木照(志尊)が、23年ぶりに帰国した日本で、町の診療所の医師・河瀬桃子(仁村)と出会う。国境や言語、そしてそれぞれの過去を越えてひかれ合う2人の姿を描く、秋元康が企画を手がけた完全オリジナルの純愛ラブストーリーだ。

 財閥というスケールの大きな設定、本格的な韓国ロケ、さらに韓国語での演技と、従来の国内ドラマの枠を大きく超えた意欲作。ゴールデンプライム帯単独主演が初となる志尊と、ヒロインとして新境地に挑む仁村。取材会に参加した2人に、役への向き合い方やお互いの印象、作品に込める思いなどについて、じっくり話を聞いた。

――まずは、出演が決まった時のお気持ちから聞かせてください。

志尊 「単独主演だからといって特別な意識はなくて、これまで通りしっかり作品を作っていけたらという思いです。ただ、座長として現場の空気作りも含めて、そういった部分にも気を配っていかなければいけないなと感じています」

仁村 「私はこれまで恋愛ものやロマンスのジャンルはあまり経験がなくて、やってきたとしても影のある役が多かったので、今回は新しい自分を見つけられそうな気がして、うれしかったです」

――台本を読んだ感想はいかがでしたか?

志尊 「最初に思ったのは『韓国語が多い!』でした(笑)。こんなはずじゃなかったなっていうのが正直な第一印象で。ただ、それ以上に感じたのは、この物語はセリフだけで成立するものではないということです。それぞれ過去に抱えているものや人生観が違う2人が混ざり合っていく中で、言葉にならない部分がとても重要になってくる。今ある台本をしっかり表現した上で、そこからさらに大きなものが広がっていくんじゃないかという感覚は、クランクイン前の段階ですでにありますね」

仁村 「私も最初に驚いたのは、ミンソクの韓国語のセリフの多さでした(笑)。でも、それと同時に、財閥が出てくるような韓国ドラマ的な展開がすごく新鮮で。桃子のパートには、かわいらしいシーンや温かい場面もたくさんあるので、そういう柔らかさもちゃんと届けられたらいいなと思いました」

志尊淳×仁村紗和「初対面はお互いミステリアス」純愛ドラマ「10回切って倒れない木はない」への思い

――それぞれが演じる役柄の魅力を教えてください。

志尊 「ミンソクは7歳で両親を事故で亡くして、韓国の財閥の養子として育ちます。言語も文化もまったく違う環境で自分を形成してきた人物で、アイデンティティや言語、文化の違いといった、さまざまな壁を抱えて生きている。自分の思っていることを言葉にできない人はたくさんいると思うんですが、ミンソクもまさにそういう人間で。抑圧された環境の中で生きてきた彼が、桃子と出会ってどう変わっていくのかが、この作品の大きな軸になると思っています。最初から完成された人物ではなく、ドラマを通してどんどん変化していくキャラクターなので、スタッフの皆さんや視聴者の方々に育ててもらうような存在になるのではないかと感じています。だからこそ、自分が“こう見せたい”と決めるのではなく、ミンソクと共に生きる中で、その魅力を作っていけたらと思っています」

仁村 「桃子は診療所の医師なんですが、患者としてだけではなく、一人の人として向き合える女性です。大変な経験をしてきたからこそ、人の痛みに気づける。陽だまりのような温かさがあって、ポカポカしているような存在なんです。強がらない強さや、完璧じゃないところが、人に『この人信頼できる』と思わせる女性で、そういう彼女のポジティブなパワーを受け取りながら、お芝居に向き合えたらいいなと感じています」

――役作りで意識していることはありますか?

志尊 「かなり前から、プロデューサーや監督と役について話し続けてきたので、表面的な“こういう役作りをした”ということよりも、彼の気持ちや人生を知ることが、一番の役作りにつながると感じています。このままカメラの前でミンソクとして生きる、それに尽きるのかなと。韓国語については、セリフが届いたのが撮影の3週間前で、先生と一緒に一つ一つ発音を調整しています。実際に韓国の役者の方との芝居の中で自然に言葉が出てくるかが不安でもあるので、似た表現も含めて幅広く覚え、お芝居に合わせて柔軟に言えるよう準備しています」

仁村 「桃子は信頼されている人なので、現場でもそういう存在でありたいです。強く見せようとするのではなく、自然体でいること。その空気感が役にもつながるはずだと考えています」

志尊淳×仁村紗和「初対面はお互いミステリアス」純愛ドラマ「10回切って倒れない木はない」への思い

――今日が初対面とのことですが、お互いの第一印象はいかがでしたか?

志尊 「ミステリアスな方なのかなという勝手な印象を持っていたんですけど、すごく話しやすくて、明るい方だなと思いました」

仁村 「私もミステリアスだと思っていました(笑)」

志尊 「俺のことミステリアスだと思ってる人、あまりいないと思う(笑)」

仁村 「柔らかさもあるけど、根性というか、中の泥臭さみたいなものが感じられるというか……」

志尊 「雑草魂みたいな(笑)」

仁村 「みたいなのが混ざっている人なのかなと。その清潔感とそれが両立してるのが人間として魅力的だなと思っています」

――撮影に向けて楽しみにしていることは?

志尊 「もうとにかく早くクランクインしたいですね。長い期間ミンソクのことを考え続けてきたので、早く物語の空気の中に入りたいという気持ちが強いです。韓国ロケもあって、スタッフの皆さんは『おいしいものを食べに行こう』と盛り上がっているんですけど、僕は韓国語がまだ不安で、そんなに浮かれていられない状況で(笑)。それも含めて楽しめたらいいなと思っています」

仁村 「メインキャストの皆さんも歳が近くて。同い年だからか分からないですけど、負けないぞっていう(笑)」

志尊 「いやいや仲間、仲間(笑)」

仁村 「仲間なんですけど(笑)。なんかいいエネルギーが発生しそうな気がしていて、そこは楽しみですし、仲良くやっていけそうな気がします」

志尊淳×仁村紗和「初対面はお互いミステリアス」純愛ドラマ「10回切って倒れない木はない」への思い

――ご自身以外で気になっているキャラクターはいますか?

仁村 「途中で謎の令嬢(長濱ねる)が出てくるんですけど、その令嬢がどういう動きをしてくるのか気になっています。謎が謎を呼んでいるんです(笑)」

志尊 「韓国の役者の皆さんが参加されるので、文化の違いは楽しみです。家族愛や財閥に対する価値観など、僕らの感覚と韓国の方々が持っている感覚はきっと違うと思うので、そこがどう交わっていくのか、セッションできるのかというのは興味があります。それから日本パートでは、桃子の幼なじみ・山城拓人を演じる京本大我くんも楽しみで。昔から知っている友人なんですが、一緒に芝居をするのは初めてで、少し照れくささもありつつ(笑)。でも彼の役がすごくチャーミングで、本人にぴったりだなと感じています。出演が決まったと聞いてすぐに連絡したんですが、一緒にやれるのが待ち遠しいですね」

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――ちなみに、タイトルにもなっている「10回切って倒れない木はない」という韓国のことわざ、ご存じでしたか?

志尊 「知らなかったです。意味を聞いてみると、韓国のことわざではありますが、いろんな捉え方ができる言葉だと受け止めました。実際にこのドラマの中でも、一つの意味に限らず、さまざまな解釈が描かれているはずです。もちろん『何度でも挑戦し続けることが大切』という意味もあると思うんですが、それ以上に僕は、その過程が大事だと感じていて。10回切る中で、切りたくて切った回もあるし、一人ではなく複数人で力を合わせて切った回もある。いろんな過程があって、そこにちゃんと物語がある。切ること自体にも意味があると捉えているので、表面的な意味だけではない部分もしっかり体現していきたいです」

仁村 「私も、その過程が大事だなと感じました。切るにしても、いろんな筋肉を使って切るんだろうし、その積み重ねの中で自分自身も少しずつ変わっていくんじゃないかなと。どんなふうに変化していくのかは分からないけれど、続けていくことで周りの環境が変わったり、理想や目標に近づいていく。そういう前に進む力をもらえる言葉だなという印象を受けました。最初は『猿も木から落ちる』みたいな意味なのかなと思っていて(笑)。10回も切られたら倒れるよね、というニュアンスかと思っていたんですが、実際は諦めないことの大切さを表していると知って、印象が変わりました」

――タイトルの意味について、お二人とも「切る過程が大切」とおっしゃいましたが、これまでの俳優・女優としてのキャリアに通じる部分はありますか。

志尊 「かなりあります。この仕事をしていると、役に向き合うたびに壁があって、それを乗り越えていくことの繰り返しなんですけど、それを特別な“挑戦”として捉えているわけではなくて、自分の中では当たり前のことなんです。だからこそ、普段は挑戦しているという意識は強くないんですが、こういう作品に向き合う中で、改めて毎回挑戦しているんだなと気付かされるというか。成功かどうかも非常に主観的で、人によって違うものなので、そこにとらわれないからこそ続けてこられたのかなと思います」

仁村 「私も、正解や答えがないからこそ突き進んでこられたという感覚があります。大阪から上京したのが19歳で、その頃は何を頑張ればいいのかも、どこに壁があるのかも分からない状態でした。そんな中、前に進むしかないという気持ちで、壁を壊すように突き進んできたというか。無敵モードみたいな感じで(笑)、ここまで来たなという実感があります」

志尊淳×仁村紗和「初対面はお互いミステリアス」純愛ドラマ「10回切って倒れない木はない」への思い

――では、お二人が大事にしている言葉や座右の銘があれば教えてください。

仁村 「大事にしている言葉はいくつかあるんですけど、母に昔から言われていた『縁のある人と目の前のものを大切にしなさい』という言葉が、自分の生き方とフィットしていて。悩んだ時には、そこに立ち返るようにしています」

志尊 「僕はこれといった一つの言葉があるわけではないんですが、その時々で、周りの方から必要な言葉をもらっている感覚があって。だからこそ、それを一つに決めるのではなく、その都度しっかり受け取って、自分の中に落とし込んでいくことを大切にしています」

――韓国ドラマのようなドラマチックな展開もあるということで、好きな韓国ドラマがあれば教えてください。

仁村 「いろんなジャンルで見ていて、それぞれに“1位”があるんですけど、最近見て面白かったのは『おつかれさま』という作品です。IUさんが出演されていて、ラブストーリーでもありながら、女性3世代の家族の物語でもあって。本当に久しぶりに、声が出るくらい泣きました。IUさんが一人二役をされているんですが、それも印象的で、女性には特に響く作品だと思います」

志尊 「僕は『スタートアップ:夢の扉』が好きですね。サクセスものが好きというより、とにかく脚本が素晴らしくて。後半の展開もすべて意味があって、最初から最後までしっかり設計されているんです。伏線も丁寧に回収されていって、感情が積み重なっていくのがいいなと思いました。1話の桜の木のシーンも印象的で、ああいう“1枚の強い絵”があるのが魅力だと思っていて。実は以前出演した『恋は闇』でも『あの桜の木のような象徴的なシーンを作れたらいいね』という話になって、実際にそれが重要なシーンになったりしました」

志尊淳×仁村紗和「初対面はお互いミステリアス」純愛ドラマ「10回切って倒れない木はない」への思い

――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

志尊 「日曜日のこの時間が、皆さんにとって楽しいひとときになったり、明日から始まる一週間の糧になったらうれしいなという思いです。何かを強く届けようというより、とにかく楽しんでもらえる作品を丁寧に作っていきたい、その気持ちが一番強いです」

仁村 「肩の力を抜いて見ていただける作品だと思いますし、日曜の夜に、誰かの居場所になれるような時間をお届けできたらうれしいです。日々いろんな顔で過ごしている方たちが、ふっとそこに戻ってこられるような、そんな場所になれたらいいなと思っています」

【プロフィール】
志尊淳(しそん じゅん)

1995年3月5日生まれ。東京都出身。2014年放送のスーパー戦隊シリーズ「烈車戦隊トッキュウジャー」(テレビ朝日系)でテレビドラマ初主演を務め注目を集める。以降、ドラマ「女子的生活」(18年/NHK総合)で高い評価を受け、近年はドラマ「フェルマーの料理」(23年/TBS系)、「恋は闇」(25年/日本テレビ系)など話題作に出演。映画では「52ヘルツのクジラたち」(24年)などがある。

仁村紗和(にむら さわ)
1994年10月13日生まれ。大阪枚方市出身。モデルとして活動後、14年に芸能界入り。連続テレビ小説「おちょやん」(20年)や大河ドラマ「青天を衝け」(21年/ともにNHK総合ほか)への出演で注目を集める。NHK夜ドラ「あなたのブツが、ここに」(22年)で連続ドラマ初主演を果たし、その後もドラマ「SHUT UP」(23年/テレ東系)、「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(24年)などで存在感を発揮。近年は主演作「完全不倫 ―隠す美学、暴く覚悟―」(25年/ともに日本テレビ系)など。

【番組情報】
「10回切って倒れない木はない」

日本テレビ系
4月12日スタート
日曜 午後10:30~11:25

取材・文/斉藤和美

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