梅澤美波×西垣匠×加藤小夏トリプル主演「失恋カルタ」99年生まれの3人が語る27歳のリアル2026/03/30 07:00

ピース・又吉直樹が自身の朗読会のためにつづったテキストと、イラストレーター・たなかみさきさんが描く全50音の絵札が出会い生まれた「失恋カルタ」。失恋という痛みを、あえて“遊び”へと転換する逆説的な発想が話題を呼んだこのユニークなカルタが、MBS/TBSドラマイズム枠でドラマ化される。
3月31日スタートの「失恋カルタ」(MBS=火曜深夜0:59、TBS=火曜深夜1:26)は、結婚式で新婦が逃げ出すという出来事をきっかけに、27歳の同級生3人がそれぞれの恋と向き合い直す物語だ。
アパレル企業の広報として働き、明るく仕事もできる一方で「誰かに愛される自分」に価値を見いだそうとしてしまう夏野千波役を演じる梅澤美波(乃木坂46)。頭脳明晰(めいせき)で理論派、他人の目を気にしない強さを持ちながらも、恋に落ちると少し依存気味になってしまうフリーライター・馬路光役の西垣匠。そして気が強く皮肉屋だが、実はいちずな思いを抱え続けてきたゲーム会社経理の野田彩世を体現する加藤小夏。トリプル主演を務める3人は1999年生まれの同世代。劇中と同じ年齢を生きる彼らに、撮影の舞台裏から27歳という揺らぎのリアル、そして失恋との向き合い方などについて聞いた。

――大学のボードゲームサークルで出会い、27歳になった今も恋に揺れる3人を演じた皆さん。同い年という共通点もありますが、現場ではどんな空気感でしたか?
梅澤 「ここでは言えない話もあるくらい打ち解けていました(笑)。腹を割って話すことで仲良くなれましたよね」
加藤 「『こんなこと言っていいのかな』ってことまで話しちゃいましたからね。本当にどこまで言っちゃうんだろうってくらい(笑)」
西垣 「大学時代からの友人で仲が良い設定でもありましたし、集まる場面も多くて。仲がいいに越したことはなかったので、深いところまで話しました」
梅澤 「頑張ってそうなったのか、この3人だから自然とそうなれたのかって考えたんですけど……」
西垣 「それは後者ですよ」
加藤 「本当にそう。99年生まれっていうのもあるけど、このハマり具合はすごいなと思います」
梅澤 「私、この2人は誰に対してもこんな感じで自然に打ち解けられる人たちなんだと思っていたんですけど……」
西垣 「そんなことない。別の現場で会ったらびっくりすると思うよ」
加藤 「本当に(笑)。ここだからこその空気だよね。2人のこと大好きです!」
恋の相談は「光」に! 3人3様の恋愛観
――ご本人として、役柄の中で恋の相談をするなら誰にしたいですか?
梅澤 「光!」
加藤 「私も光!」
西垣 「うーん……千波と彩世なら、彩世かな。ズバッと言ってくれそうなので。僕はたたき切ってほしいタイプなんです」
加藤 「それは男性だからかなあ。女性は寄り添ってほしい人が多いから、答えはもう決まっていても、とにかく聞いてほしい。光は優しいから、安心した気持ちでいられるというか」
梅澤 「光は他人のことになると一番冷静で、ナチュラルにふわっと一言をくれる。彩世はストレートだけど、光のさりげなさが心地よくて。出会いたいですね、ああいう人に」
――西垣さんの中に、光のような要素はありますか?
(梅澤・加藤、顔を見合わせる)
西垣 「僕は、わりともろ自分だと思っていたんですけどね……」
加藤 「役柄はぴったりではあったけど……」
梅澤 「光って、言ったことに対してあまりプラスアルファを足さないじゃないですか。でも西垣さんは、きっと全部伝えたいタイプ。そこが違う気がします」
西垣 「確かにそうかも」

――千波、光、彩世、それぞれ恋愛のパターンが違いますよね。どの恋愛観に一番共感しますか?
加藤 「どれも共感できないかも……」
西垣 「僕も共感というより、彩世のようにありたいなとは思います。一人の人をいちずに思っていて、例え土俵に立てていなくても、一緒にいられる幸せを感じられるってすごいなって」
加藤 「うれしい。自分が褒められているみたいで」
梅澤・西垣 「違うよ!」
加藤 「おいおい! 褒めてよ!(笑)」
梅澤 「でも、最終的にちゃんと幸せになりそうなのは彩世だと思います。この物語自体は完結していますけど、その先の未来を想像した時に、一番未来が見えるのが彩世。いちずに思い続けられることもそうだし、愛される人だと思う。愛することだけじゃなくて、愛されることを受け入れられたら、彩世はもっと強くなる。そこにたどり着けたら理想だなって思います」

――劇中にも出てくる、27歳でいろんなことに迷い始めるとか、結婚を考えるというのは、まさにどんぴしゃの世代の皆さんですよね。
加藤 「そのはずなんですけどね(笑)。周りも結婚し始めたりとか」
梅澤 「本当にそう」
加藤 「ちょうど昨日も友達から“結婚した”っていう連絡が来て、『おめでとう!』って返信したけど、自分がいざその立場になると、この仕事がすごく大切だから、どうしたらいいか分からない。私にはそんな……うーん……まだ子どもなんですかね。27歳にしては、もう少し大人にならないといけないなって」
――今は、そこの比重が少し違うという感じなんですかね。
加藤 「自分のことに責任を持つので精いっぱいです」
梅澤 (大きくうなずく)
「まだ若い」のか「もう大人」なのか? 27歳の葛藤
――27歳という年齢については、どういうふうに捉えていますか?
西垣 「この業界にいると『まだ若い』『若手だ』って言われるんですけど、地元の友達や、この仕事をしていない友達に会うと『いや、もう27だよ』って言われるんです。だから、どっちなんだろうと思うことがあって。仕事としてはまだまだ先があるし、自信を持つには早い。上には上がいますし。職業的には若くても、外では“アラサー”。その感覚のズレは、ちょっと難しいなと感じます」
加藤 「27歳なんて、長い年月から考えればまだまだちっぽけだからね!」
梅澤 「私の場合は、若い子が周りに多いので、自分の年齢についてはずっしり感じているかもしれないです。焦る必要はないし、年齢にとらわれるつもりもないけど、今という貴重さは日々すごく感じています。20代であることもそうだし。でも、まだ人生をそんなに生きていないので、20代前半の自分と今の自分では考え方も全然違う。今だから得られるものってきっと多いと思うし、大事にしないといけないなと。毎日思っています」

――仕事への取り組み方や思いも変わってきましたか?
梅澤 「変わりました。フェーズがどんどん変わってくる。私は少し特殊な環境にいるので、感じることもいろいろあって。この2人に影響を受けることも本当に多いです。俳優として生きる2人があまりにもかっこよくて。本当にいい出会いだなと思いますし、こういうタイミングで出会う人を大事にしなきゃなって思います」
加藤 「うれしい! 生きててよかった(笑)。でも、美波が一番かっこいいよ。アイドルとしてめちゃくちゃ勝負できるポテンシャルがあって、実際に勝負してきた人だし。その上で人間性でも勝負できる。マジでかっこいいと思う」
梅澤 「もうやめて!(照)」
――かっこいいところは、どんなところですか?
加藤 「あのね、強いんですよ。やっぱり厳しい世界で活躍してきたから。でも、アイドル的な仮面の強さじゃなくて、人間として軸を持っていて、現場での強さがすごくある」
梅澤 「うれしいですね」

――そんな“強さ”の一方で、今回は失恋がテーマの作品です。悲しい出来事があった時は、皆さんどう過ごしますか? 聴きたい曲や触れたい作品があれば教えてください。
西垣 「僕はまず、とことん沈みます。一回落ちたら途中で浮上できなくて。人と会うのはいいかもしれないけど、自分の悩みはあまり言わず、ただ一緒にお酒を飲んで紛らわすタイプですね」
加藤 「リアルだね(笑)。私は音楽を聴いてるかな。フィッシュマンズさんの『いかれたBaby』とか。それから小説もたくさん読みます。悲しみに引っ張られるより、小説の中の別の世界に行ってしまいたいんですよね」
梅澤 「私は、時間が解決してくれるのを待つタイプです。曲に救われることもあるけど、結局は時間がすべてだと思う。つまらない答えですけど」
西垣 「時間って、何に関しても最強の言葉だよね」
梅澤 「どれをとっても、最後はそこに行きつくよね」
――落ち込む出来事があった時、スパッと切り替えられますか?
梅澤 「無理ですね」
加藤 「私は全然スパッといけるタイプ。ここはきっちり、(加藤と西垣の)2対1に分かれるんじゃないかな。私は『落ち込んだってしょうがない!』って思えるタイプです」
西垣 「僕も一度は落ち込んでも、立ち直りは早いです」

「参りました」と思った、忘れられないシーン
――失恋や落ち込みへの向き合い方は三者三様ですが、この作品を演じる中で、特に心が動いた瞬間はありましたか?
加藤 「第8話の最後で、この2人に感情をぶつけるシーンです。思ったより込み上げてきてしまって」
梅澤 「あれは本当にかっこよかった」
西垣 「あれはすごかったよね。『参りました』って思いました。負けたなって(笑)」
加藤 「うれしい。でも、それは本当に2人のおかげなんですよ。2人が光と千波だったから、『お前らマジ幸せになれよ』『なんなんだよ』みたいな気持ちに本当になれて。あの時の2人の顔が焼き付いてます」
梅澤 「あのシーン、本当にすごかった」
加藤 「言ってよ~! もっと(笑)。現場では全然言ってくれなかったじゃん」
西垣 「まだ撮影が続いていたから、ほっとさせるのもよくないかなって(笑)」
――掛け合いのお芝居やテンポ感は、演じていても楽しかったですか?
西垣 「ゲームしながら、食べながら、作りながら、っていうシーンが多かったので、全神経を集中させていました。当日の指示も多かったので、みんながぎゅっと集中していたのが印象的です。セリフに氷の音がかぶったりすると止まってしまうので」
加藤 「いやぁ、集中していたよね」
西垣 「芝居では集中できていました。でもオフショットの時はすごくふざけちゃって、申し訳なかったですよね(笑)」
加藤 「そうそうそう!」
梅澤 「ほんとに、申し訳なかったね(笑)」

――今のタイミングでこの作品に出合えて、いい出会いができたという雰囲気が伝わってきます。視聴者の皆さんにはどういうふうに見てもらえたらうれしいですか?
加藤 「まず、カルタが題材になるって珍しいし。このカルタを読んだら見たくなるんじゃないかな。めちゃくちゃ共感できるし。私たち3人の他の人には出せない雰囲気も見てほしいよね」
梅澤 「そうだよね。仲がいいのが映像から伝わるといいよね」
西垣 「僕らの仲の良さは画面にも映るから」
梅澤 「めっちゃ伝わると思う」
加藤 「いい作品にはいい現場ありだと思うんですよ。それが前面に出ているかなって。この3人もそうですけど、スタッフの皆さんも本当に素晴らしいんですよね。いい作品を作ろうって、そこに向かっていっている感じがすごくあって。その現場の良さが絶対に映像に映っていると思います」
梅澤 「作品としても、ロマンチックなシーンもあればリアルな描写もたくさんあって。主人公の私たちそれぞれが、自分が歩んでいる道を間違っていると思いながらも、それをやめられずに進んでいる感じがすごくリアルなんです。傍から見たら分かることでも、生きている自分たちは曲げられない歯がゆさがあって。でもそれぞれ違う軸で進んでいるのが面白い。『人ってこうだよな』『うまくいかないよね』『こういう時に気付くよね』っていう瞬間がたくさんあるので、いろいろ共感してもらえると思います」
インタビュー中、息の合ったやりとりが印象的だった3人。「花の99年」と西垣が切り出せば、加藤が「花ですからね。盛り上げていきますよ!」と同調。誕生日の末尾が全員“6”という共通点の話題では、そのことを忘れていた西垣に梅澤が「この間、その話したじゃん」とすかさずツッコミを入れる。自然体の掛け合いが、会話を心地よく弾ませていた。
そして、迷いのない言葉で場を引っ張る加藤。「27歳なんてまだまだちっぽけ」と言い切る姿に「いつもこんな男前なんですか?」と聞くと、梅澤と西垣が声をそろえて「これが通常です」と即答。同い年だからこそ生まれる距離の近さと遠慮のなさ。その空気が、劇中でどんな化学反応を生むのか。3人が紡ぐ物語に、期待は高まる。
【プロフィール】
梅澤美波(うめざわ みなみ)
1999年1月6日生まれ。神奈川県出身。2016年、乃木坂46の3期生としてデビューし、23年にはグループ3代目キャプテンに就任。ドラマ「デスゲームで待ってる」(カンテレ/24年)や映画「九龍ジェネリックロマンス」(25年)などに出演。雑誌「CLASSY.」のレギュラーモデルも務める。26年に2nd写真集「透明な覚悟」を発売。26年2月、41stシングルの活動をもって乃木坂46卒業を発表し、5月21日に卒業コンサートを予定。
西垣匠(にしがき しょう)
1999年5月26日生まれ。石川県出身。2021年、ドラマ「夢中さ、きみに。」(MBS)で俳優デビュー。近作はドラマ「海に眠るダイヤモンド」(TBS系/24年)、「続・続・最後から二番目の恋」(フジテレビ系/25年)、映画「ほどなく、お別れです」(2/6公開)に出演。8月7日に映画「ブルーロック」の公開が控えている。
加藤小夏(かとう こなつ)
1999年6月26日生まれ。東京都出身。2014年に芸能活動を開始。CM出演で注目を集め、ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか/23年)、「ウイングマン」(テレ東系/24年)、「娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?」(フジテレビ系/25年)などに出演。
【番組情報】
ドラマイズム「失恋カルタ」
3月31日スタート
MBS
火曜 深夜0:59~1:29
TBS
火曜 深夜1:26~1:56
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