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又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」2026/03/18 18:00

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又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」

 ピース・又吉直樹が自身の朗読会のためにつづったテキストを読み札に、イラストレーター・たなかみさきさんが全50音の絵札を描き下ろした「失恋カルタ」。そのユニークなカルタを原作にしたMBS/TBSドラマイズム「失恋カルタ」(MBS=火曜深夜0:59、TBS=火曜深夜1:26)が、3月31日より放送スタートする。

 結婚式で新婦が逃げ出すという出来事をきっかけに、27歳の大学時代からの友人3人がそれぞれの恋と向き合い直していく本作。明るく仕事もできる一方で「愛される自分」に価値を見いだそうとしてしまう夏野千波を演じる梅澤美波乃木坂46)、理論派で他人に流されない強さを持ちながらも恋に揺れる馬路光役の西垣匠、そして気が強く皮肉屋だが、いちずな思いを抱え続けてきた野田彩世を体現する加藤小夏。トリプル主演を務める3人と、初顔合わせとなった原案者・又吉を交え、カルタ誕生の背景から脚本への印象、心に刺さったセリフまでを率直に語り合った。

又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」
又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」

カルタからドラマへ! 又吉直樹と主演3人、初顔合わせトーク

――又吉さんは、ご自身のカルタがドラマになるとは想像されていましたか?

又吉 「想像していなかったです」

――完成した台本を読んで、最初に感じたことは?

又吉 「面白かったです」

加藤 「本当ですか!?」

西垣 「切り込み隊長過ぎる(笑)」

又吉 「本当ですよ(笑)」

――この企画について。カルタをドラマにするというかなり面白い企画だと思いますが、主演と聞いた時はどんな心境でしたか?

西垣 「どんな物語になるのかなと。最初はオムニバスかなと思ったり、どうやって描くんだろうと考えたりして。ワクワクでした」

又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」

――カルタが物語へと変わる過程で、印象的だった瞬間は?

西垣 「最初にカルタを読ませてもらって、そのあと台本をバーッと読んでいったのですが、セリフのあちこちにカルタがちりばめられていて。“ええ、これもカルタなんだ!”と驚きました」

加藤 「今、めちゃくちゃドラマが多いので、普通のことをやっていても埋もれてしまうと思ってるんです。だから又吉さんが作った失恋のカルタを原案にしているのが今までになくていいなと思ったのと、千波と光と彩世にしか出せない魅力をちゃんと見せなきゃいけないなって。27歳の今だからこそ、『やって良かった』と思える作品にしたいと思いました。気合が入りましたね」

梅澤 「又吉さんが書かれたカルタの言葉が本当に素晴らしくて、物語の可能性が無限にあるなと思いました。どんな作品になるのかなってワクワクしましたし、自分がどういうキャラクターになるのか想像する時間も楽しかったです。リアルな世代の私たちが演じるからこそ伝わるものがあると思いますし、それぞれが27年間生きてきた経験が役に反映されたら、より深い作品になるんじゃないかなと。決まった時は素直にうれしかったです」

又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」

――気になったカルタの札はありますか?

加藤 「『きつねうどんの食べ方が嫌でした』。なんでこんなのが思い付いたのかなって。そういう人がいたのかな」

西垣 「僕は『ハンカチ持ってきたし、今夜話そう』。泣く前提で、いい切なさだなと思いました。ちなみに又吉さんは、きつねうどんの食べ方がちょっと微妙だったんですか?」

又吉 「食べ方はいろいろ言われますね。このイラスト(揚げの中にうどんを入れる)みたいには食べませんが、ペットボトルのふたに飲み物を入れてちびちび飲むのが好きだったり」

西垣 「ああ~」

加藤 「『ああ~』じゃなくない?」

西垣 「ちっちゃい時にやらなかった?」

梅澤 「やった、やった!(笑)」

又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」

カルタに込めた実体験「女性から見た自分を攻撃」

――カルタの言葉は、どこまでご自身の体験に近いものなのでしょうか。

又吉 「自分の体験をもとにした部分もありますが、フィクションも含まれています。いくつかは別のものに置き換えて表現しているところもありますね。女性視点で書いているのは、 “女性から見た自分” をあえて攻撃的に描いてみようと思ったからです(笑)」

加藤 「例えば、どれですか?」

又吉 「『仕事のせいにして別れるのが特技ですか?』とかですね」

――ほかにも、特に思い入れの強い札を挙げるなら?

又吉 「『苦手な人いたよ、あなたの友達で……』というのも、まさにそうなんですよね。薄々気付いているくせに、どうしてもやめられないことがある。僕はサッカーが大好きで、恋人がいた頃も試合を見ることを優先してしまって。相手はきっと、あれがすごく嫌だったんだろうな、と今になって思います。『平然と明日を生きようとするあんたが眩(まぶ)しい』もあって。つい別れた恋人のSNSを見てしまう。……友達には『やめろ』って言われるんですけど、のぞいてしまうんです。めっちゃ楽しそうに過ごしている投稿を見るたびに、精神的に結構きますね」

加藤 「やっぱり面白いですねえ……」

西垣 「見なければいいのに見ちゃうっていうのは分かります。僕は、言わなきゃいいのに、という余計な一言は多いかもしれないです」

加藤 「男性同士で分かりあってる(笑)」

又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」

――ドラマ化にあたり、制作側に伝えたことがあれば教えてください。

又吉 「具体的なことはないんですけど、僕より若い皆さんで、女性多めで……演者さんというより、制作スタッフをお願いできたらありがたい、という話はしました」

加藤 「そういうことだったんですね! 女性がこんなに多い現場は初めてだったので、びっくりしました」

――そう考えられた背景には、どんな思いがあったのでしょうか。

又吉 「おじさんが集まって失恋の物語を作っているの、なんか怖いなって(笑)」

加藤 「失礼かもしれないですけど、間違いないです。怖(笑)」

又吉 「カルタ自体も僕が考えているので、まあまあやばいですけどね(笑)。だからドラマにするなら、女性のことをちゃんと分かっている方にやってもらえたらと思って。僕自身、あまり恋愛が得意じゃないところもあるので」

加藤 「なんで得意じゃないんですか?」

又吉 「すぐかっこつけてしまうんです。それで、だいたい間違ってしまう」

加藤 「めちゃくちゃかわいいじゃないですか、その理由(笑)」

又吉直樹「おじさんだけで失恋は怖い(笑)」梅澤美波×西垣匠×加藤小夏と語るドラマ「失恋カルタ」

――カルタが脚本という形になって、ご自身でも新鮮だと感じた点はありましたか?

又吉 「やっぱり人物の作り方もそうですし、僕だと設定できないようなキャラクターで、関係性も含めて新鮮でしたね。僕だったら、すごくオーソドックスな2人だけの関係を作ってしまいそうなんですけど、それをもっと広げてくれて。みんな恋愛はするわけですから、それが面白かったですね」

――人物像の広がりについて、印象に残った部分は?

又吉 「みんないいですよ。でも、優し過ぎてパートナーを傷つけてしまうパターンもあるんだなっていうのは感じました。誰にでも優しいということが、きつい時もあるんだなって」

――脚本の中で、特に心に残っているセリフを教えてください。

加藤 「『なんで1人じゃだめなの?』。終盤に登場するんですが、自分が言ったセリフなのに、彩世にすごく跳ね返ってきましたね」

西垣 「僕も終盤なのですが、千波と2人でしゃべっている時の『なんか分かっちゃうじゃん。恋人が自分のことどう見てるかって』という部分。あそこはめちゃくちゃ刺さりましたね」

梅澤 「私は、千波が光に言った『陸くんの幸せを決めるのは、陸くんだよ』っていうセリフ。幸せの価値観って押し付けてしまいがちで……。その視点は持っていないといけないなって、千波として言いながら強く思いました」

 カルタの一文から始まった物語は、脚本を経て、俳優たちの息づかいとともに新たな輪郭をまとっていく。原作者の照れや後悔も、27歳という今を生きる3人の実感も、このドラマの中でそっと重なり合うはずだ。一枚一枚の札が、どんな感情へと広がっていくのか。その行方を、放送で見届けたい。

【プロフィール】
梅澤美波(うめざわ みなみ)
1999年1月6日生まれ。神奈川県出身。2016年、乃木坂46の3期生としてデビューし、23年にはグループ3代目キャプテンに就任。ドラマ「デスゲームで待ってる」(カンテレ/24年)や映画「九龍ジェネリックロマンス」(25年)などに出演。雑誌「CLASSY.」のレギュラーモデルも務める。26年に2nd写真集「透明な覚悟」を発売。26年2月、41stシングルの活動をもって乃木坂46卒業を発表し、5月21日に卒業コンサートを予定。

西垣匠(にしがき しょう)
1999年5月26日生まれ。石川県出身。2021年、ドラマ「夢中さ、きみに。」(MBS)で俳優デビュー。近作はドラマ「海に眠るダイヤモンド」(TBS系/24年)、「続・続・最後から二番目の恋」(フジテレビ系/25年)、映画「ほどなく、お別れです」(2/6公開)に出演。8月7日に映画「ブルーロック」の公開が控えている。

加藤小夏(かとう こなつ)
1999年6月26日生まれ。東京都出身。2014年に芸能活動を開始。CM出演で注目を集め、ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか/23年)、「ウイングマン」(テレ東系/24年)、「娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?」(フジテレビ系/25年)などに出演。

又吉直樹(またよし なおき)
1980年6月2日生まれ。大阪府出身。お笑いコンビ「ピース」のボケとしてデビューし、独自の文筆活動でも注目を浴びる。2015年、小説「火花」で第153回芥川賞を受賞。以降、「劇場」「人間」など著作多数。お笑い・作家・俳優として幅広く活動し、文化人としての地位を確立している。

【番組情報】
ドラマイズム「失恋カルタ」
3月31日スタート
MBS 
火曜 深夜0:59~1:29
TBS 
火曜 深夜1:26~1:56

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