「桶谷ジャパン」いざ初陣へ。新体制のバスケ男子日本代表が沖縄でライバルを迎え撃つ!2026/02/25 12:00

「FIBAバスケットボールワールドカップ 2027 アジア地区予選」を戦う男子日本代表が、新たにヘッドコーチ(HC)に就任した桶谷大氏(琉球ゴールデンキングスHC)の下に集結した。沖縄サントリーアリーナで行われる2月26日の中国戦、3月1日の韓国戦を前に、同アリーナで直前合宿を行い、その間にメディアデーや公開練習を実施。前任のトム・ホーバス氏からバトンを受け継いだ桶谷HCは「トムさんのバスケットにはすごくいい部分があったので、それを引き継ぎながら、選手たちには個々のいいところを出してチームとしてまとまっていこうという話をしました。大事な2試合なので、ぜひホームで勝ちたいです」と意気込みを語った。新キャプテンは選手たちによる投票で富樫勇樹(千葉ジェッツ)が選ばれた。



日本バスケットボール協会(JBA)がホーバス氏との契約終了を発表したのは2月2日のこと。ホーバスジャパンは2023年のワールドカップで、48年ぶりに自力でオリンピック出場権を獲得するなど、日本代表を新たなステージへ押し上げた功績があったため、多くのファンを驚かせた。

ホーバス氏は、東京五輪では女子日本代表を銀メダル獲得に導いており、その経緯を踏まえて「10年前、このような貴重な機会を与えてくださったJBAに深く感謝しています。浮き沈みのある道のりではありましたが、決して変えたいとは思わない、かけがえのない時間でした。ありがとうございました」とコメント。今後の代表チームに対して「努力を続け、前向きな気持ちを忘れず、日々成長し続けてください。結果は必ずついてきます」と熱いエールを送った。
2月3日に行われたHC交代記者会見で、島田慎二会長はホーバス氏の歩みに対して感謝を述べた上で、契約終了の背景について「2027年のワールドカップやロサンゼルスオリンピックへの出場に向けた強化に加え、12年先を見据えた長期方針を策定し、1月初旬にホーバス氏に説明を行いましたが、双方の考えに相違がありました。確固たる信念を持つホーバス氏に方針の修正をお願いすることはリスペクトに欠けるのではないかという判断の下、JBAから契約の解消を提案しました」と説明した。
同席した伊藤拓摩強化委員長は「最強の布陣で、最高の一体感をつくる」というコンセプトを掲げ、コーチとしてNBA経験のある吉本泰輔アシスタントコーチ(AC)やライアン・リッチマンAC(シーホース三河HC)らスタッフ陣に厚みを増した新体制を発表。その上で、Bリーグ琉球を4シーズン連続のファイナル進出に導くなどの実績を持つ桶谷氏が新HCに就任したことについて「一緒に仕事をする人たちの力を最大限に引き出し、チームを作り上げる。そして勝っているというところです」と語り、非凡なマネジメント能力を最大の理由に挙げた。



16チームが4グループに分かれてリーグ戦を行うアジア地区予選の1次ラウンドについて、日本は現在、2勝0敗でグループBの首位を走る。ただ、最大のライバルである中国、韓国とは今回が初対戦となる。会場の沖縄サントリーアリーナは、桶谷HCにとっては自身が率いる琉球のホームコートでもある。「日本代表がパリオリンピック出場を決めた特別な場所なので、そこで自分が日本を背負えることは本当に幸せです。プレッシャーも感じていますが、今のメンバーと一緒にバスケットができることはすごく楽しみです」と語り、高揚感をうかがわせた。
就任会見の際、中国と韓国の印象については「中国はエース選手をどう抑えるかという部分と、サイズのあるチームなので、自分たちのインサイド陣がキーになると思います」「韓国はそこまでサイズは大きくありませんが、長崎ヴェルカにいる素晴らしいシューター(イ・ヒョンジュン)をはじめ、シュートが入る選手が何人かいるので、外から気持ちよく打たせないことが一番大切だと思います」と語っており、試合ごとでどんな戦い方を見せるのか注目だ。



桶谷体制となってから初めての練習を終えた富樫は「緊張感のあるいい練習でした」と振り返り、桶谷HCの印象については「Bリーグで対戦をしていますが、琉球はしっかりとしたビッグマン2人がいるチームなので、代表でのバスケットは変わってくると思います。いいコミュニケーションを取りながらやっていきたいと思います」と語り、率先して共通認識を深めていく姿勢を示した。ベテランの一人として、佐土原遼(琉球ゴールデンキングス)やジャン・ローレンス・ハーパージュニア(サンロッカーズ渋谷)ら若手をどうサポートするかを聞かれると、「監督が交代するタイミングは多いことではないので、彼らにとってはチャンスだと思います」と述べ、奮起を期待した。



新体制となってから準備する時間が限られる中、渡邊雄太(千葉ジェッツ)は「1日たりとも無駄にできる日はない」と気を引き締めた。ホーバス前HCについて「目の前(のスペース)が空いたらしっかり3ポイントシュートを狙うなど、思い切りの良さは間違いなくトムが伸ばしてくれた部分です」とリスペクトの思いを口にした。その上で「前回のチャイニーズ・タイペイ戦では『NO LAG(ノーラグ)』という言葉を使い、コート上でラグ(遅れ)をなくそうという話をずっとしていました。そこは誰がヘッドコーチであっても、すごく重要な部分だと思います」と続け、桶谷HCと同様に前体制の良い部分を引き継いでいく意思を示した。
韓国は中国に2連勝して勢いに乗っており、崖っぷちに立たされている中国は強い覚悟で日本戦に臨むことが予想される。渡邊が「ここ数年はFIBAランキングで日本の方が伸びている中、中国と韓国が『絶対に日本を倒してやる』という気持ちで来るのは間違いない。チャレンジャーのつもりでやっていきたいです」と言うように、日本にもホームで強い気持ちを持って迎え撃つことが求められる。FIBAワールドカップ2027、2028年のロサンゼルスオリンピックにつながる重要な2試合に挑む「桶谷ジャパン」にエールを送ろう!

そのほかの選手のコメントもお届け!

馬場雄大(長崎ヴェルカ)
「試合の場所でキャンプをすることは初めてなので、新鮮な空気が流れています。桶谷HCはすごくコミュニケーションを大切にしている方で、みんなの意見をしっかり聞いてくれます。韓国戦で彼(長崎でチームメイトのイ・ヒョンジュン)と対戦するのは、とても楽しみです。彼のすごさは誰よりも知っているので、だからこそ、彼をいかに止めるかが大事になります。同じポジションなので、自分が守れないんだったら負けるくらいの気持ちでやっていきたいです」

西田優大(シーホース三河)
「トムさんの良かったところは、役割が明確だったことだと思います。それをしっかりと理解し、淡々と忠実にやってきたつもりです。体制が変わっても、役割自体はそこまで変わらないと思います。チームとしては、今までのうまくいかない時間帯はオフェンスで上でしかボールが回らず、相手に走られる時でした。今日やったオフェンスは、コート全体を使いながらしっかり下にもボールが降りるような感じだったので、ハーフコートのペースは変わるかなと思います」

シェーファーアヴィ幸樹(シーホース三河)
「ホーバスジャパンではずっと代表から離れていたので、戻ってこられて、うれしい気持ちでいっぱいです。リバウンドやディフェンス、オフェンスではスクリーンをかけたりと、ほかの選手を生かす部分は自分の強みなので、徹底してやり続けたいです。まだポジションを勝ち取ったわけではないので、ヘッドコーチに『出したい』と思わせる選手になりたいです」

佐土原遼(琉球ゴールデンキングス)
「沖縄サントリーアリーナで代表戦をできることは、大きなアドバンテージがあると思います。キングスのファンの皆さんもたくさん来てくれると思うので、いいプレーを見せたいです。自分の役割は、毎ポゼッションごとに求められる仕事をすること。リバウンド、ドライブからのキックアウト、3ポイントシュートなど、多種多様なプレーを出していきたいです」

ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(サンロッカーズ渋谷)
「沖縄出身なので、小さい頃から、沖縄で日本代表としてプレーするのが夢でした。その舞台まであと少しなので、気を緩めずに頑張っていきたいです。自分の持ち味であるディフェンスはしっかり高い強度でやり続け、オフェンスではスーパースターがそろっているので、彼らを生かすのが役割だと思っています。自分が小さい頃にキングスを見て憧れたように、自分も沖縄の子たちに憧れられる存在になれたらいいなと思います」

アレックス・カーク(琉球ゴールデンキングス)
「沖縄、そして日本全国の皆さんの前でプレーできる機会は本当に少ないので、とても楽しみです。桶谷HCとは琉球でも一緒にやっているので、やりやすさはあります。一緒にプレーしたことがある選手も多いので、新しいことをやりながら、これまでの積み重ねも活用し、うまくバランスを取りながらプレーしていきたいです。代表ではリバウンドなどペイントエリア内での活躍を求められているので、しっかり役割を果たせるように頑張ります」






Text&Photo/長嶺真輝
放送・配信情報
「男子バスケットボールFIBAワールドカップ予選 日本×中国」
●BS日テレ
2月26日 午後6:58~9:00(生中継)
●ライブ配信
DAZN、TVer
「FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選 日本×韓国」
●テレビ朝日系
3月1日 午後1:55~(生中継)
●ライブ配信
ABEMA、DAZN、TVer
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