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松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」、市川実日子「あらためて“普通”ってなんだろう」2026/02/03 22:45

松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」、市川実日子「あらためて“普通”ってなんだろう」

 NHK総合で放送中の松山ケンイチが主演を務める連続ドラマ「テミスの不確かな法廷」(火曜午後10:00)で、安堂清春(松山)と同じ前橋地方裁判所第一支部に勤める執行官・津村綾乃を演じる市川実日子からコメントが到着した。

 本作は、新聞記者・直島翔氏による異色のリーガルミステリーを実写化。ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)を抱えながらも周囲に明かさず、裁判官として職務に向き合う特例判事補・安堂清春(松山)を主人公に、裁判所職員、検事、弁護士らが真実を求めてぶつかり合う法廷の攻防を描く。緊迫感のある展開の中で、時にかみ合わない会話から生まれるユーモアや人間関係の温度も織り込みながら“普通”や“正義”とは何かを問いかける。

松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」、市川実日子「あらためて“普通”ってなんだろう」

 市川演じる津村は、確定した判決や命令に従わない相手に対し、財産の差し押さえや家屋の明け渡しなどを確実に執行させる役割を担う執行官。執行ごとに手数料収入が発生する独自の給与制度から、正義感よりも現実的な損得勘定で動く一面もあり、“取り立て屋”とやゆされることも。赴任してきた“変わり者”安堂のうわさを聞きつけ接触を図るが、敵か味方か、その真意は謎に包まれている。

 今夜放送された第5話では、市川が演じる執行官・津村の仕事に焦点が当てられたが、撮影で印象に残ったシーンや現場の雰囲気などを語った。

松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」、市川実日子「あらためて“普通”ってなんだろう」

――津村はどんな役だと捉えていますか?

「世間にあまり知られていない執行官であることとか、(その中でも数の少ない)女性であることとか、執行官を調べながら脚本を読んでいると、どんどん難しい役柄に思えました。監督が話してくださる津村像があるのですが、限られたシーンの中で津村のどんな面を大事にしたらいいんだろう……、と悩みながら撮影をしていました。津村って、ポンっと出てきて、そこで発したちょっとした一言が周りのヒントになっていくような役なので、分からない時は監督と対話しながら進めました」

――ご自身と津村の共通点や相違点はありますか?

「共通点を必死に探してみたところ……、津村は人から何か頼まれた時に『対価は?』と、何かごちそうしてもらうような発言をします。でもたぶん、実際には対価は受け取らないタイプなのかなと思いました。そう考えると、私も年下の方や気を使われそうな方の何かお手伝いをした時、『すみません……』と言われたら、すぐに『じゃあ、100円〜!』という冗談を言うことがあります。それを思い出した時に、『対価は?』は、津村独自のコミュニケーションや気遣いなのかもしれないと思いました」

松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」、市川実日子「あらためて“普通”ってなんだろう」

――台本を読んだ時の印象と、完成した映像を見た時の印象は変わりましたか?

「台本とは全くイメージが違って驚きました。きれいな光の質感が印象的だったのと、安堂もとてもかわいらしくて、それによってほかの登場人物も、みんなそれぞれのかわいらしい部分が浮かび上がってくるような印象を受けました。そして、自分が想像していたよりも、彼の持つADHDやASDの特性の表現が分かりやすく感じたので、実際に松山さんと本番で対面した時に、実は少し戸惑ったんです。物語の中で安堂はそれを隠している設定で、私(津村)がここで何か気になったりするとセリフの意味合いが変わってくる。台本にもそのあたりの心情については細かく書いていないので、どんな距離感で接したらいいんだろうと悩んだ時もありました。でもこの作品は、安堂のドラマで、悩む安堂とその周りの人がそれをどう見ているのか。周りの人の見方が変化していくのも、このドラマが描く部分なのかもしれないなと、撮影をしながら考えていました。完成した作品を見ているうちに、『ぼくは宇宙人。みんなの普通が分からない』と言っている安堂より、ほかの人たちの方が宇宙人じゃないかと思えてきて。あらためて“普通”ってなんだろう、ないと思っているつもりだったけど、私も人に振りかざしている時があるなと考えるきっかけもいただきました」

――第5話では津村の活躍がたくさん見られましたが、印象に残っているシーンはありますか?

松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」、市川実日子「あらためて“普通”ってなんだろう」

「グエンさんの部屋のシーンです。元執行官の方にご指導いただきながら、執行のシーンを体験できたことと、来生春役の石田莉子さんは大人っぽく見える時もあれば、少女のあどけなさを感じる時もある、なんとも言えない魅力を持った方でした。のぞき込んだ私(津村)と一瞬目を合わせた時の表情がすごく印象的で、シャボン玉の表面のような輝き方をする彼女の目がとてもきれいだったことを覚えています。グエン役のジュリウスさんも、静かにとても集中力のある方で、役なのかご本人なのか、分からなくなってしまう瞬間が何度もありました。第4話の合気道シーンは、練習に一度うかがってすぐに終わってしまったので不安でしたが、お世話になったアクションコーディネーターの方のご指導と、本番の時の相手の方の受け身が本当に素晴らしくて……。なんとか、本番を終えることができました(笑)。また、第5話では練習時にお相手してくださった方が執行業者役として出演もされていて、共演できたのもうれしかったですね」

――収録現場の雰囲気はいかがですか?

「とても居心地のいい現場でした。本番以外の時間は、みんなそれぞれ好きなように過ごして、いろんなお話をみんなでして。現場にはリラックスした空気がずっと漂っていました。私は幅広い世代の方がいる作品が久しぶりだったので、いろいろな人とお話しできて楽しかったです。なぜか松山さんからは『コミュ力お化け』と言われました(笑)」

【番組情報】
ドラマ10「テミスの不確かな法廷」
NHK総合
火曜 午後10:00~10:45
※2月10日、17日は放送休止、第6話は2月24日放送予定

文/TVガイドWeb編集部

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