嫉妬を知った羽山(駒木根葵汰)、星空の下で交わす白崎(新原泰佑)とのキス「25時、赤坂で2」第8話2025/11/26 17:30

テレ東系では、駒木根葵汰と新原泰佑がダブル主演を務める連続ドラマ「25時、赤坂で Season2」(水曜深夜1:00)を放送中。11月19日放送の第8話「知らなかった感情」では、舞台稽古で黒木蛍太(夏生大湖)との距離を縮める白崎由岐(新原)と、生まれて初めて“嫉妬”という感情に翻弄(ほんろう)される羽山麻水(駒木根)の揺れる心が浮き彫りになった。
本作は、on BLUEで連載中の夏野寛子さんによる人気同名漫画が原作。芸能界を舞台に俳優同士が紡ぐ甘く切ないラブストーリーの続編だ。秘めた思いを通わせ、晴れて恋人同士となった羽山と白崎。今作ではその後の2人に再び波紋が広がり、俳優として、そして恋人としての進化が問われていく。

「第8話」では、舞台「雨と懺悔(ざんげ)」の稽古が順調に進み、白崎と黒木は演技のぶつかり合いを通して確かな信頼を育てていた。


夜、白崎、佐久間はじめ(宇佐卓真)、山瀬一真(南雲奨馬)と黒木の飲み会に羽山も参加する。笑い合う白崎と黒木、隣同士で自然に語り合う空気。その一瞬一瞬に、羽山の胸がざわついた。黒木が「昼のゆめ」での羽山と白崎の共演について触れ、2人の演技が「ほんとに付き合っているのかな? と思うくらいよかった」と口にする。わずかに目が泳ぐ羽山と白崎。そんな中、稽古場や飲み会での白崎と黒木の距離の近さ、そして羽山の表情。それらを見逃さなかった山瀬が、一人で飲む羽山に問いかけた。「心配じゃないの?」。平静を装う羽山だが、その瞳の奥には動揺がにじんでいた。

帰宅後、「楽しかったですね」と上機嫌の白崎は、羽山の様子がおかしいことにようやく気付く。「もしかしてなんですけど、やきました? 嫉妬の方?」。白崎の問いに、羽山は戸惑いながら答えた。「あんまりしたことないから確信がもてない」。それは羽山が初めて味わう感情。“嫉妬”だった。

「お互い忙しくなる前に、デートしよう」。羽山の言葉に連れられ、まずは三原(篠原悠伸)のバーへ。店を出ると、自然と指が絡み、恋人つなぎのまま街を歩く2人。白崎が「きれいだって聞いて、麻水さんと来てみたかった」と話したプラネタリウムへと足を運んだ。暗転し、満天の星空が広がる。白崎の横顔を見つめた羽山は、そっと眼鏡を外し、頬へ触れ、静かに唇を重ねた。白崎も羽山の腕に手を重ね、そっと応える。

帰り道、羽山は白崎に一つの事実を伝える。イギリスで大学教授兼作家として暮らす父が、自身の半自伝的小説の映画化を進めており、その主人公役に羽山を指名しているという。幼い頃に自分たち家族を置いて去った父から突然届いた誘い。羽山にとって大きな飛躍である一方、彼の心は揺れていた。白崎は「すごいじゃないですか」と笑顔で励ますが、その優しさに羽山はかえって不安を覚える。もし自分が白崎の隣にいられなくなったら――。

今回の軸となった羽山の「嫉妬」。白崎は悪気なく、ただ役に真っすぐで、無邪気に笑う。それこそ羽山が愛してやまない部分なのに、だからこそ苦しい。嫉妬の痛みは、愛情の大きさの裏返し。羽山の中に芽生えた恐れは、「白崎を失いたくない」という叫びでもあった。

その“嫉妬”が一番色濃く現れたのは、帰宅後の2人きりの時間だった。白崎の手をなでながら、心の中で「白崎くんがかわいくてかわいくて、手放せなくなる」とつぶやく羽山。普段は目線や瞳で感情を沈める駒木根だが、この場面では自分でも持て余す感情が、わずかに口元へも表れていた。そして白崎の手にキスをしながら「だって黒木くんと仲良しなんだもん」とこぼす羽山のしぐさに、嫉妬といとおしさが入り混じった複雑な感情が読み取れた。羽山に肩を抱かれた白崎は、甘えた声で「そんなの気にしなくていいのに」とささやく。触れ合う距離の近さと、ほんの少しのすれ違い。そのすべてが、2人の恋を深くしていく。

白崎の“無自覚な罪深さ”も際立って描かれている。目の前の相手に集中するあまり、周りが見えなくなるタイプの彼は、黒木との距離が縮まっても、羽山が不安になる理由に気付けない。「やっぱり嫉妬してんじゃん」と、少しうれしそうに笑う白崎が、羽山の胸をぎゅっと締めつける。新原が演じる白崎の甘やかな声が、羽山をさらに揺さぶるのだ。
プラネタリウムのキスシーンには、羽山の白崎への独占欲が確かに映し出されていた。暗闇の中で白崎の眼鏡を外し、ゆっくりと唇を重ねる羽山。音も息ものみ込まれていく世界で交わされたキスは、美しいだけでなく、確かに「君は僕のものだ」という静かな宣言でもあった。嫉妬という新しい感情を知った羽山だからこそ、この瞬間の重みが増していた。星空の下、誰にも邪魔されない空間で深く確かめ合う2人。その切なさと美しさに、気付けば視線をそらせなくなっていた。

そして、山瀬と佐久間の存在も物語に温かさを与えている。飲み会の席で、意外と周りがよく見えている山瀬は、白崎と黒木の距離だけでなく、羽山の不安にも気付いていた。そんな山瀬は、周囲のフォローばかりして自分のことを後回しにしてしまう佐久間に「自分の長所もちゃんと自覚して」とさりげなく励ます。互いを思いやり、細やかな気配りを見せる2人が、物語に優しい呼吸をもたらしてくれた。
最後に明かされた羽山の父からのオファーが、新たな波紋を予感させる。大きなチャンスである一方、“白崎の隣に立てなくなる未来”が見えてしまう。羽山が初めて知った感情。白崎がまだ気付いていない揺らぎ。そして突如現れた、大きな転機。
次回、白崎は羽山の不安を受け止められるのか。羽山は父からの誘いにどう答えていくのか。羽山が守りたいものはどこへ向かうのか? この恋の試練の先に待つ答えを確かめたくなる。
【番組情報】
水ドラ25「25時、赤坂で Season2」
テレ東系
水曜 深夜1:00~1:30
文/斉藤和美
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