羽山(駒木根葵汰)の底なしの優しさと白崎(新原泰佑)の覚醒に拍手!「25時、赤坂で」第7話2025/11/18 12:35

テレ東系では、駒木根葵汰と新原泰佑がダブル主演を務める連続ドラマ「25時、赤坂で Season2」(水曜深夜1:00)を放送中。11月12日放送の第7話「お前に何がわかんだよ」では、舞台稽古で壁にぶつかり心が折れそうになる白崎由岐(新原)と、そっと寄り添う羽山麻水(駒木根)、そして白崎に刺激を与えるライバル・黒木蛍太(夏生大湖)の姿が描かれた。
本作は、on BLUEで連載中の夏野寛子さんによる人気同名漫画が原作。芸能界を舞台に、俳優同士が紡ぐ甘く切ないラブストーリーの続編である。恋人となった羽山と白崎のその後を描く本作では、2人の間に再び波紋を呼ぶ出来事が起き、俳優として、そして恋人としての進化が問われていく。

「第7話」では、白崎が主演舞台「雨と懺悔」の稽古でスランプに陥り、演出家・青山(中村まこと)からも「調子が悪いなら帰れ」と厳しい言葉を突き付けられてしまう。共演者の黒木が次々と称賛される一方で、自分だけが取り残されていく焦燥感。「このまま役を奪われるのでは」という不安が、白崎の心をむしばんでいった。
そんな中、帰宅した白崎は、羽山が「雨と懺悔」の主役を“いつか演じたい役”として語っていた雑誌記事を目にし、動揺を隠せずに問い詰めてしまう。「なんで、言ってくれなかったの?」。その問いは、稽古の手応えをつかめない焦りや、羽山への複雑な思いが抑えきれないものだった。

戸惑う羽山を前に、白崎は突如として「俺に喝を入れてください。何も聞かずに一発、ぶん殴ってください!」と懇願する。本気で叱咤してほしい、奮い立たせてほしいという必死な願いだった。しかし羽山は、拳ではなく、そっと白崎の頬に手を添える。「確かに、昔からやりたかった役だけど、今は、白崎くんが“室賀”を演じる姿を見たい」。思いを受け取った白崎は、稽古がうまくいかないことを正直に打ち明ける。そんな彼に、羽山はほほ笑みながら言った。「大学の時から、白崎くんの芝居が好きだったよ」。恋人であり、一番の理解者である羽山のその一言が、ふさぎ込んでいた白崎の気持ちをゆっくりと癒やしていく。
そして翌朝、白崎は誰よりも早く稽古場に姿を見せ、自主練に励む。その真剣な姿を、共演者の黒木が静かに見つめていた。実は黒木も、かつて白崎が出演したドラマ「昼のゆめ」のオーディションを受けていた過去が。落選した悔しさと同時に、白崎の演技に心を動かされていたという複雑な想いが明かされる。

再び対峙(たいじ)した2人。白崎は黒木に「芝居を教えてほしい」と素直に頭を下げる。黒木は「役、交換してもいいけど?」と試すように問いかけるが、白崎はきっぱりと「嫌です」と言い切り、この役を絶対に譲らないという揺るぎない意志を示す。即興で演技を交わす中で、白崎は役の本質をつかみ、演出家・青山をもうならせる見事な芝居を披露する。
帰宅した白崎は羽山と食卓を囲み、その喜びを語る。褒められたこと、黒木の存在が励みになったこと…。そんな中、黒木から電話が入り、白崎はうれしそうに通話へ向かう。残された羽山の表情は、ふっと陰りが差すようなものだった。
俳優としての壁に苦悩する白崎の葛藤が心に迫った第7話。共演者の活躍、演出家の厳しい言葉、自信を失う恐怖。それは、若手俳優なら誰もが抱く葛藤であり、その揺れる心を新原がリアルに、そして迫力に満ちた表現で演じきった。

中でも、黒木の「役を交代してもいいけど?」という挑発的な一言に、白崎が即座に「嫌です」と言い放った場面には、彼の中に芽生えた覚悟と強さがにじみ出ていた。「この役は渡せません」ときっぱり言い切る白崎の姿には、俳優としての意地だけでなく、「自分が演じる室賀が見たい」と語ってくれた羽山の言葉に応えたいという強い思いもあったのではないだろうか。黒木との即興稽古を経て、演出家から拍手を送られるほどの演技を見せた白崎。その演技は、スランプを乗り越えた俳優としての飛躍そのものであり、見ているこちらまで拍手を送りたくなるような爽快感と誇らしさに包まれた。
一方、白崎が「喝を入れて」と懇願した時、平手打ちはせず優しく手のひらで白崎の頬に触れた羽山。「君の演技が昔から大好きなんだ」。その言葉の重みと優しさよ。羽山は叱咤するのではなく、愛情で白崎を包んだのだ。恋人としての信頼と、一人の俳優として白崎を認める尊敬が同時に伝わってくる。羽山の魅力が凝縮された心にしみるシーンだった。
けれど最後のシーンが、胸に小さな棘(とげ)を残す。黒木からの電話に気を取られる白崎と、静かに見つめる羽山。白崎に悪気はない。それでも、常に白崎を支えてきた羽山の寂しげな表情が忘れられないのだ。羽山自身も母親からの連絡に戸惑う場面があり、彼もまた抱えているものがあることが示唆されていた。支える側の羽山が、いつか支えられる瞬間は来るのだろうか?

次回、白崎は役を演じ切ることができるのか。そして、羽山の胸に生まれた小さな寂しさが、2人の関係にどう作用していくのか。それぞれが俳優として、そして恋人として歩み続ける物語に、ますます目が離せない。
【番組情報】
水ドラ25「25時、赤坂で Season2」
テレ東系
水曜 深夜1:00~1:30
文/斉藤和美
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