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「シバのおきて」で愛犬との別れを演じたこがけんが思い出を振り返る2025/11/04

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「シバのおきて」で愛犬との別れを演じたこがけんが思い出を振り返る

 NHK総合で毎週火曜日に放送中の大東駿介が主演のドラマ10「シバのおきて~われら犬バカ編集部~」(火曜午後10:00)。

 同ドラマは、片野ゆかさんが“犬現代史”をつづった「平成犬バカ編集部」を原作に徳尾浩司さんの脚本で描く、絡まりもつれた人の心を、優しく解きほぐしていく“ヒューマン&ケイナイン(犬)ストーリー”。

 大東演じる自分のエゴをひたすら追求したアラフォー雑誌編集職の相楽俊一。気付いた時には、職場には寄り添う者が皆無で、恨みと怒りを買うばかりのボロボロの状態だった。そんな中、彼のそばには柴犬しか残っておらず、ふと柴犬専門の雑誌を思い付き、「シバONE」を創刊。

 本日放送の第5回では、スタッフ犬2号として「シバONE」を支え続けてきたボム(声・津田健次郎)が病気を患う。飼い主の三田博之(こがけん)だけでなく、相楽(大東)はじめ編集部みんなでボムの体調を心配する。そんな中、相楽から「ボムのため 犬温泉の旅」特集を組もうと提案される。この企画は清家(片桐はいり)がボムのために温めていた企画だった。三田は、みんなの思いに感謝しつつ、その後、「シバONE」を辞めたいと申し出る。そして、それぞれの思いを胸に編集部みんなで温泉に向かう。実はその温泉は清家の実家だった…。

「シバのおきて」で愛犬との別れを演じたこがけんが思い出を振り返る

 今回は、そんなカメラマン三田を演じるこがけんさんにインタビュー。撮影での思い出を振り返ってもらった。特別に撮影してもらったこがけんさん撮影のボム(ゆず)の写真も注目いただきたい。

――まず、ドラマのテーマを聞いた時の率直な感想を教えてください。

「ワンちゃんがメインで、そのかわいさを伝えようとする大人の奮闘記だなと。時代設定が2000年代で、平成の初期というのも含めて、面白いなと思いました」

――元々動物は、お好きなんですか?

「実家では、犬と猫、インコも飼っていました」

――どんな犬種だったんですか。

「ワンちゃんはバセットハウンドで、猫はペルシャ猫でした」

――すてきなご家族ですね。思い出はありますか。

「ワンちゃんは、キャシーという名前だったのですが、一度、脱走して1週間ぐらいいなくなってしまって、みんなで探し回って、警察にも届けたり、張り紙を貼ったりしても、帰ってこなくて。そうしたら、1週間後に、泥だらけのキャシーがヘロヘロの足取りで家の向こうの道路から帰ってきたんです。家族全員で『キャシー』と叫びました。あの時の感動は忘れられないです」

――動物に親しみがあるからこそ、動物が登場するドラマへの出演が決まった時、どのような気持ちでしたか?

「シンプルにうれしかったです。ワンちゃんにたくさん会えるんだろうなと思って」

――たくさんのワンちゃんたちとの撮影はいかがですか。大変なことはありますか?

「子どもと一緒ですね。一緒に暮らしていると、手がかかることも多いですが、それ以上にとてもかわいいんです。うまくいかないこともあるけれど、『でもやっぱりかわいいな』と思える、その繰り返しなんですよね。ワンちゃんが思わぬ方向に動いてしまって撮影がNGになることもありますが、それすらもかわいさが勝ってしまいます。でも、本当にワンちゃんたちはみんな優秀で、『いい演技しているな』と感動する瞬間も結構ありますよ」

「シバのおきて」で愛犬との別れを演じたこがけんが思い出を振り返る
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――どんなところが特に演技しているなと感じましたか?

「撮影で、好意を持って自分の話をしているなと分かるとその人に顔を寄せて行ったりするんですよ。あと、編集部メンバー複数人で会話しているシーンでも、話している人にちゃんと目線を向けたりするんですよ」

――印象に残っているワンちゃんたちのNGはないですか?

「大抵のNGは、止まっていなきゃいけないのに動いちゃうくらいで、それはただかわいいだけですね。犬が立ったまま動かないでいるっていうのは1番大変みたいです。座った状態であればまだしも、立った状態で待つのは、人間の子どもでも無理じゃないですか。だから、動いちゃってもしょうがないのかなって。でも、何回かやっていくうちにちゃんと止まって動かずにいられるようになるんですよ。すごいなと思います。ほんとに。うちの下の娘が5歳なのですが、それより賢い可能性ありますよ」

――こがさん演じる三田の相棒は、ボムという黒柴ですよね

「ボムを演じているワンちゃんは、ゆずという名前なのですが、どっしりと構えているんです。いろんなことに注意を引かれて、キョロキョロするようなワンちゃんもいる中で、みんなが動いていてもゆずはもう全く動かずっていう。“ゆず先輩”という雰囲気でした。でも、音の出るおもちゃがめちゃくちゃ好きで、普段はクールですが、おもちゃを見ると、性格が変わったように飛びついて。で、おもちゃの音のなる部分をかみ切って壊すみたいで、おもちゃの寿命がすごく短いらしいです。しかも、音がなくなると興味を失うようで、今日もその瞬間を見ました(笑)」

――ゆずとの撮影で1番印象に残っているシーンはありますか?

「いつも動いちゃう時は、飼い主さんのとこに行っちゃうんですね、だけど、今日は僕の方に一目散に歩いてきて、手に鼻を寄せてクンクンしてくれて。お父さん(僕)のところに寄ってきちゃったみたいな感じで、めっちゃかわいかったです」

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――撮影を通して仲良くなれましたか。

「そんなに撮影の回数がないんですよ。でも、その少ない回数の中でも、僕のことを認識してくれたのかなってうれしかったです」

――ボムは本日放送の第5話で亡くなってしまいました。ペットロスのシーン演じる上では、どんなことを考えていましたか?

「自分も過去に経験しているので、その時のことがフラッシュバックしました。あと、今はワンちゃんを育てる上での知識や情報が昔よりも豊富ですが、物語は平成、当時この編集部も試行錯誤しながらワンちゃんのことを学びながら進めている最中で。そんな時に愛犬のボム失ってしまって、三田さんはどういう心情だったのかなと過去の体験を思い出し演じました。もちろん、家族を失う感情は今も昔も変わらないですが、自分の飼い主としての知識がもっと深ければ、獣医の先生などの知識も今はもっと進歩しているだろうし…という葛藤もありますよね。理屈でなくシンプルに、家族がいなくなってしまったという喪失感がうまく伝えられたらいいですね」

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――続いて、「シバONE」編集部の皆さんについて教えていただきたいです。どんなチームですか。

「大東さん演じる相楽編集長は、とにかく行動力はあるんですけど、見切り発車なところがあって。そういうところを、清家さん、飯豊まりえさん演じる石森玲花さんが、くぎを刺していくという感じです。で、僕が演じる三田さんは相楽編集長と女性陣が、バチバチになるところに割って入って仲裁するような男なんですけども、男のチームの中では1番常識人だけで、柴犬の尻が好きな基本”バカ”ですね。

――癖が強いんでしょうか?

「僕はね、そんなに癖強くないです。髪形だけが発芽玄米みたいになっているってだけで(笑)」

――でも、三田も「シバONE」編集部に加入する時、犬目線でメールを書いていたりしていましたよね?

「ワンちゃんが絡むと、ちょっと周りが見えなくなっちゃうところはありますが、人間関係は割と常識人だと思います。だから犬バカですよね。ただ、編集部のセットでみんなは机にファイルとか仕事道具があるんですよ。ただ、僕だけ一切ファイルとかもない、メモ書きすらなくて。こいつは大丈夫かとちょっと思いました」

――机が真っさらなのはどういう意図なんでしょうね。

「分からないですが、ちょっと怖いところはあるかもしれないですね。机には何もないですが、ほんとにボムのことが好きで、なんとか雑誌の企画にボムを使いたいっていう公私混同なところもありますね」

――それは相楽さんも同じですよね?

「同じですが、相楽さんはあくまでも愛犬の福助ファーストですから。そして三田は、いかにボムを食い込ませるかみたいなことをずっと考えてる人ですね」

――役者としての皆さんの印象も教えていただきたいです。

「相楽さんは、口が悪くて、今だったらパワハラなんて言われかねないような言葉遣いだったりするのですが、そういうのが演じる大東さんは、うまいし似合いますよね。僕が監督だったら、大東さんにチンピラ役やってもらいます。絵になるので。大東さんはちょっと体鍛えるだけでムキムキになっちゃうらしいんですが、編集長役なので筋肉は隠そうとはしていて。それでも、時々見える隆々とした筋肉に注目してドラマを見てほしいです(笑)」 

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――飯豊さんはいかがですか?

「飯豊さんは、すごく明るく朗らかな、ほんとに表裏のない性格なので、すごく現場の雰囲気を明るくしてくれていますよ。遠くから楽しい雰囲気がこっちに来ると思ったら、飯豊さんなんですよ。おおらかな感じで、前室でも、みんなでずっとしゃべっていましたね。スタジオの時も、みんなで食堂にご飯食べに行ったり、ロケの合間で、近くのおいしい店を調べて、みんなで食べに行ったり。新藤陽人役の篠原悠伸さんと清家めぐみ役の片桐はいりさん、大東さんも一緒に、カレーを食べに行ったのですが、悠伸くんが小食で。ボリュームのあるカレーを3分の2残しまして。それを大東さんが全部食べたのですが、奥さんに『夕方カレーを軽く食べるけど、夕飯は作ってほしい』とお願いしていたみたいで、ほぼ2杯分を食べた後に家でも夕食を食べたらしいです(笑)」

――片桐さんの印象も教えてください。

「片桐さんは僕が小さい時からテレビなどで拝見していた、素晴らしい俳優さんなので、もしかしたら話しかけづらい方なのかなと思っていました。『結構、映画好きなんでしょ』って話しかけてくださって映画の話で盛り上がりました。僕が勧めた映画も見てくださったり、ロケ終わりに一緒にフレンチを食べたり。片桐さんは結構グルメなんですよ。だから、おいしいものの話をしました」

――最後に、今後の見どころを教えてください

「雑誌『シバONE』がそもそも順調にいくのかどうかという話ですよね(笑)。僕はボムという最愛のワンちゃんを亡くして、でも、また頑張ろうっていう決意を新たにするのですが、まあうまくいかないんです。一体どんな試練が待ち構えているのか。そしてその試練を超えていけるのかというところに注目していただきたいですね。あと、あくまで平成のお話なんですよ。ワンちゃんへの知識が世間一般的にまだ深くない中で、試行錯誤しながら頑張っていく編集者たちの話なので、そこはちょっと大目に見てほしいです」

「シバのおきて」で愛犬との別れを演じたこがけんが思い出を振り返る
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――20年以上前の平成の話ですもんね。

「そうなんですよ。相楽さんは言葉遣いが悪いですが、本当に仕事に関しては猪突猛進なんです。ぜひ温かい目で見守っていただきたいのと、ワンちゃんだけでなく、ニャンちゃんなどペットを飼われている方々にもぜひ見ていただきたいなっていうのは強く思いますね」

――柴犬がたくさん集まるシーンもあるんですよね

「シバフェスというのがあって、すごいたくさん集まりましたから、ぜひ楽しみにしておいてください!」

――ありがとうございました!

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【番組情報】
ドラマ10「シバのおきて」 
NHK総合
毎週火曜 午後10:00~10:45 

【プロフィール】
こがけん
1979年生まれ。福岡県出身。2019年、「R-1ぐらんぷり」の決勝に初進出。20年、「歌ネタ王決定戦」のファイナリストとなる。さらに、同年の「M-1グランプリ」に“おいでやすこが”として出場し、準優勝。ミュージカル「GREASE」(21年)、TBS系ドラマ「毒恋 ~毒もすぎれば恋となる~」(24年)、ミュージカル「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(24年)に出演するなど多方面で活躍中。

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取材・撮影/Kizuka(NHK担当)

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