「見た目は手塚治虫さんに似ているんじゃないかな」眞栄田郷敦が挑む「あんぱん」天才漫画家役2025/09/09 08:15

NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜午前8:00ほか)で、手塚治虫さんをモデルとした手嶌治虫を演じている眞栄田郷敦。柳井嵩(北村匠海)が嫉妬するほどの才能を持つ天才漫画家で、嵩の絵や「やさしいライオン」の脚本を気に入り、映画「千夜一夜物語」のキャラクターデザインを依頼する人物だ。
今田美桜が主人公を務める「朝ドラ」第112作の同作は、中園ミホさんがアンパンマンを生み出した漫画家・やなせたかしさんをモデルとした嵩と、嵩の妻・のぶ(今田)の激動の人生を描く。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語をおくる。
物語の中で嵩やのぶの人生に彩りを添える存在を、眞栄田がどう捉え、演じてきたのかを語ってくれた。
――今回、漫画家・手塚治虫さんをモデルとした、手嶌治虫役としてオファーを受けたときのお気持ちと、演じる上で準備されたことを教えてください。
「『朝ドラで手塚治虫さんかぁ。めっちゃ面白そう!』という気持ちでした。演じるにあたって、今残っている手塚さんのドキュメンタリー映像を見たり、書籍を読んだり、記念館に行ったり……手塚さんがどんな人生を歩んできたのかを知るために、限られた時間の中でできるだけインプットして。有名作品やターニングポイントとなった作品にも目を通しました。僕は特に『ブラック・ジャック』が好きですね。手塚さんは、ふだんは温厚でユーモアがあって、ニコニコしている印象なのですが、作品になるとすごくストイックで、並外れた集中力があって。本当に天才なんだなと実感しました。そういった人柄の部分や作品に対する姿勢は、演じる上で大事にしています。若い頃の映像はなかったので、そこは想像を膨らませながら、知っている人柄を、少し初々しくしたような感じで演じられたらと思って臨みました」
――実際に現場に入って、お芝居をされてみて、いかがですか?
「やっぱり衣装を着てメークをすると、イメージが湧きますね。意外と見た目は手塚さんに似てるんじゃないかなと思っているのですが、いかがでしょうか?(笑)。 人柄の部分は、手塚さんの物事に集中する性格を細かく表現しつつ、少し早口な部分も意識して演じています」

――演じながら、ご自身の中で変化や新たな発見はありましたか?
「最初は演じられるのが楽しみだったのですが、いざやってみると難しくて、本当に大変です(笑)。手塚さんのイメージを残しながら、この『あんぱん』の中では何を表現しなければならないのか、嵩さんにとってどういう存在であるべきなのかを考えなくてはならないので……。いつもはあまり緊張しないタイプなのですが、撮影も緊張しました。やっぱり誰もが知っている偉大な人物を演じることのプレッシャーも大きいですし、最後まで芝居の正解が分からないんですよ。ふだんの芝居は正解がないので、作品として魅力的な方向に自分で持っていけばいいのですが、今回はいろんなバランスを取らないといけないので。悩むこともたくさんありますが、とにかく自分だからできる手嶌治虫をやろう。そんな思いで、役と向き合っています」
――嵩にとって、手嶌治虫はどんな存在でありたいと思いますか?
「実際の手塚さんは、“神様みたいな人だけど、みんなのところに降りてきてくれる神様”だと表現されていた方がいたので、嵩さんにとっての天才でありつつも、謙虚さを持って演じたいなと。そのあんばいはすごく悩みました。一番大事なのは、嵩さんの人生をどう色づけられるかだと思うので、少ないシーンの中で、手嶌治虫としての魅力を見せながら、嵩さんに大きな影響を与えられる人物になれていたらうれしいです」

【番組情報】
連続テレビ小説「あんぱん」
NHK総合
月~土曜 午前8:00~8:15 ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45
文/TVガイドWeb編集部
関連リンク
この記事をシェアする