「イグナイト」三山凌輝が語る“クールな内に熱を秘めた”高井戸の魅力とは?2025/05/23 07:00

間宮祥太朗が主演を務めるTBS系で放送中の連続ドラマ「イグナイト -法の無法者-」(金曜午後10:00)は、訴訟社会化が進む日本と飽和状態にある弁護士界のリアルを描いた、これまでのリーガルドラマとは一線を画す完全オリジナルのダークリーガル・エンターテインメント。
今回は、ピース法律事務所の弁護士・高井戸斗真を演じる三山凌輝にインタビュー。高井戸は19歳という若さで司法試験を上位突破した秀才。大手事務所に所属していたが、轟謙二郎(仲村トオル)のスカウトによりピース法律事務所へ入所した。物事をどこか冷めた目で見ている現代っ子でクールな印象がある高井戸を三山はどのように演じたのか。第2話で披露したDJ姿についても裏話を明かしてもらった。
高井戸は“クールな内側に熱を秘めた男”

――本作の映像について、どのような印象を持ちましたか?
「高井戸としては、まだこれから…というところもあるので、ここから先がすごく楽しみです。撮影もどんどん進んできていて、撮影現場の雰囲気や役同士の関係性も深まっているので、それが映像にも自然と出てくれていたらうれしいなと思っています。ピース法律事務所のメンバーを通して、それぞれの関係性が徐々に明らかになっていくと思うので、期待してください」
――三山さんは高井戸をどんな人物だと捉えていますか?
「高井戸はクールで、何を考えているのかつかみづらい一面もあるキャラクター。だからこそ視聴者の方に『この人、気になるな』と感じてもらえる存在になっていたらいいなと思っています。行動の裏にある意図も、回を追うごとに見えてくると思うので、注目してもらえたらうれしいです」

――特に高井戸の好きなところはありますか?
「クールに見えて、実は熱い思いを秘めているところですね。口数が多いタイプではないですが、内に強い信念を持っていて、それがちゃんと行動にも表れている。地に足をつけて、目標に向かって真っすぐ進んでいるところがいいなと感じています」
――高井戸というキャラクターをどのように作り上げていますか?
「まずは台本をしっかり読み込んで、『高井戸の目的って何だろう?』というところを掘り下げていきました。セリフの裏にある感情や背景を想像しながら、『自分が演じるなら、どういう高井戸になるんだろう』と考えていく。そうやって少しずつ輪郭を固めています」
アーティスト活動の経験が生きた“DJ TomA”裏話
――第2話ではDJ姿を披露しました。撮影の裏話があれば教えてください。
「実はあのシーン、早朝の撮影だったんです(笑)。エキストラの皆さんも盛り上がってくださっていたのですが、後半はちょっと眠たそうで…。でも『あと1、2回で終わります』というタイミングだったので、僕が劇中で使うマイクで『盛り上がっていこうぜ!』と声をかけて、気持ちを一つにして本番に挑みました」
――アーティスト活動が生きた場面ですね。
「そうですね、音楽活動をやっている自分としては、ステージに立つ感覚みたいなものは少しリンクしていた気がしました。楽しかったです」
――演じるうえで、難しかったシーンはありますか?
「やはりセリフの言い回しや専門用語には苦戦しました。固有名詞も多いですし、それをかまずに、なおかつキャラクターとして自然に話すというのは結構大変でした。ただ言葉を覚えるだけではなく、高井戸としてどう話すのか、どう感情を乗せるのかというところまで落とし込むのが課題でした。その場の空気感ともなじませながら演じるというのは、毎回大事にしている部分です」
――専門用語はすぐに覚えられるタイプですか?
「復唱すると、結構覚えられる方かもしれません。今回は特に、前もってその言葉に少しでも慣れておくようにしています。数日前から口に出してみたり、意識してみたり。そうすると撮影当日、違和感が少なくなっている気がするんです。自然と口になじんでくる感覚です」
役にエネルギーを注ぐ仲間たちへのリスペクト

――スリースター法律事務所の千賀光一(田中直樹)との関係性が徐々に見えてきましたが、演じるうえで意識していたことはありますか?
「千賀との関係性については、物語の中で徐々に明かされていく部分なので、あえて表には出さないようにしていました。裏設定としては意識していますが、作品として“見せない”ことが基本だと思っていたので、演じる時はそこに触れ過ぎないように気を付けていました。第3話のラストの階段のシーンも、高井戸としては思うところがあるんですけど、視聴者の方には『どういうことなんだろう?』と想像してもらえるのがいいのかなと。印象に残っているのはやはり第6話ですね。プロデューサーさんからも『良かったよ』と言っていただけたので、ぜひ注目していただけたらうれしいです」
――共演者の方々について、「この瞬間、この人すごい」と感じたエピソードはありますか?
「皆さん、それぞれの役にすごくエネルギーを注いでいらっしゃって。間宮さんが演じる宇崎凌は、ただ熱いだけじゃなくて、彼自身が普段から物事に真剣に向き合っている姿勢が、そのまま役に投影されているなと感じました。(上白石)萌歌ちゃんも伊野尾麻里というキャラクターがギャルっぽいですが、それが自然に見えるのは、伊野尾をどのように見せたいかというプランや、役に対する好奇心を萌歌ちゃんがしっかりと持っているからなのかなと。陽な部分だけでなく、伊野尾の陰の部分も、きっと自分自身のパーソナリティも反映されているんだろうなと思うくらい、すごく立体的ですよね。轟さんというキャラクターは、もうトオルさんにしかできないと思いました。ピース法律事務所の象徴のような存在ですし、あの圧倒的な存在感は、トオルさんが演じてくださったからこそ生まれたものだと思います」

――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
「『イグナイト』は、いわゆる王道のリーガルエンターテインメントとは少し違うアプローチをしている作品だと思います。1話1話が丁寧に描かれていて、感情移入できる場面も多いですし、日常生活の中でハッとさせられるようなセリフや出来事もちりばめられています。かっこいいシーンももちろんたくさんありますし、裁判に至るまでの過程や、それぞれの人物の内面に隠された思いなど、見どころが本当にたくさんあります。『この話が特に刺さった』とか、『このキャラクターに共感した』というふうに、毎回違った視点で楽しんでもらえるはずなので、ぜひ最後まで一緒に見届けていただけたらうれしいです」
物語が進むにつれ明かされていく高井戸らキャラクターたちの真意。法の裏側に潜む人間ドラマから、目が離せない。
第6話あらすじ(5月23日放送)
宇崎(間宮)は高井戸(三山)が突然姿を消したことにもんもんとしながらも、湊市役所職員・松原知里(大島涼花)の自殺の原因が音部市長(髙嶋政伸)のパワハラにあったとにらみ、伊野尾(上白石)と共に調査を進めていた。しかし、職員へ聞き込みをしても有力な情報は得られず、秘書課長の小谷加奈子(酒井若菜)から職員への接触も制限されてしまう。
そんな中、週刊誌記事の影響でピース法律事務所に「訴訟を辞めたい」と申し出る依頼人が続出する。音部市長を訴えようとしていた知里の両親も、ついに訴訟をやめたいと話し始める。さらに、一連の騒動を受けピース法律事務所に懲戒請求書が届き、轟(仲村)は綱紀委員会から呼び出しが入り、最悪の場合は弁護士資格を失う危機に直面する。
一方、高井戸は轟を敵対視する千賀(田中)の元へ移籍し、音部市長側の代理人を務めることに。それを知った宇崎は激高。さらに被害者をおとしめるようなやり方に納得のいかない宇崎は高井戸を待ち伏せするが…。
【番組情報】
イグナイト -法の無法者-
TBS系 毎週金曜
午後10:00~午後10:54
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