「グレイトギフト」決意の逆襲から一転、“真犯人編”へ――“ギフトの創造者”の登場が、藤巻らを大きく狂わせる2024/02/29

　テレビ朝日系で放送中のドラマ「グレイトギフト」。「ラストマン-全盲の捜査官-」「マイファミリー」「TOKYO MER～走る緊急救命室～」（すべてTBS系）などを手掛けた脚本家・黒岩勉さんが、大学病院を舞台に描く完全オリジナルのサバイバル医療ミステリーだ。

　殺人球菌“ギフト”を見つけてしまったことで、それまでのうだつの上がらない生活が一変した明鏡医科大学付属病院の病理医・藤巻達臣（反町隆史）。自ら発見したウイルスは、犠牲者を生み続けるだけでなく、ギフトの存在を知った白鳥稔（佐々木蔵之介）やその腹心・郡司博光（津田健次郎）、病院事務長・本坊巧（筒井道隆）ら周囲の人間、ついには不器用ながらも守り続けてきた最愛の妻・麻帆（明日海りお）からは離婚を切り出されてしまい、藤巻の人間関係を大きく変化させた。そんな中、クライマックスに向けて“ギフトの創造者”を名乗る犯人が、ついに動き始めた。

妻、友からの裏切りに憔悴（しょうすい）する藤巻、そこへ現れたのは…

　医学系大学連合会議の議長選で勝つための裏金を作るため、安曇杏梨（倉科カナ）が持つ闇ルートでギフトを売りさばくと宣言した新理事長・白鳥。腐った医療界を浄化すべく、藤巻、白鳥、本坊らの忠誠心を確かめ、より“皇帝”としてまい進していたように見えた。

　だが、そこで描かれたのは、これまでのうだつの上がらない病理医ではなく、何かが吹っ切れたような、妻に裏切られたことですべてがどうでもよくなってしまったような、人が変わってしまった藤巻だった。白鳥や郡司の圧力にもひるまず、自分のために動くことを決めた藤巻は、自らの意志でギフトを作ることを宣言しただけでなく、ギフトによる連続不審死を捜査する警視庁の元刑事・神林育人（尾上松也）にこれまでのすべてを話し、検査技師・久留米穂希（波瑠）と神林と共闘することに。これまで何かにおびえていた藤巻ではなく、鬼気迫る藤巻には、まさに大きな変化が訪れたといってもいい印象的なシーンだった。

　暴走する白鳥を逮捕するために必要なのは確たる証拠。そのために「（白鳥の）発言を引き出します」と藤巻は意気込んでいた。そして迎えたギフトの闇取引決行の時、「この方を殺しても構わないということですか？」という藤巻の問いに、白鳥は「殺してください」と答え、勝利を確信した…かのように思われた。

　しかし、ここでどんでん返しが起こるのが「グレイトギフト」。なんと、神林も「そもそも、警察の間でこのことを知っているのは私だけです」と告白。彼もまた、白鳥側に加担しており、寝返っていたのだった。わなを仕掛けたはずが、仕掛けられていただけでなく、“友達”として気を許していたはずの神林にも裏切られ、意気消沈の藤巻。話を聞けば、娘・琴葉（中島瑠菜）を助けるために、白鳥側に立った神林の決意のこもった言葉に「つらくなったらいつでも相談してください」と返すことしかできず…。ここまで裏切られ続ける主人公も、これまでなかなかいなかったのではないだろうかと少し情が湧いてしまうほどだ。

　「もう白鳥には逆らえない」――そう覚悟した藤巻だったが、そんな中、事態は一転。驚愕（きょうがく）のラストを迎えることとなった。“ギフトの創造者”を名乗る犯人から藤巻に電話がかかり、動き出したのだ。

非情な行動をみせる“ギフトの創造者”、その正体は誰なのか!?

　藤巻に電話で接触した真犯人は、白鳥が裏で手を付け始めた会員制ラウンジ「アルカナム」で行われる“ギフトの密売”を即刻中止するよう要求。その見せしめとして、「私の“オクトセブン”の力をご覧ください」と入院患者をまた1人殺す無情さを見せつけると、「これは冗談や遊びじゃない」と藤巻や白鳥も息をのむ。

　真犯人によれば「大きな欠点がある」というギフト、「新たなオクトセブンはギフトとは異なる球菌かもしれない」と考えた藤巻は、久留米とともに水面下でオクトセブンの培養・研究を開始する。しかし、その中でたどり着いたのは“想像を絶する異変”だった…。

　一方、娘の命を守るため神林も真犯人捜しに奔走。ギフトの第一被害者となった元総理大臣・愛宕克己（山田明郷）と深い関係を持つ「国立生命理工学研究所」の元職員が、明鏡医大に在籍していることを突き止める。そこから事態は思わぬ方向へと急展開。毎話「次の展開は予想できない」「マジで誰も信用できない」「犯人誰!?」と盛り上がりをみせるラストだが、今夜2月29日放送も予想外のラストが期待できそうだ。