Feature 特集

「宮本から君へ」主演の池松壮亮を直撃! 熱望した役は「演じるのに今までで一番苦労しました」2018/04/18

「宮本から君へ」主演の池松壮亮を直撃! 熱望した役は「演じるのに今までで一番苦労しました」

 恋にも仕事にも不器用な新米営業マンの宮本浩(池松壮亮)が成長していく生きざまを見せてくれる「宮本から君へ」(テレビ東京ほか)。苦戦しながらもがむしゃらに向かっていく宮本の姿は、見ていて応援したくなる方も多いのではないでしょうか? 今回、そんな熱い男である宮本を演じる池松壮亮さんに、演じる上での苦労や、撮影中に持っていた信念についてお伺いしました!

── 池松さんご自身が原作のファンということで「宮本を演じたい」と熱望されていたとのことでしたが、どのような流れで池松さんの出演が決まったのでしょうか?

「原作は1990年~19年にかけて書かれているんですが、僕が知っている限りでもいろんな人が映像化をしようとした作品なんです。それでも何かうまくいかずに頓挫したりして、今こういう形で僕の手元まできてくれました。話をいただいてからも、ここまで来るのに時間がかかって、ものすごく難産だったので。それだけ強敵な作品でしたね」

── そのように決まった“宮本浩”は、演じるのも難しかったですか?

「今までで一番苦労したんじゃないかと思います」

── 池松さんご自身の特別な思い入れがあるからこそでしょうか?

「何なんでしょう…テクニカル的なことではなくて。ここまで考えたのは初めてなんですけど。“宮本浩”という人を、自分が演じられるだけの人間であるのか、やるべき器があるのかということを2カ月ずっと考えながら演じていました。今でも、本当に正しかったかどうかは分からないんですけど。そういうことをずっと考えていました」

── 池松さんから見た“宮本浩”は、どんな人物像ですか?

「星です。人間をも超えた何か…。人間界にいちゃいけないくらいの存在なんじゃないかというくらい。自分も男として平成に生まれて、本当はこういう人間でありたかったし。でも、それをやれなかった自分としては、宮本浩はスターです」

── 台本を読ませていただき、宮本のかなり熱い思いや姿勢が伝わってきたのですが、池松さんご自身がこの作品から受けた影響はありましたか?

「多々ありますよ。宮本浩だけではなくて、この漫画に出てくる登場人物たちから受け取ったものがあります。一言でいえば、生きざまです」

「宮本から君へ」主演の池松壮亮を直撃! 熱望した役は「演じるのに今までで一番苦労しました」

── 宮本は原作の中でも名言を数多く残していますが、池松さんが印象に残っている名言がありましたら教えてください!

「ありすぎて、選べないんですよね(笑)。漫画だと5ページに1回くらいのペースで出てくるので。それぞれの名言から、都度色々感じる部分があります」

── 結構な頻度ですよね(笑)。池松さんご自身がお持ちの信念や、揺るぎない思いなどはありますか?

「割と固い人間で、多々あるんですけど。例えばと言われると難しいですね(笑)。それって『いただきます』を絶対言うみたいなことですよね?」

── そういうのでも大丈夫です!!

「そういうのはないです(笑)。難しいですね…、信念という言葉にすると。宮本が、自分に降りかかってくる困難に対して『笑え、ばかやろう!!』と言って先に進むんですよ。それって今の時代にそうそうできないんじゃないかと思っていて。“宮本浩”という役を身にまとっている2カ月の間は、それを自分に課していました。それでもやっぱり苦しい作業が続くので、眉間にしわが寄ってくることもあります。人と作品を作っているので、思い通りに行かないこともあるじゃないですか? それでも、誰のせいとかそういうことではなくて、まず『笑え自分、ばかやろう!!』と心の中で言っていました」

── 秘めていたんですね(笑)。撮影現場におうかがいした時には、神保役の松山ケンイチさんと楽しそうにお話しされている姿が印象的だったのですが。

「何の話してたかな…大した話ではない雑談をしていたと思います(笑)」

── 最後に、ドラマの見どころも含めファンの方へメッセージをお願いします!

「こういう伝説的な漫画を、原作の力をお借りして映像化し、放送します。結局見てくださいとしか言いようがないんですけど。今夢がある人、過去に夢があった人、野心があった人、もう一個何か人生の先を密かに見つめている人、傷を負ったことがある人、自分を疑ったことがある人など、そういう人たちには少なからず届く要素があるドラマだと思っています。もしよければ見てほしいです」

【プロフィール】

池松壮亮(いけまつ そうすけ)

1990年7月9日生まれ。福岡県出身。 2003年トム・クルーズ主演の「ラスト サムライ」でデビュー。14 年には、「紙の月」「愛の渦」「海を感じる時」「ぼくたちの家族」と注目作品に次々と出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。昨年は映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」、ドラマ「銀と金」(テレビ東京系)などの話題作に出演。本年は映画「万引き家族」が6月8日、主演映画「君が君で君だ」が7月7日、「散り椿」が9月28日から公開予定。

【番組情報】

ドラマ25「宮本から君へ」
テレビ東京ほか 
金曜 深夜0:52~1:23

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当)
撮影/蓮尾美智子
衣装協力=ニット ¥24,000、パンツ ¥31,000/LAD MUSICIAN
(LAD MUSICIAN HARAJUKU ☎/03-3470-6760)



関連記事

この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.