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畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー2023/08/26

畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー

 日本テレビで現在放送中のZドラマ「最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~」で主演を務めている畑芽育さん。余命1年を宣告されながらも、限られた時間の中で仲間たちと青春を駆け抜けていく主人公・伴ひかりをみずみずしく、輝かしく演じている。

 文化祭でのダンスパフォーマンスに向けて練習を重ねる一方で、病魔はひかりの体をむしばんでいく。ダンス合宿の最終日の夜に藤原大志(山下幸輝)からの告白を断ったひかりは、同じ病気で亡くなった母の思いを知り、藤原に自分の思いを告げる。文化祭当日、通学途中に倒れて病院に搬送されながらも、病院を抜け出しステージに立つひかりの姿に、藤原はひかりのすべてを受け入れる覚悟を決める。本日8月26日放送の第6話では、持ち前のポジティブさで周囲を巻き込み、青春を謳歌(おうか)していく前半から、ひかりの体が徐々に病魔に侵され、残された時間があとわずかだと思い知らされる展開へ突入していく。

 先週公開の記事(https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2378052)では、出演するドラマ「ノッキンオン・ロックドドア」(テレビ朝日系)での役作りを語ってくれた畑さん。今回は“余命1年”という残酷な運命に見舞われながらも、命を燃やしていく主人公・伴ひかりという役を通して感じたことを語ってもらった。

畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー

――会見で「初主演で最初は不安に感じていた」とおっしゃっていましたが、現場では不安に感じることはなかったですか?

「不安に思う時間もありませんでした! 本当にあっという間に過ぎていくので、撮影が始まって1カ月以上たったんだっていうことに今、衝撃を受けています」

――撮影が始まる前に感じていた不安はどのように乗り越えたのでしょうか?

「周りの方に本当に助けていただいています。鈴木努プロデューサーや西村了監督が、丁寧にひかりの心情を説明してくれましたし、本当に困ったことがあった時も『これはどういう感情なんだろう』『どうやってアプローチすればいいんだろう』と全部聞いて、会話させていただける。アンサーを絶対返してくれるので、キャスト陣ももちろん熱い気持ちを持っていますが、心を燃やしている制作陣の皆さまにヒントをもらいながら、ちょっとずつ不安を解消していきました」

――「最高の生徒」のポスターを初めて拝見した時に、青春のキラキラした感じや、ひかりの生き方がとても伝わってくるすてきなポスターと感じました。普段、作品に臨まれる時にはどのように役作りをしていくのでしょうか?

「表現できればと思ってポスターを撮っていたので、そう言っていただけてうれしいです! ありがたいことに、今までは漫画だったり原作のある作品で、キャラクターがもう実在している前提でお芝居させてもらうことが結構多くて。そういう時はやっぱり原作本を読んだり、漫画、アニメからヒントを得ることも多いんです。アニメが放送されているのであれば、しゃべり方を少し近づけてみるというアプローチから始めるのですが、今回は本当に完全オリジナルで。余命のある女の子の役をお芝居するのが初めてなんです。なので、本当に悩んだというか、迷ったというか…」

――そんな中で、“伴ひかり”をどのように作り上げたのでしょうか?

「最初はひかりが考えていることは、台本を読むだけでは分からないことも多かったんです。ひかりは思っていることを何でもズバズバと言う子ですし、そのポジティブさで周りを巻き込んでどんな問題も丸く収めてしまう。見え方によっては、そのポジティブさが押し付けがましく見えないかなという心配もありました。お説教じみても嫌だし、それを見ている人たちがちゃんとうなずいて、納得してくれるお芝居をしなきゃいけないと思って、どうしたものかと悩んでいたんです。でも、いざみんなと本読みをした時に、ひかりのセリフがすごく自分の言葉として出てきていて『あ、なんかひかりとして挑めたな』と、なんかスイッチが入った感覚になって。本読みの段階で、そこから何回か本読みを重ねていって、みんなも本当にフルパワーで立ち向かってきてくれるので、そこはすごく周りのみんなのエネルギーももらいつつ、空気感を作りつつ、ひかりというキャラクターを作っていったのかなと思います」

畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー
畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー
畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー

――会見で「それぞれ演じるキャラクターと性格が合っている」ともお話されていましたが、ひかりのわが道を突き進んでいくポジティブさやエネルギッシュなところは畑さんと似ているのでしょうか?

「私はネガティブなんです。インドアで家でじっとしているのが好きですし、むしろ1人が好きです。大人数で遊ぶこともありますけど、やっぱり幼い頃からこういうお仕事をしてきて、撮影の現場って人がたくさんいるので、無意識のうちに人の少ない環境でリラックスしたい、スイッチオフしたいという気持ちがあったのかもしれません。休みの日は本当に家から出ずにテレビを見ていたり、映画を見ていたり、ドラマ見てたり…っていう子どもでした。ひかりはすごくアクティブで、ポジティブで、どんな問題も丸く収めちゃう。とても強い女の子なので、演じることによって気持ちがひかりに引っ張られている感覚はすごくありますし、ひかりに私自身も助けられています」

――具体的にどのような点でそのように感じるのでしょうか?

「私自身はすごくネガティブで不安性ですし、心配性でいろんなことが気がかりになって、夜も眠れないみたいな日々もあったんです。でも、ひかりがすごく明るくて、なんでも笑い飛ばすような女の子なので、そういう役柄に私自身が助けられているなと強く感じます」

畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー
畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー

――ひかりのポジティブな考え方は、同じ病気で亡くなったお母さんの教えによるものですが、ご自身が大事にしているお母さまからの教えやご両親から影響を受けたことはありますか?

「私の母はすごく楽観的で『好きにやっていいよ』という放任主義なんです。私は5人きょうだいの末っ子なので、子育ても慣れていたと思うし…といっても大変だったと思いますが、そんな5番目の子でも、こうして小さい頃から子役をやらせてくれて、ここまで育ててくれたことに感謝です。20歳になってからですかね、本当にあらためてお母さんのことがすごいなって思ったのは。尊敬していますし、母は過保護な感じではなく『行ける現場は1人で行って』『1人でできることは1人でしなさい』というタイプだったので、いい意味で本人主義。だから、習い事をしたかった時も自分で行きたい教室を探して、『ここに行きたいです!』って自分でプレゼンしてお母さんにお願いしていました」

――それはすごく自立した子どもになりそうですね。

「そうですね。あとは自分が子役やっていて、テレビに出ることを周りの友達に言わないようにと、ずっと言われていたんです。そういう部分はすごくありがたかったですし、すごくいい教えだったなと今になって思います。特殊なことをやっていると思いますし、テレビに出ている同級生って周りにはなかなかいないじゃないですか。それを『すごいだろ!』という感じに見せてしまうと、やっぱり偏見を持たれることもあると思うので…。その点、母は私をたくましく育ててくれたので、私はアルバイトしたこともありますし、中学時代はめちゃくちゃ部活に励んでいました(笑)。本当に普通のどこにでもいる中学生、高校生っていう感じで育ててくれたからこそ、小さい頃からこの仕事をやってきて、ちょっと特殊ではあると思うんですけど、こっちの業界、こっちの世界じゃない部分の視野も持てているのかなと、自分では思っています」

――「最高の生徒」はZドラマ枠で、Z世代の方がより共感できる内容になっていると思います。ご自身もZ世代ですが、このドラマを通して伝えたいメッセージや注目してほしいポイントはありますか?

「私自身、高校生活にすごく未練があって。周りの大人たちが『もっと勉強しておいた方がいいよ』『もっと高校生活を楽しんだ方がいいよ』って言っていたのですが、当時はその大切さや輝かしさが分からなかったのですが、今、高校を卒業して大人になったからこそ、高校時代の輝かしさ、高校生だった自分のキラキラしていた“あの瞬間”のすごさが分かったんです。なので、ドラマを見てくれる同年代の方々に、ひかりのことをすごく輝かしくて強くて魅力的な女の子だなって思ってもらえたらうれしいですし、ひかり以外の6人が抱えるそれぞれの悩みに共感して、『私もこうやって気持ちを切り替えよう』『私ももうちょっと気楽に、思い込みすぎないで、明日は少しだけ楽に生きてみよう』って見てくれる人の肩の荷が下りるような作品でありたいですし、希望を与える作品でもありたいなと思っています。そして、余命1年というハンデを抱えている中でも、こんなに強くたくましく生きられる女の子がいるという、そのエネルギーやパワーを与えられる作品でありたいなと思います」

――Z世代の方でなくても、高校時代を思い出すきっかけにもなりそうですよね。

「本当にその通りです! 少し上の世代の方やお母さん世代の方々が見てくださっても、きっと懐かしいと思ってもらえると思います。作中にSNSが出てきたり、みんなとのダンスで使われた楽曲が本当に今はやっていて、若い子たちは絶対に聞いたことがある音楽でダンスをしたりというトレンドを交えた作品なので、追って見たら本当に面白いだろうなって。私が高校生の時にこんなトレンドを取り入れているドラマがあったら面白かっただろうなと思うぐらいなので、本当にいろんな方に見ていただきたいです!」

畑芽育「『明日を少し楽に生きてみよう』と希望を与えられる作品にしたい」――ドラマ「最高の生徒」インタビュー

8月26日放送・第6話

 ひかりと思いを通わせた藤原だったが、藤原に好意を抱いていた美山志乃(齊藤なぎさ)はひかりを責め立ててしまう。ひかりは自身の状況について何も言えずにいた。その後、学校内ではある事件が起こり臨時休校に。休校が明けるも、入院したままのひかりのもとを訪れた藤原に、ひかりはあるノートを見せる。ノートに書かれた内容に、「みんなのおかげで、ほとんどかなった」と話すひかりは、「今度は私がみんなに、何かしてあげたい」「藤原、手伝ってくんない?」と告げる。一方、ひかりの病気を知らない他の仲間たちも、あるきっかけで病気のことを知ってしまう。

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【プロフィール】

畑芽育(はた めい)
2002年4月10日生まれ。東京都出身。主な出演作にドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」シリーズ(TBS系)、「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(TBSほか)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」、「純愛ディソナンス」(フジテレビ系)、映画「なのに、千輝くんが甘すぎる。」(23年)など。放送中のドラマ「ノッキンオン・ロックドドア」(テレビ朝日系)では、探偵事務所でアルバイトする女子高校生・薬師寺薬子を演じている。

【番組情報】

「最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~」
日本テレビほか
土曜 午後2:30~3:00
※TVerにて最新話まで全話無料配信

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取材・文/K・T(日本テレビ系) 撮影/蓮尾美智子



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