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上川隆也「遺留捜査 新作スペシャル2」怒れる糸村聡!? いまだかつてない姿に「新しい糸村を僕自身が実感していきたい」2019/12/01

 上川隆也さん演じる風変わりな刑事が、事件現場に残された“遺留品”から事件解決の糸口を見出すドラマ「遺留捜査」(テレビ朝日系)。連続ドラマとして5シーズンを経て、今夜は、2週連続放送のスペシャルドラマとして帰ってきた2作目となる「遺留捜査 新作スペシャル2」が放送。京都府警捜査一課特別捜査対策室刑事の糸村聡(上川)は、マイペースで周囲を振り回しながらも、遺留品に込められた被害者の思いから事件の真相を解明していきますが、今回は冒頭からフルスロットル。激しいボートチェイスシーンや、相棒ともいえる科学捜査研究室の村木繁(甲本雅裕)が事件に巻き込まれ、絶体絶命のピンチに陥ってしまうなど波乱の展開…。糸村もかつてないほどに感情をあらわにし、いつもとは一味も二味も違う雰囲気をまとう内容になっています。そんな本作で、主人公の糸村刑事を長年にわたって演じている上川さんにお話を伺ってきました!

── 今作では宇梶剛士さんとの共演が見どころの一つになると思いますが、共演されていかがでしょう?

「宇梶さんは生まれ故郷が近いものですから、ある種の距離感の近さは感じてきた方なんです。なので今回共演できたことはうれしかったですし、現場に明るい風を吹き込んでくださる方なので、常に楽しく過ごすことができました」

── 明るい風と表現されていましたが、何か現場での印象的なエピソードはありますか?

「現場の人間のみならず、宇梶さんはロケ先ですれ違う一般の方にも分け隔てなく振る舞われるので、出会った人みんなが笑顔になるような方です。常に笑顔が絶えないすてきな現場になっていました」

── ゲストもそうですが、今回の「~新作スペシャル2」では相棒といっても過言ではない関係の村木さんが危機に瀕するという衝撃のエピソードもあります。台本を読まれて、いかがでしたでしょうか?

「最初に思い出したのはシーズン2の第5話なんです。田中哲司さん演じる同僚・長瀬が亡くなるというシーンがあって。そのエピソードは、その後の糸村に大きく影響を与えた話だったなと今でも思うんです。スペシャルの台本を読んで、あの時に糸村が感じていたことに大きく関係するエピソードになるんだという印象でした」

── なるほど、長瀬が殉職したお話と重なる部分を感じられたんですね。

「シーズン2の第5話は糸村が月島署に異動してまだ日が浅い頃のエピソードなので、同僚として一緒に過ごした期間はおよそ数カ月。そこで訪れた “同僚の死”に対して、糸村が何をしたかというのが描かれたと思うんです。あの時の糸村は、それまでの彼ではない振る舞いを見せたと僕は思っています」

── 普段は飄々(ひょうひょう)としている糸村が珍しく感情をあらわにしましたね。

「それはなぜなんだろうって考えた時に、糸村というキャラクターは“自分への評価”に興味がないんです。マイペースでいられるのも、自分に対する評価がどうであろうと構わないからであって。ただ、“仲間”のことになると、その立ち位置や思いが大きく変わるキャラクターなんです。それはシーズン2の第5話で確立されたんじゃないかなと思います」

── 仲間に対する思い…ですか。

「京都編だけに絞って申し上げるならば、段田(安則)さんが演じられた室長に対しても特別な感情があります。警視庁に出向しているにもかかわらず、常にいらっしゃる感覚があるんです。新規に赴任してきた糸村が、たたずまいや事件に対する姿勢を全く変えずに過ごしていられるのはひとえに室長のおかげなんです。瞬間的な驚きとはまた違った反応になってしまうんですが、特別対策室における室長の“いないながらの存在感”というのはなんとなく影響力を感じて、日々驚嘆しています」

── 支える仲間がいてこその糸村なんですね。今回フィーチャーされる村木さんは、長年連れ添ってきた仲間なので、どうなっているのか楽しみです。

「村木さんがこうなってしまった時に、糸村はどうするんだろうという逆算と、長瀬殉職の際の思いなどを巡らせながら演じさせていただきました。今回のスペシャルではこれまでお届けしてきた『遺留捜査』の中でも、一味違った糸村になっているのではないでしょうか」

── 糸村は人手不足でも手を貸さずに自由気ままに自分の捜査に没頭する半面、村木さんの危機には感情をあらわにしたり…。“仲間”に対してでも相反する感情を持っているのかなという印象がありました。

「彼の命に対する目線の向け方というのが分からなくなるんです、自分に対してあまりにも軽々しくて。月島署に赴任して最初のスペシャルで、糸村は撃たれているんです。でも、彼自身は自分の体をほとんど省みていなくて。事件をどうするのか、助けるべき人をどうやって救うのかばかり考えて奔走して……。ようやく全部が解決した時に倒れるような一面があるんです」

── 確かに事件解決のためなら、自らに対してすら興味を失ってしまうような一面は感じますね。

「一方で、捜査に困っているぐらいなら全然目も向けないんですけれども、仲間の極端な危機に対しては “うろたえ”すら見せるそのことが、僕自身も演じていて不思議なんです。ただ、そこを突いてほじくり出すことはしません。ひとかたならぬ仲間への思いが今回明らかになったことで、これまで糸村が積み重ねてきた役柄をバトンのように次の糸村に渡していく感覚でしょうか」

── 上川さんご自身も探りながら「新しい糸村像」を見つけ走られているんですね。

「渡していくバトンは、これからもどんどん太くなっていけばと思っていす。次の作品でまた糸村と出会った時に受け渡されるバトンで、新しい糸村を僕自身が実感していく方が、『あれ、最初に糸村をどう演じてたっけ?』とのぞきにいくよりもよっぽどいい気がしています」

── では、最後に見どころも含め、メッセージをお願いします。

「冒頭のボートチェイスシーンから、なかなか大胆な幕開けをする今回の『遺留捜査』ですが、描かれていく事件自体は非常に複雑です。複雑であるからこそ、糸村の打開への思いが大きなエネルギーにつながっていきます。村木さんが見舞われてしまった境遇と、事件の複雑さが表裏一体となって糸村への衝動の対象になっていくという点では、これまでの作品ではなかった形になっていくんじゃないかと思っています。『遺留捜査』の新たな一面をお見せできるのではないかと思いますので、楽しみにお待ちいただければと思います」

── ありがとうございました!

【プロフィール】

上川隆也(かみかわ たかや)

1965年5月7日生まれ。東京都出身。89年に演劇集団キャラメルボックスに入団し、活動を始める。テレビドラマや舞台、映画などに多数出演するほか、アニメ「ルパン三世 PART5」など声優としても活動。「BG~身辺警護人~」(2018年/テレビ朝日系)や、「執事 西園寺の名推理2」(19年/テレビ東京系)などに出演している。20年4月には、舞台「新 陽だまりの樹」で主演を務める。

【作品情報】

「遺留捜査 新作スペシャル2」 
テレビ朝日系 
12月1日 午後9:00~11:05

テレビ朝日担当 I・S

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