草刈正雄、父の顔写真と初対面！「僕が思い描いていたような父でよかったです。70歳過ぎになりますけど、新しい自分に生まれ変わったようです」2023/08/07

　著名人の家族の歴史を本人に代わって徹底取材する番組「ファミリーヒストリー」（NHK総合）。8月14日の放送では、草刈正雄のアメリカ人の父を探った。すると、衝撃の事実が判明！　なんと、父は10年前まで生きていたのだ。さらに、父の親族も探し当てることに成功！　「父と母はどのように出会い、どんな関係を紡いだのか」、そして「なぜ父は自分と母の元を去ったのか」。97歳になる父の姉が初めて70年前の秘密を告白する。

　NHK大河ドラマ「真田丸」（2016年）での真田昌幸役が大きな話題を呼んだ俳優・草刈正雄。生まれた時から母子家庭で育ち、母から「父は日本に滞在していたアメリカ兵で、朝鮮戦争で死没した」と聞かされており、写真さえ見たことがなかった。母が多くを語らぬまま亡くなって13年たち、番組への出演を通じて父を知ることを決心した。

　取材を開始したのは去年の夏。草刈によると、父の名前はロバート・トーラ。しかしスペルが分からないという。同じ発音でもいくつものスペルがあり、“トーラー”の可能性も視野に入れると、専用の検索サイトで18万件以上が該当する状況で、取材は難航を極めた。だが、ある追加情報が決め手となり、ノースカロライナにいる父の親族にたどり着き、DNA検査で血縁関係も証明された。

　父の名は、ロバート・Ｈ・トーラー。草刈はノースカロライナのロケ映像をスタジオで見て、初めて父の顔写真と対面。伯母やいとこの存在とともに、父が朝鮮戦争から生還していた事実を知ることに…！　実は、戦地からの帰還先が福岡の航空自衛隊築城基地で、父ロバートと母スエ子はドラマチックな偶然の出会いから恋に落ちていたのだ。新しい命が宿り、幸せな将来を夢見ていたスエ子。しかし、職務の都合でロバートが帰国した後、2人は別々の人生を歩むことに。当初、ロバートの自宅に手紙を送っていたスエ子も、息子を1人で育てると決意。アメリカ人と日本人の子どもへの偏見が多い時代、何度か心中を考えるほど苦しみながらも、草刈を守り抜き、真っすぐな人間に育てようとする…。

　その事情をロバートの姉で97歳のジャニタが、初めて語った。さまざまな事情が絡み合い、スエ子との別れを選んだロバート。「その責任の一端は自分にもある」というジャニタは、70年間自分を責め続けてきた。

　初めて知る衝撃の事実の連続に、司会の今田耕司も言葉を失う。スタジオでは、ジャニタから託された手紙が代読された。「生きているうちに、一目会って、謝りたい」。その呼び掛けに草刈はどう答えたのか。番組は驚きのラストシーンで締めくくられる。

　スタジオ収録後、草刈は「母と父が本当に愛し合っていたんだなということが分かり、本当によかったです。母が父について僕に話さなかったことに対しては、彼女の考え方なので尊重していますし、僕も『知りたい』という方ではなかったものですから、お互いそういうことは話題にしませんでした。母からは冗談で『（あなたのお父さんは）あなたよりハンサムよ』とよく言われていました（笑）。母は父のことが本当に好きだったんだと思います」と母との思い出を振り返った。

　続けて、「今日初めて写真で見たロバート・トーラーが、僕が思い描いていたような父でよかったです。昔からよく『僕はおやじを知らないから、おやじの役を演じるなんてね』とか言ってきましたけど、顔を見るだけでイメージが湧きますしね。僕も70歳過ぎになりますけど、これからまた新しい自分に生まれ変わったような感じになりました。娘たちにも見せたいです。日本とアメリカ、国は違いますが、それぞれに、向こうは向こうでこちらのことを気にかけて生きてきてくださったことが伝わりました。向こうのご家族もすてきなご家族でよかったです。物理的に距離が離れていても、みんなが思い合っていたんだなと感じました」とコメントした。