ハラミちゃんの演奏でファンの人生に影響が!? 鳥越ディレクターが受けた衝撃とは？「推しがいる方のご応募をお待ちしております！」と遠方ロケへの意欲も――「推しといつまでも」（連載コラム第4回）2023/06/06

　TBS系にて毎週月曜午後10：00から放送中の「推しといつまでも」の裏話や制作秘話、見どころなどを毎回インタビュー形式でお届けする連載コラム。

　第4回は演出を手掛けるFAT TRUNKのディレクター・鳥越一夫さんに、6月5日放送の「推しが我が家にやってくる　ハラミちゃんゲスト出演回」について見どころなどを伺いました。

――今回の推しゲストは2019年に活動を開始したハラミちゃんですが、彼女の最初のイメージをお聞かせください。

「『プレバト!!』（TBS系）という才能を競うバラエティー番組でご一緒したことがあるのですが、さまざまなアートで好成績を出しており、音楽以外でも芸術において多方面で能力を発揮する方だという印象が強かったです」

――ロケをした時のハラミちゃんの印象はいかがですか。

「とても明るいキャラクターのハラミちゃんは、ピアニストになるのが夢だったけれど挫折をした過去があり、ひょんなことからYouTubeに動画を上げて人気者になり今があります。『自分だけの実力では無理だった。ファンが支えてくれたからこそ、ピアニストにさせてもらっている』と番組で本心を語っています。ですから、ファンをとても大事にしている印象を持ちました」

――SNSでファンをチェックしていると伺いました。

「ご自身でも『ファンのストーカーかも（笑）』とおっしゃっていましたが、SNSを通じてファン同士のつながりなど、応援してくれている方々を把握しておきたいらしく、常にチェックをしていました。注目をされたからこそファンの大切さが身に染みていて、支えてもらっているという感謝の気持ちが人一倍強い方です。ファンとのつながり方や接し方がとても近いのはファンもうれしいですよね」

――ハラミちゃんは写真や動画で見ると身長が低いイメージだったのですが、実際は高身長で意外ですよね。

「私が初めてハラミちゃんにお会いした『プレバト!!』出演回でも、スタッフみんなが『身長が高い！』と言っていました。おもてなしをしたファンのご家族も『意外と大きいんですね』と驚いていましたから、正確な身長までは伝わっていなかったのかもしれません。ちょこんとしてかわいらしい印象が強いから、なんとなく小柄なイメージを持ってしまいますよね」

――ロケで印象に残ったエピソードはありますか。

「ご家族におもてなし決定の連絡をするのがハラミちゃんが来る9日前で、そこからおもてなしのための準備が始まるのですが、やらなければならないことが多いにもかかわらず、小学生の姉妹はおもてなし用の連弾曲を頑張って9日間、練習するんです。そして、当日にウエルカムピアノ（お出迎えする曲）を姉妹が見事に披露しました。いくらピアノを習っているといっても、まだ8歳と6歳の子どもが、この短期間でやり切ってしまうのは心打たれるものがあります。しかもこのピアノはおばあさんから受け継いだものだというので、余計にウルっときてしまいました」

――いいシーンですね！　そしてさらに驚いたことがあるとか。

「ハラミちゃんがピアノを使っておもてなしへのお返しをするということで、家族がリクエストした楽曲を即興メドレーにして演奏していたのを私も見ていました。『始めます！』というハラミちゃんの一言で姉妹が『わーっ！』と盛り上がり、これからノリノリで聴くのかなと思っていたら、表情が笑顔ではなかったのです。何かを思い詰めたような表情になっていって、彼女たちの心に何かがものすごく響いているのではと思いました」

――純粋な心を持った彼女たちだからこそ、ハラミちゃんの生の演奏を素直に感じ取れたのでしょうか。

「本人たちに聞いてはいないので正解は分かりませんが、何か感じることがあったのだなという表情でした。私はこの表情を見て、彼女たちの今後の人生において何かしらのよい影響があるんじゃないかなと感じています」

――今回のおもてなしの裏話や秘話がありましたらお願いします。

「ハラミちゃんがコンサートの時にピアノを使ったクイズでみんなを楽しませてくれるコーナーがあり、それを今度は家族がハラミちゃんにやろうということで、ハラミちゃんが解答者になりピアノクイズが始まります。どういう問題にしようか家族で案を出した結果、クオリティーの高い問題になっていました。スタジオの指原莉乃さんや川島明さん、アルコ＆ピースのお二人も思わず『あれ、これってなんだっけ？』と考えてしまう、クイズ番組として成立するぐらいの問題だと思います。ハラミちゃんも本気になって考えていて、正解した時もかなり喜んでいました」

――VTRを見た後のスタジオの皆さんの反応はいかがでしたか。

「VTRを見終えた後、アルコ＆ピース・平子祐希さんが『エンタメの存在意義の一つの答えを垣間見た』とおっしゃったのです。少なくとも今回のファンご家族、特に姉妹の2人には計り知れない影響をハラミちゃんが与えているというのが伝わったのでしょうが、“出会ったエンタメで他人の人生を左右してしまうかも”ということを平子さんは感じ取ってくれたと思うのです。最終的には『今後は流して漫才をやるのはやめる』と、今までどこかで手を抜いてやっていた部分に心当たりがあるとかないとか（笑）」

――ちなみに、有岡大貴さんはVTRを見て何か反応はありましたか。

「姉妹の下の子がおもてなしのパーティーの司会役を名乗り出るシーンがあり、それを見守る有岡さんの表情がまるでお父さんのような優しい表情になっていました」

――この番組の魅力を教えてください。

「エンタメというのは無形なので、演じている本人たちはファンにどのように伝わっているのか実感する機会が少ないと思いますが、自分を照らし合わせてみて、こういうふうに見られているんじゃないか、こういう影響を与えられているんじゃないかと、芸能人が気付かされることが多い番組になっているのではないでしょうか。芸能人たちのそんなリアクションを見ると“推し活”の素晴らしさを再認識できると思います」

――本番組を作るに当たって、大切にしていることはありますか。

「ファンならではのアイデアを引き出すのはもちろん、ファンの中では当たり前だと思っていることが、ファン以外の人たちから見ると意外だったというケースがたくさんあります。そういう話題がスラスラと出てくれば問題ないのですが、出てこない時には、われわれが会話の中から引き出して一緒に展開していきます。そこはとても作りがいのある部分です」

――別の角度からブースターになってサポートするということですよね。

「そうですね。あとはファンの思いを邪魔しないようにしています。テレビ的にはこうした方が絶対にいいのにと思うこともありますが、この番組ではそれは不要ですよね。ファンの思いをより伝えるためにわれわれが少しアドバイスすることはあるけれど、おもてなし案のベースは完全にお任せなので、そこを大切にしていきたいです」

――今後、どんな番組にしていきたい、どんな番組になったらいいなと思いますか。

「“推し”というテーマで間口を広げていきたい思いがあります。この番組を見たことがきっかけで“推しゲスト”のファンになったという声も多く、推している人たちにフォーカスを当てることで、いろいろな物事が見えてくることが分かりました。番組を作っていく中で、違う形で推しの方々と何か新しいことをやってみるのも面白いかなと思っています」

――最後に視聴者へメッセージをお願いします。

「心から推している芸能人やアーティストがいる方は、ぜひ番組に応募してみてください！　日本国内どこへでも、むしろ世界へもロケに行かせていただきます。ぜひ、ご応募をお待ちしております！」

――ありがとうございました。いろいろな方々から応募があるといいですね！