「11年目以上全員救います」「やっと決勝にいけた」「僕には『R-1』しかない」。ピン芸人が闘志を燃やす「R-1グランプリ2023」決勝進出者発表【会見リポート】2023/02/13

　“ピン芸日本一”を決める「R-1グランプリ2023」の決勝進出者が決定。21回目となる本大会には、昨年を上回る3537人がエントリー。決勝戦の模様は、3月4日の午後7：00より、カンテレ・フジテレビ系全国ネットで生放送される。ここでは2月11日、東京・有楽町朝日ホールにて開催された決勝進出者発表会見の模様をリポート。MCはアインシュタイン（稲田直樹、河井ゆずる）が担当した。

　激戦を勝ち抜いたのは、サツマカワRPG、カベポスター・永見大吾、寺田寛明、コットン・きょん、ラパルフェ・都留拓也、田津原理音、Yes!アキトの7人（発表順）。ここに決勝戦前日に開催される「復活ステージ」を勝ち抜いた1人が加わり、計8人で1stステージを戦う。

　昨年「キングオブコント2022」で初めて決勝に進出し、準優勝に輝いたコットン。初の決勝進出となるきょんは、「『R-1』は1年目からずっと挑戦していました。優勝して、“『R-1』には夢がある”ことを証明します！」と威勢よく口火を切る。また、ラストイヤーのきょんを応援するため、相方の西村真二も会場に駆けつけていた。

　同じく決勝初進出の都留は「昨年末の『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』でも優勝して、完全に勢いがある状態。出せるものを全部出したいと思います。ただ『トイ・ストーリー5』の制作も決まったみたいなので、最悪、大丈夫だと思います。頑張ります！」と目を輝かせた。

　そして昨年、「M-1グランプリ2022」で初の決勝進出を果たしたカベポスター。永見が「『R-1』の準決勝は今回で3回目。ずっと悔しい思いをしていたので、やっと決勝にいけてうれしいです。『R-1』では、『M-1』で成し得なかった審査員からのオール84点を取りたいと思います」と意気込むと、MCのアインシュタインは困り顔。河井が「その件に関してはちょっと…」と言葉を詰まらせていると、「どんどん触れていきましょうよ!!」と食ってかかっていた。

　同じく初の決勝進出となる田津原は、「今回が4回目の準決勝。ずっと悔しかったです。所属している大阪のよしもと漫才劇場では、みんながネタのアドバイスをくれて。今日準決勝でやったネタは、10カ月くらい、そのネタしかやってないんです」と1本のネタを磨きに磨いたことを明かし、「ピンネタやけど、1人で作ったネタじゃない。代表として頑張りたいです」と劇場で日々、切磋琢磨（せっさたくま）する仲間の顔も思い浮かべ、闘志を燃やした。

　続いて、昨年に続き2年連続で決勝進出を果たしたサツマカワは、「カメラが回っているところで言っておきたいことがあるんですけども。ラストイヤー制度を撤廃していただきたい!!」と直談判。「11年目以上の路頭に迷っているピン芸人が大勢いる。先輩たちから『R-1を盛り上げて、制度ごと変えてくれ』と言われているんです。TEAM近藤さんのことも考えてくださいよ！　『どうやって売れればいいんだ…』って毎晩電話来るんですよ!!」と実情を明かし、最後に「11年目以上、全員救います。俺が優勝します！」と力強く宣言した。

　また、3年連続ファイナリストの寺田は、「平場のトーク力が本当になくて…。だから、ネタだけを本当に頑張ります」と発言。アインシュタインの2人が「いやいや、でも本当にすごいことやからね！　3年連続でストレートで決勝なんて。今日の準決勝もAブロックの2番手やろ？　その状況を跳ねのけて決勝はすごいよ！」と温かい言葉をかけると、「僕には『R-1』しかないと思っているので、優勝だけさせてください！」と気概を見せた。

　そして、2年連続ファイナリストのアキト。昨年は敗者復活戦から勝ち上がり決勝に進出したが、「結果発表から敗者復活戦までの期間、もう気が気じゃないというか。サツマカワ、どんぐりたけしと3人で『怪奇!YesどんぐりRPG』というユニットとしても活動しているんですけど、昨年ストレートで決勝にいったサツマカワが、3人のYouTubeで『俺のポスターが渋谷にあるから見に行こう』という企画を立案しまして。その時は『殺そう』と思いました」と振り返る。そう漏らしつつ、最後には「ライバル関係というか。やっぱり2人がいたからモチベーションも上がって頑張れた」と感謝を口にしていた。

　番号が書かれたボールのくじ引きにより、ネタ披露順は1番・アキト、2番・寺田、3番・都留、4番・サツマカワ、5番・永見、6番・敗者復活枠、7番・田津原、8番・きょんに決定。トップバッターを引き当て「最悪ですよ～!!」と嘆くアキトに、「今日、寺田くんは2番手にもかかわらず決勝まで進みましたから。あんまり順番は関係ないような気もしますので」と優しく声をかける河井。しかし永見が「テレビの賞レースのトップバッターは、“終わり”です」と切り込み、河井が「永見くん、経験からものを言うのはやめてください」と制していた。

　さらに、5番手となる永見は「『M-1』では2番手だったので…。あれ？　確か『M-1』はカベポスター浜田（順平）がハナ差で1番手だったんで、（僕は）2番手です。ちょっとだけ浜田が先行ったんですよ」と再び順番に敏感な様子を伺わせるも、「5番って結構いいと思うんですけど、ここで盛り下げてしまう心配もある出順かなと。自分らしく頑張ります」と決意を誓った。

　残り1枠を懸けた「復活ステージ」は3月3日、東京・時事通信ホールにて開催。TVerスペシャルライブで生配信され、視聴者からのインターネット投票で復活ステージの勝者が決定する。また、決勝戦のMCは3年連続で霜降り明星（粗品、せいや）と広瀬アリスが務める。審査員は後日発表予定。