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【「白い巨塔」連載】山崎育三郎「僕にとってはミュージカルよりもドラマの方がライブなんです」《第4夜》2019/05/25

 テレビ朝日の開局60周年を記念して、山崎豊子原作の大作「白い巨塔」が、5夜連続ドラマで放送中! これまで何度も実写化を果たしてきた不朽の名作が、装いも新たに豪華キャスト陣で現代版としてよみがえります。そこで、インターネットTVガイドでも超豪華5回連続インタビュー企画を実施! 第4夜の本日は、財前五郎(岡田准一)の進退を懸けた裁判で弁護士を務める国平幸一郎役を演じた山崎育三郎さんへお話を伺ってまいりました。今回の役どころについてはもちろん、幅広いフィールドで活躍する山崎さんならではのお話、今後かなえたい夢など、ディープな内容でお届けいたします!

── 今回「白い巨塔」への出演が決まった際の率直な感想をお聞かせください。

「日本を代表する名作ですし、本当に数々の素晴らしい役者の皆さんが作られた作品です。これだけの大先輩方に囲まれて、その中に自分がいられることがとても光栄に感じました。また、幸せだなと思う半面、プレッシャーも感じて。とても緊張感のある現場でしたね」

── 大作ですし、役どころ的にもやはり緊張感のある現場だったんですね。

「撮影以外の時間というところでは、日常のなんでもない会話をしたり、かなりリラックスして皆さんと楽しい時間を過ごしましたよ」

── 山崎さんが演じられた国平は、ご自身と似ていますか?

「僕はそんなにお金に貪欲じゃないですし、似ていないですね(笑)。国平よりもっとマイペースですし、自分自身ゆったりとしたペースで生活しているので、カチカチしたのは意外と苦手だったりするんです」

── 国平はどこか財前のような雰囲気を持つ弁護士のように感じました。演じていていかがでしたか?

「すごく価値観が似ているというか。意識が高くて、『自分が上に上がる』ということや、地位、お金、名誉に対する思いや欲は、財前さんに近いものを感じます。ただ、そこは“悪”という簡単なことではなくて。財前さんも同じだと思いますが、自分が正義だと思うところに純粋に向き合っているからこそであり、『ただの悪者になりたくはないな』と思って演じていました。お互いに人間くささが見えてくるところも、彼らの中ではそういう確固たる信念で動いているからこそで、原動力は同じなのではないかと思います」

── 弁護士役というのはかなりセリフも難しいでしょうし、プレッシャーのある役かと思いますが、苦労はしましたか?

「僕は財前さんが追い込まれるような場面での登場が多くて、一つ一つのシーンももちろん重厚的でしたが、特に裁判シーンというのはハードでした。医療の単語であったりだとか、日常的に自分が使わない難しい言葉がたくさん出てくるんですよ。しかも長ゼリフだったりもしますし、それを自分のものにすることは時間がかかりましたね。静まり返った中で、相手を追い詰めていくにはテンポも必要ですし、説得力のあるものを作っていくという部分では、国平自身もプライドが高く、完璧主義者ですので失敗は許されません。自分自身も気が緩められず、撮影は結構シビれましたね」

── 舞台とドラマでフィールドが違いますが、どちらの方が演じていてプレッシャーを感じるものなのでしょう?

「舞台はやっぱり2000人ものお客さまの前で3時間ぶっ通しということで緊張感はもちろんあるんですけれども、稽古期間がやっぱりあるので。約1カ月半ぐらい準備をするんです。シーンごとに何百回ってやって、ようやく次のシーンという形で進んでいきます。そうして出来上がった状態で、チームみんなでコミュニケーションを取りながら本番を迎えるので、ドラマの現場の方が“ライブ”だなと思っているんです。20ページ以上もの覚えたてホヤホヤのセリフを、現場に行ってほぼ初対面のキャストの方もいる中、『よーい』と始まって。相手がどういう方でそういう表現をする方か分からないままキャッチボールをするということは、やっぱり緊張しますよね」

── なるほど。加えて裁判という重厚感のあるシーンとなると、また大変ですね。

「裁判のシーンはオーディエンスが傍聴をしているので、撮影時に人が多かったんですよ。そこでセリフを言いながらも、聴衆に向かって『そう思うでしょ?』という風に問いかけていくことができたので、どちらかというと意識の仕方は舞台に近いというか。普段のような環境に持って行くことができたので、気持ちが入りやすかったですね。観客がいて、自分たちの会話の内容をちゃんと伝えながらストーリーを進めていく、ということを日頃やってきているので、裁判シーンは緊張感もありつつ、楽しさもありました」

── 財前や国平が挑んだような「絶対に負けられない戦い」に、山崎さんならどう立ち向かっていきますか?

「自分は正々堂々とやりたいですね。小学生の時に6年間、野球をやっていて。キャプテンとして全国大会ベスト8まで行くほどには真面目にスポーツに取り組んでいたので、負けず嫌いなんですよ(笑)。なのでそこは正々堂々と行くことで、自分が勝った時の喜びにつながるというか、ズルとかうそがあるというのは気持ち悪いですよね」

── ではそんな山崎さんが今後絶対に負けたくない、成し遂げていきたいことはありますか?

「日本のオリジナルミュージカルを世界に持っていくことです。これは夢の一つですね。日本で上演されている作品も、『レ・ミゼラブル』や『ライオンキング』、『CATS』など、ブロードウェーやイギリスの作品が多くて。“日本発のミュージカル”をニューヨークや世界で上演する、そんな日本の文化を表現できるような舞台を作りたいですね」

── その夢をかなえるべく、財前や国平のように、山崎さんが大事にしている信念を教えてください。

「僕には『お客さまがいてこそ成立する仕事だ』という意識がものすごくあって。舞台出身ということもありますが、12歳からこのお仕事を始めて、お客さまがいて自分は初めて舞台に立てるということは先輩からも強く言われ続けましたし、お客さまと直接交流することも大事にしていました。テレビに出て急に皆さまから認知していただいたわけではなく、ワンステージ、ワンステージやっていく中で少しずつ応援してくださる方々が増えてきた、という背景が僕にはあります。そこは絶対にぶれずに、舞台でもドラマでもアニメでも、楽しみにしてくれている視聴者の皆さまのために、という信念は強く持っていますね。自分一人でやっているとは思わず、そこは絶対に忘れずに演じています」

── 幅広いフィールドで活躍する山崎さんだからこそ感じる、ドラマや舞台、アニメなど、それぞれに共通する要素はありますか?

「うそがないことですかね。やっぱりどの表現でも自分の心が感じられているか、動いているか。そうして初めて歌や、セリフや、ダンスが出てくるんだと思うんです。心がちゃんとついて行っているかがとても大事で、そこが動いていないのに表現をするというのはストレスだし、お客さまにも伝わらない。そこは全部に共通しているんじゃないでしょうか。一番難しいんですけどね。ドラマのように、すごい人数に囲まれて、カメラもたくさんあってという状況で、一発でスイッチを入れるというのは精神的な修行みたいなところもありますし、いかにいつも自然体な自分でいられるか、というところが勝負になってくる仕事だと思っています。自分らしく、リズムを大事にして、等身大の自分でいたいですね。そこはどのお仕事にも共通しているのではないでしょうか」

── 役作りでうそがないように自然体でいるためのコツはなんでしょう?

「目的です。生きていく上で理由がない人なんかいなくて。そこの理由付けはわれわれもそうですし、役やキャラクターであろうと同じで、常に何か目指すものがあってそこをどれだけ示せるか。目的もゴールも何もない人のセリフでは、その人の中身は見えてこないですよね。財前さんだったらトップになるという目標があるから、岡田さんが演じられたような表現になってくるんだと思うんです。そこを明確にするということは、役を作っていく上でとても大事かなと思っています」

── では、最後に視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。

「令和のスタートにぴったりで、時代を代表するドラマになると思います。これだけの豪華キャストがそろったということで、見逃せません。僕にとっても大きな役との出会いで、自分自身もかなり挑んで追い込まれた役なので、ぜひ見ていただけたらなと思います」

── 山崎さん、ありがとうございました!

【プロフィール】

山崎育三郎(やまざき いくさぶろう)

1986年1月18日生まれ、東京都出身。2007年、舞台「レ・ミゼラブル」のマリウス役に抜てき。その後、「モーツァルト!」(14・15年)、「エリザベート」(15年)、「プリシラ」(16年)など数多くの作品に出演。また、ドラマ「下町ロケット」(15年/TBS系)や、「あなたのことはそれほど」(17年/TBS系)、「昭和元禄落語心中」(18年/NHK総合)など、舞台のほか、映像、ライブなど幅広いフィールドで活躍しており、19年7月3日にはニューカバーアルバム「MIRROR BALL’19」が発売予定。

【作品情報】

「テレビ朝日開局60周年記念 5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔」
テレビ朝日系 
5月25・26日 午後9:00~11:10

テレビ朝日担当 I・S 
撮影/尾崎篤志

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