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竹縄航太☆「ラブフェチ」がSNSで話題となったHOWL BE QUIETが新EPをリリース!2021/07/14

 昨年、「ラブフェチ」がTikTokで2190万再生を記録するなど、SNSを中心に話題を集めた4人組ロックバンド・HOWL BE QUIET。一躍、時代を担うバンドの一つとなった彼らが新たに「歴代の仲間入りEP」を7月12日にデジタルリリースした。この機会に、バンドで作詞作曲を手掛けボーカルを務める竹縄航太に、新作の話題をはじめ音楽に対する思い、そしてバンドの描く未来像について聞いた。

――最新曲の「染み」は、新しい挑戦があった曲だそうですね。

「このバンドでは、基本的にはすべて自分で作詞作曲しているんですけど、この曲は渡辺拓也さんとコライトしたので、渡辺さんと会話をしながら作っていったんです。渡辺さんが“こんなビートはどう?”“こんなコード進行は?”という感じで、アイデアを出してくれて、“だったら、このコードはこっちで使いましょう!”っていうようなやりとりを重ねて、化学反応的に完成させていきました」

――「染み」は、TVアニメ「迷宮ブラックカンパニー」の主題歌ですが、先方から何かリクエストはあったのでしょうか

「“アニメのオープニングっぽく”って言われたくらいで特には。だったらバラードではない方がふさわしいかなって考えたくらいのもので、自由にやらせてもらいました」

――とはいえ、2回ほどボツになったとか。

「そうなんですよ。僕は昔からアニメが大好きなので、“アニメのオープニング曲はこうあるべきだ”みたいな思いが強くなってしまって…“こんな曲がオープニングだったら逆に格好いいんじゃないか”みたいなところに入り込んでしまった。そもそも“正”がないのに“逆”を作っちゃったんです(笑)。それで“どや!”って提出したら、先方に聴かせる前に、メンバーとスタッフに満場一致で“違う”と言われました。それでもう一曲作ったら“悪くはないけど…”って(笑)。その時に、『DECEMBER』という初めて作ったアルバムで一緒に作業した渡辺拓也さんと、今あらためて一緒にやったら面白いものができるんじゃないかと。自分の中にあった漠然としたイメージを渡辺さんが具現化してくれて、彼がいたからこそできた曲だと思いますね」

――曲作りという面でいうと、Sexy Zoneに「名脇役」を提供されましたよね。自分たち以外の人へ向けて楽曲を作るというのは勝手が違うものですか?

「全然違います。自分たちの曲の場合は、僕が歌ってメンバーが演奏する…HOWL BE QUIETとしてどんな音楽を表現するのかってことになりますけど、Sexy Zoneに曲を書かせていただいた時は、僕個人が彼らにどんな曲を歌ってほしいのかっていうことを考えました。実は僕、姉の影響もあって小さい頃からジャニーズが好きだったんです。だから“こんな曲をSexy Zoneが歌ってくれたらたまんねぇな!”とか“こんな歌詞を歌ってほしい!”っていう、ある意味ファン目線だったので伸び伸びと書けましたね」

――Sexy Zone実際に自分の曲を歌っているというのはいかがでしたか?

「ライブを見に行かせていただいたんですけど、当時は6畳半のワンルームに住んでいて、そこで“こんなのはどうかな”って、せせこまと(楽曲を)作っていたわけですよ。そんな僕1人だけが聴いていた音楽を、時を経てSexy Zoneの皆さんが舞台で歌ってくれて、それを1万人が聴いている…その光景に素直に感動しましたね」

――自分の曲が多くの人に伝わる瞬間を目撃したわけですね。多くの人に伝わるといえば、昨年は「ラブフェチ」がTikTokで話題になりましたね。

「まずは“救われたな”って思いましたね。正直、バンドとしては過渡期だったんです。僕ら、年齢も30歳手前になり、バンドを続けるか否か、これからの人生どうすべきかを考えるタイミングだったんです。そんな時に『ラブフェチ』が “待てよ、お前ら”って言ってくれたような気がします」

――今回のEPでは「ラブフェチ」を録り直していますが、最初はあまり乗り気ではなかったそうですね。

「ははは(笑)。そうなんですよ。2017年に発表して、あれはあれで完結したものだし、蛇足になるようなことはしたくなくて。でも、『ラブフェチ』で知ってもらった人に、あの曲をやっているバンドですっていう名刺代わりになるし、それによって新しい曲も聴いてもらえるんじゃないかって言われて。HOWL BE QUIETを知っている人って、やっぱりまだそれほど多くはなくて…。その一方で『ラブフェチ』だったり“歴代の元カレたち”というワードだったりは、“ああ、あれか!”って分かってもらえるんです。その事実はもどかしくもあるんですけど、『ラブフェチ』だけは知ってくれている人が多いのだったら、その人たちにもしっかり届ける努力をしないといけないと思って」

――最後の歌詞が変わりましたよね。これはなぜ?

「リリースしてから4年たっているので、この主人公も別れたよなぁって、自分の中で思えたんですよ。この曲を作った時はいろいろなことに夢中で、愛されたくて必死だったんです。そんな思いを込めたアルバムが『Mr. HOLIC』で、その1曲目が『ラブフェチ』なんです。その時の考え方は今の自分にもあるものですけど、自分の恋愛を振り返ると、その考え方ですべてがうまくいったわけでもなくて。今回録り直すのであれば、そういうことも踏まえて歌いたいなと思ったんです。陳腐な言い方をすれば“愛ってマジでムズいな”ってことなんですけど(笑)、その思いも今回の『ラブフェチ』には込めたかったんです」

――「コーヒーの歌」は“弾き語り配信”の際にリスナーと作った曲だそうですね。

「コロナでツアーが飛んでしまったりして、ファンの方とつながれる場所を作りたいと思って、“弾き語り配信”を始めたんです。世界中でロックダウンがあったり、日本でも緊急事態宣言が出たりで、もう世界がどうなるのか分からなかったじゃないですか。“こんな世の中だけど、でもあの時、あれがあったよね”って言えるような思い出を残してあげたいなと思って。思い出って、あの時あれがあったから今頑張れる、というような生きる支えになったりもするじゃないですか。それで、みんなで一つの曲を作ることで、“あんな状況だったけど、この曲を作ったよね”って後から話せればいいなと思ったんです」

――具体的にはどうやって作っていったんですか?

「リスナーの方に“どういう曲調がいい?”とか“どんな歌詞がいい?”って、配信中にリアルタイムで会話をしながら作っていったんです。普段は1人で作っていて、もちろんその喜びもあるんですよ。自分で表現したいことを100%形にするってやっぱり楽しいんです。でも、誰かと話しながら“こんなの、良くない?”って作っていくのもすごく楽しいなって思いました」

――「ベストフレンド」は、自分たちの名刺代わりの曲と表現していますが、曲が完成した時の手応えのようなものは、これまでと違ったのでしょうか?

「どの曲も、最終的な愛し方のレベルは一緒なんですけど、作った時に悩む曲と悩まない曲があるんですよ。悩むというのは良い意味での試行錯誤ですけどね。悩まない曲は“あ、俺、このメロディー好きだな”っていう感じで、作り始めたら勝手にできちゃう。『ベストフレンド』はまさにそういう曲なんです。完成した時に、これは絶対に良い曲だと思いましたし、メンバーやスタッフも“これだ!”っていうような反応だったので、この曲では良い意味での満場一致で、自分たちで立ち上げたレーベル『APARTMENT』の1作目に決まりました」

――コロナ禍でバンド活動がこれまでのようにはいかない中で、レーベルを立ち上げたり、SNSを活用して音楽を届ける方法を模索したりと、新たなやり方を考えているように感じるのですが、今後、バンドでやりたいことは?

「この1年で自分の考え方も変わりました。例えば、“SNSで弾き語りを披露するのは、歌の安売りだ”と言う人も正直、いると思うんです。でも、そうやって指さされることを気にするよりも、自分の音楽を多くの人に知ってもらいたいという気持ちの方が圧倒的に強くなりました。どんな方法でも発信し続けることで僕らを知ってくれる人はいると思うし、これからはバンドとして格好つけないで歌を届ける努力をしていきたいんです。僕ら、何がしたかったのかと言えば、音楽なんですよ。音楽を発信して、それを多くの人に届けたくてやっている。その気持ちを大事にしていきたいです。音楽は生活必需品のような、絶対に必要不可欠なものではないんだということにも、この1年であらためて気付きました。ご飯は食べなきゃいけないし、住むところだって必要。でも、音楽はそういうものではないですよね。だったら、こちらがよりちゃんと伝えないと、届くものも届かない。ダサくても格好悪くても、音楽をやり続けて、発信するということを続けていきたいです」

【プロフィール】

HOWL BE QUIET(はうるびーくわいえっと)

作詞作曲を手掛ける竹縄航太を中心とした4人組。2010年に結成、18年に現体制に。今年3月には自主レーベル・APARTMENTを設立。

竹縄航太(たけなわ こうた)

1991年12月26日、神奈川生まれ。山羊座。B型。

【作品情報】

「歴代の仲間入りEP」
配信中
APARTMENT

TVアニメ「迷宮ブラックカンパニー」主題歌「染み」を含むEP。昨年話題を集めた「ラブフェチ」は“歴代の仲間入りver”として再録。ほか、報われない片思いを歌った「ベストフレンド」、ファンとの交流から生まれた「コーヒーの歌」と、個性豊かな4曲を収める。

【プレゼント】

サイン入り生写真を1名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2021年7月14日正午~7月21日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」」7月23日号(P98)をご覧ください。
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取材・文/竹内伸一 撮影/山本絢子

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