「西田二郎のたし算」第26回 浜田雅功にも伝わる“覚悟”。直感や熟考より大切な「思考の総量」2026/10/02 17:00

数々のヒット番組を世に送り出してきた“伝説のテレビマン”西田二郎。現在はテレビ局の枠を越え、地方発のコンテンツ作りやYouTubeのデータ分析など、多岐にわたるエンタメの最前線で「新たなたくらみ」を仕掛け続けている。そんな西田が、業界の裏側や自身のキャリア、そしてこれからのメディアの面白さを熱く語る不定期連載「西田二郎のたし算」! 今回は、番組作りにおいて最も重要だという「思考の総量」について語る。
どうも、西田二郎です。
この間、トークイベントをやった時にね、ふと話したことがあるんです。それは「思考の総量」っていうものについてです。
「たくさん考える」というか、「考えた量の絶対値」みたいなものですかね。そういえば僕、昔からずっと、そういうことを意識して仕事をしてきたなと改めて思ったんです。
人って、物事に向き合う時、いろんな戦略を立てたりしますよね。もちろん、直感でパッと動くことも大切やし、天から降ってくるようなひらめきもすごい重要です。でも、僕が一番大事やと思っているのは、「熟考する」というよりも「とにかく考え尽くす」ということなんです。この「思考の総量」こそが、何かを生み出す時の強さになると思っています。
例えば「ダウンタウンDX」をやっていた時。浜田(雅功)さんが現場の指揮官みたいになって番組を引っ張ってくれていたんですけど、僕が新しい企画を持っていった時、もちろん「ええな」ってすぐ乗ってくれる時もあれば、「ん? どうなんやろな」って首をかしげられる時もあるわけです。
そんな時、僕は「じゃあ、分かりました。もう1回考えてきます」って言って、一旦持ち帰るんです。
そこからが、思考の総量との戦いです。
「ああちゃうか」「こうちゃうか」って、ほんまにリアルに考え尽くす。1週間、ずっとそのことばっかり考えて、考え抜いた上で、「やっぱりこの部分は変えた方がええな」と思えば少し企画を修正するし、「いや、やっぱりこの見せ方は怖い(スベるかもしれない)けど、このまま勝負したい」と思えば、その覚悟を持って再び浜田さんと向き合うんです。
「この企画に関しては、俺はこれだけしっかり向き合って、考え尽くしてきましたよ」っていうこと。
それって、言葉で説明しなくても、絶対に伝わるんですよね。一流の生き物であればあるほど、こっちがどれだけの熱量と「思考の総量」を注ぎ込んできたかという覚悟は、肌で感じ取ってくれるんです。
だから、なんとなく適当にこなすんじゃなくて、毎秒毎秒を一生懸命向き合うのがすごい重要なんです。
すぐに答えが出なくてもいい。分からなくて「なんかないかな、なんかないかな」ってもがいている時間。実は、その時間自体が「思考の総量」の厚みになっていくんちゃうかなって、僕は思ってます。
そう考えてみたら、俺ってほんまにずっと考えるのが好きで、四六時中考えまくってる人間なんですよ。今でも新しいたくらみをやる時なんかは、無意識のうちにこの「思考の総量」っていうものを意識しているんやと思います。
皆さんも、答えが出ない時は「今は思考の総量を増やしてる時間や」って思ってみてください。きっと、何かが生まれる力になるはずです。
【プロフィール】
西田二郎(にしだ じろう)
1965年生まれ。1989年に読売テレビ入社。「11PM」のディレクターを経て、「ダウンタウンDX」のプロデューサーに。2015年に営業局へ異動し、新規事業などを担当。現在は静岡放送(SBS)のCCIO(チーフコンテンツイノベーションオフィサー)、一般社団法人未来のテレビを考える会の代表理事を務めるほか、2026年6月、株式会社エビリーの最高クリエイティブ責任者(CCO)に就任。
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