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「VIVANT」続編で話題!“日曜劇場”枠ドラマの人気を過去作&視聴ランキングでディープに考察2026/06/29 10:00

7月26日スタート「VIVANT」第2シーズン主演の堺雅人【BRAND NEW TV WORLD!!】

 今回は、TBS日曜午後9時の人気ドラマ枠「日曜劇場」にスポットを当てる。この夏「VIVANT」の続編が放送を開始、それも異例の2クール放送ということで話題を呼んでいるTBS「日曜劇場」枠。これまでさまざまな社会現象を巻き起こしてきた日本のテレビドラマを代表する時間枠だ。 今回はそんな日本を代表する国民的ドラマ枠である「日曜劇場」を、現在関東190万台を超えるレグザ視聴データを基に分析していこうと思う。

 「日曜劇場」と言えば放送開始以来70年近く続く日本最古のドラマ枠。当初は単発ドラマ枠で、現在のような連続ドラマ枠に移行したのは1993年4月以降のことだが、それからでも30年以上の歴史を持っている。とてもすべてはカバーしきれないので、今回はいわば分析序説ということで、詳細なデータが揃う近年の作品に絞って比較分析を行っていきたい。

 ということで今回は、2023年7月放送の「VIVANT」以降、26年春クールの「GIFT」までの12作品を取り上げる。12作品の一覧は以下のとおりである。

TBS「日曜劇場」作品一覧(2023年夏~2026年冬)【BRAND NEW TV WORLD!!】

 「半沢直樹」(13年、20年)や「下町ロケット」(15年、18年)の印象が強いせいで、「日曜劇場」と言えば“企業ドラマ”というイメージを持っている人が多いかもしれないが、ここ数年はいわゆる企業を舞台にしたドラマはほとんどない。それに代わって主流となっているのは、絆の力で困難を乗り越えていくチームの物語や考察を促すミステリー&サスペンス仕立てのドラマ、時代を超えた壮大な家族の物語などが印象的だ。

 一覧を見て、まずは主演俳優の豪華さに目を見張る。そしてなにより特筆すべきは主演に女性がひとりもいないということである。これは、ほかの民放プライムタイムドラマ枠ではちょっと考えられない。ちなみに過去10年をさかのぼってみても、女性が主演の日曜劇場ドラマは「この世界の片隅に」(松本穂香)、「グッドワイフ」(常盤貴子)、「天国と地獄~サイコな2人~」(綾瀬はるか)と40作品のうち3作のみ。その割合は10%に満たない。

 参考までに同じ日曜夜のNHK「大河ドラマ」を見てみると、過去10年で女性が主人公の作品は17年の「おんな城主 直虎」と24年の「光る君へ」の2本。来年以降はまた男性主人公が続くので、割合としては「日曜劇場」と「大河ドラマ」の男性主演度は同程度に高いといえるだろう。

「御上先生」主演の松坂桃李【BRAND NEW TV WORLD!!】

 大河ドラマとの比較をもう一つ。主演俳優の放送開始時の年齢を見ると、日曜劇場12作品の平均は45.25歳。30代での主演は「海に眠るダイアモンド」の神木隆之介と「御上先生」の松坂桃李の2人だけだ。

 一方の大河ドラマは、21年「青天を衝け」の吉沢亮以降、小栗旬、松本潤、吉高由里子、横浜流星、仲野太賀、そして27年の松坂桃李、28年の山﨑賢人まで、すべて放送開始時の年齢は20~30代である。日曜劇場の与えるある種の重厚感は、こうした側面からも推し量ることができる。

 続いて、上記12作品の視聴データを検証する。まずはドラマごとではなく、放送回をフラットに並べた「放送回ランキング ベスト20」を見ていただこう(リアルタイム視聴+見逃し・録画視聴の合算による。ポイントは、1位を100とした割合である)。

TBS「日曜劇場」作品/放送回ランキング ベスト20【BRAND NEW TV WORLD!!】

 1~9位までを「VIVANT」の2話~最終話までが占めるという圧倒的な強さを見せつけた。「VIVANT」以外の最高位は「リブート」最終話の10位だが、ポイントはトップの「VIVANT」最終話の63.8%に過ぎず、「VIVANT」がいかに飛び抜けているかが分かる。11~13位にはそれぞれ「キャスター」「リブート」「VIVANT」の初回がランクイン。14~19位には「リブート」の各回が並び、20位には「アンチヒーロー」の最終話が入った。

 続いて、ドラマごとに放送回の平均を集計した「平均視聴ランキング」。リアルタイム視聴と見逃し(録画)視聴の合算ポイントで全話平均を集計し、高い順に並べたランキングである(「GIFT」については、執筆時点で最終回までのデータがそろっていないため、残りの11作品によるランキングとなる)。

TBS「日曜劇場」11作品/平均視聴ランキング【BRAND NEW TV WORLD!!】

 「VIVANT」が圧倒的大差で首位。2位「リブート」も3位以下に有意な差をつけているが、3位「御上先生」以下は比較的僅差で推移している。上位につけた「VIVANT」「リブート」の2作品に共通するのは、謎に満ちた設定と予想外の展開で視聴者をリードし続けるスピーディーなミステリーであるということだ。

 考察と伏線回収の妙も含め、こうしたサプライズの串刺しのような構成が、かつての“池井戸潤的カタルシス”に代わり、日曜劇場の現在の勝ちパターンになっているといえる。また、SNSでの考察合戦が加熱することでバズらせ、作品としての期待度を上げて視聴につなげるという、近年における制作側の盛り上げ方が定着化してきているのも特徴的だ。

「リブート」主演の鈴木亮平【BRAND NEW TV WORLD!!】

 また、上位2作品は(それぞれ理由は異なるが)ともに主人公が二面性を持っており、堺雅人と鈴木亮平の演技の巧みさを見る楽しみもあった。この主人公の二面性(あるいは二役)というのも“日曜劇場あるある”である。さすが、大河ドラマでも主演や重要な役どころを任される、超一流の俳優というべき存在感だ。

 3位の「御上先生」や4位「アンチヒーロー」、5位「キャスター」に共通するのは、主人公の孤高のキャラクター。ある種の近寄りがたさを漂わせる謎の存在である主人公が、社会の矛盾をクールに解決していくというのも近年の日曜劇場スタイルの一つといえそうだ。

 次に「継続視聴率ランキング」を見てみよう。最終回のポイントを初回ポイントで割った数値によるランキングで、継続視聴率が高い(初回に比べて最終回の数値が高い=100%を超える)ということは、作品内容に対する満足度が高い傾向があるのでは、という仮説に基づいた検証である。

TBS「日曜劇場」11作品/継続視聴率ランキング【BRAND NEW TV WORLD!!】

 こちらもトップは「VIVANT」。それも160%超えという驚異のパーセンテージで2位以下に圧倒的な差をつけている。2位は「アンチヒーロー」、3位は「リブート」で、100%を超えたのはこの3作品のみであった。ただし、この少なさには日曜劇場枠ならではの要因がある。

TBS「日曜劇場」11作品/視聴推移グラフ【BRAND NEW TV WORLD!!】

 上記は11作品の放送回ごとのポイントをグラフにしたものである。「VIVANT」の異次元の強さが一目瞭然だ。4話から5話にかけて横ばいに推移している以外は右肩上がりにポイントを伸ばしており、特に最終回の伸びがすさまじい。これはもう本当に例外的と言っていい特別なイベントドラマだったといえる。ちなみに「リブート」の7話が大きく数字を下げた理由は、同日同時刻にWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の「日本×オーストラリア」戦が行われていたことが考えられる。

 「VIVANT」がこれほどの急上昇カーブを描き、最終的に継続視聴率が160%超えを果たしたのには大きな理由がある。初回ポイントが思ったより低かったのである。以下の表は、11作品の初回(第1話)と最終回の視聴ランキングである。

TBS「日曜劇場」11作品/初回(第1話)&最終回 視聴ランキング【BRAND NEW TV WORLD!!】

 キャストの豪華さもあり、放送前から大きな注目を集めるのが常である日曜劇場は、初回から高いポイントでスタートするケースが多い。そのため継続視聴率が100%を超えるのが難しくなる。初回と最終回のランキングがこれだけ入れ替わるというのも珍しい(「キャスター」や「19番目のカルテ」には同情すべき外部要因もあったが)。

「キャスター」出演の阿部寛&永野芽郁&道枝俊佑/週刊TVガイド 2025年5月6日号【BRAND NEW TV WORLD!!】

 「VIVANT」の初回は「キャスター」「リブート」に次ぐ第3位。堺雅人、阿部寛、役所広司らの超豪華キャスト共演が発表され、鳴り物入りの話題作として喧伝されてはいたものの、それぞれの役柄や物語の設定などは放送前には一切明かされず、おそらくそれが原因で初回のポイントが押し下げられたと考えられる。もちろん、制作陣が敢えて詳細を明らかにせず、放送開始から徐々に明かされていく世界観の壮大さや、二転三転していく緊迫した展開、二宮和也のサプライズ出演など、ドラマの内容を如実に表した数字の伸びと言えるだろう。

 また、海外での撮影を長期間にわたって実施し、外国人俳優を重要なキャラクターに据えるという試み、撮影の規模からしても映画並みのスケールの大きなドラマであった。これらを敢えて事前に告知しないことが期待を大幅に上回り、口コミでバズり、大ヒットにつながったと言っても過言ではないだろう。

 とにかく、あらゆる意味で破格のヒットドラマだった「VIVANT」。待望の続編がいよいよ7月26日に始まる。2クール放送ということで、さらなるスケールアップが期待できる。日本のテレビドラマの未来を占う作品ともいえる大作に大いに注目したい。

文/武内朗
提供:TVS REGZA株式会社

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