「恋愛ドラマ2.0」とは何か? TBS火曜ドラマ歴代ベスト10から見える進化2026/11/04 19:30

「逃げるは恥だが役に立つ」「恋はつづくよどこまでも」「西園寺さんは家事をしない」など、数々の話題作を生み出してきたTBS火曜10時ドラマ枠。恋愛ドラマの王道を歩みながらも、その時代ごとの価値観や生き方を取り込み、常に変化を続けてきた枠でもある。YouTube番組「TVガイド目利きゼミ」では、TVアナリスト・武内朗と元TVガイド副編集長・三宅俊郎が、2020年以降の火曜ドラマを対象にした読者アンケート結果をもとに、この枠の魅力と進化について語り合った。
「いろはの恋は時代をかける」も早くもランクイン
三宅 「今回はTBSの火曜ドラマ枠です」
武内 「2020年以降の作品を対象に『TVガイドリサーチ』でアンケートを取ったんですよね」
三宅 「今放送中の『いろはの恋は時代(とき)をかける』も対象になっています」
武内 「始まったばかりなのに10位に入っているのは、期待の高さを感じますね」
三宅 「1話から面白かったです」
武内 「上白石萌音さんが現代と江戸時代の感覚を行き来する感じが絶妙でした」
三宅 「急に江戸っぽい話し方になったりして(笑)」
武内 「向井康二さんとの掛け合いも良かったですし、大森元貴さんがどう絡んでくるのかも楽しみです」
火曜ドラマは“恋愛ドラマ2.0”の最前線節
三宅 「この枠ってやっぱり特徴がありますよね」
武内 「ありますね。この枠は徹底して女性主人公なんです」
三宅 「確かに」
武内 「月9だって必ずしも女性主人公じゃないですからね。でも火曜ドラマはかなり一貫している」
三宅 「女性目線で描く恋愛ドラマ」
武内 「そうです。ただ昔の恋愛ドラマとは少し違うんですよ」
三宅 「どう違うんでしょう?」
武内 「昔の恋愛ドラマは、恋をして結ばれるまでを描くのが中心でした。でも2000年代に入ると恋愛ドラマそのものが少し難しくなっていった。仕事ドラマや医療ドラマ、ミステリーが増えて、恋愛ドラマの数もヒット作も減っていくんですね」
三宅 「なるほど」
武内 「そんな中で大きな転換点になったのが『逃げるは恥だが役に立つ』だったと思います」
三宅 「ありました!」
武内 「恋愛だけじゃなく、結婚とは何か、家族とは何か、多様な生き方とは何かまで描いた。しかもドラマとしても面白かった」
三宅 「恋ダンスも」
武内 「そうです。恋愛ドラマの枠組みは守りながら、現代的な価値観や社会的なテーマも取り込んでいった。そこから火曜ドラマは新しいフェーズに入ったと思うんですよ」
三宅 「なるほど」
武内 「恋愛を描くんだけど、それだけじゃない。仕事や家事、結婚、子育て、生き方まで含めて描いていく」
三宅 「恋愛ドラマ2.0という感じですね」
武内 「僕もそんなイメージです」
アンケート1位は「西園寺さんは家事をしない」
三宅 「今回のランキングで1位に輝いたのは『西園寺さんは家事をしない』でした」
武内 「やっぱり強いですね」
三宅 「納得でした」
武内 「家事というテーマが今の時代にぴったりで」
三宅 「しかもただの家事ドラマじゃなくて、偽家族という定義づけも面白かった」
武内 「ホームドラマとしても非常に完成度が高かったと思います」
三宅 「火曜ドラマらしさが全部入っていました」
「未来のムスコ」も火曜ドラマらしい一本
武内 「3位の『未来のムスコ』も象徴的でしたね」
三宅 「未来から息子がやって来る作品ですね」
武内 「まだ結婚もしていないのに息子がいる(笑)」
三宅 「ラブコメでありながら家族ドラマでもあって」
武内 「まさに火曜ドラマらしい設定でした」
価値観のアップデートが心地よい「じゃあ、あんたが作ってみろよ」
三宅 「僕が1本選ぶなら『じゃあ、あんたが作ってみろよ』です」
武内 「来ましたね」
三宅 「これ、本当に好きでした」
武内 「料理がモチーフでしたね」
三宅 「そう。最初は本当に『そんなこと言うなら自分でやってみろよ』という話なんだけど(笑)、そこからどんどん面白くなっていく」
武内 「価値観のぶつかり合い」
三宅 「そうなんです」
武内 「世代や立場の違いも描いていた」
三宅 「しかも説教臭くない」
武内 「大事ですね」
三宅 「気付いたら登場人物たちを応援していました」
好きになる瞬間を丁寧に描いた「ファイトソング」
武内 「僕は1本挙げるなら『ファイトソング』」
三宅 「岡田惠和さん脚本ですね。どんなところが良かったところですか?」
武内 「清原果耶さん演じる主人公が、『あ、この人のこと好きだ』と気付く瞬間なんです」
三宅 「おお」
武内 「恋愛ドラマって告白シーンは多いけれど、好きになった瞬間を丁寧に描く作品は意外と少ない」
三宅 「へえ、そうなんですか」
武内 「その感情の動きが本当に自然なんです」
三宅 「岡田さんらしいですね」
武内 「恋に落ちる瞬間の日常感みたいなものが素晴らしかった」
火曜ドラマはこれからも進化する
三宅 「ランキングを改めて見ると、本当に個性的ですよね」
武内 「全部同じ恋愛ドラマに見えて、全然違う」
三宅 「毎回ちゃんと新しいテーマに挑戦している」
武内 「だから気になる枠なんですよ」
三宅 「『いろはの恋は時代をかける』もそうなりそうです」
武内 「今後どう展開していくのか楽しみですね」
「恋はつづくよどこまでも」「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」「西園寺さんは家事をしない」、そして現在放送中の「いろはの恋は時代をかける」。TBS火曜ドラマ枠は、恋愛ドラマというジャンルを守りながらも、その時代ならではの悩みや価値観を映し出し続けてきた。その姿はまさに“恋愛ドラマ2.0”。次はどんな新しい恋愛ドラマが生まれるのか。今後も注目していきたい。
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