眞栄田郷敦が孝明天皇に、奥野壮は明治天皇役で大河初出演「逆賊の幕臣」朝廷キャスト発表2026/09/15 12:00

眞栄田郷敦、奥野壮、山中崇、長塚京三が、NHK総合ほかで2027年1月10日スタート予定の大河ドラマ「逆賊の幕臣」(日曜午後8:00ほか)に出演することが発表された。奥野は大河ドラマ初出演となる。
松坂桃李が主演を務める「逆賊の幕臣」は、これまで「維新の英雄たちの物語」として語られることが多かった幕末の歴史を、“逆賊”と呼ばれた幕府の人々の視点から描く作品。主人公は、日本初の遣米使節として海を渡り、新しい国のかたちをデザインした江戸幕府の天才で、幕末に生きた“ラスト・サムライ”にして、誰よりも早くニッポンの近代化を担った“ファースト・モダン”、幕臣・小栗忠順(松坂)。脚本は、連続テレビ小説「おかえりモネ」(NHK総合ほか)などを手がけた安達奈緒子氏が担当する。

眞栄田が演じるのは孝明天皇。激動の幕末前夜に即位し、数え年23歳の年にペリーが来航。折しも御所が火事に見舞われ、避難時に京の町と民衆の姿を初めて目にする。国の安寧を守ろうと慣例を破って幕政に意見し「攘夷」を要求していくが、幕府が通商条約を無断で調印したため激怒。天皇の不満が大義名分となり、過激な尊王攘夷派が勢いを増し始める。それを抑えきれない幕府は、開国を進めながらも朝廷に対しては攘夷のポーズを取り、天皇の威光に頼るように……。やがて倒幕の炎が自らの意図に反して燃え広がり、天皇は苦悩を深めていく人物として描かれる。眞栄田は「どうする家康」(2023年)に出演しており、大河ドラマは2作目となる。
眞栄田は、「孝明天皇は、強い好奇心と『神の国である日の本』への誇りと信念を持ちながらも、御所の中で育ち、外の世界を直接知らない若き帝だと感じています」と人物像を語る。「大きく時代が動いていく中で、異国への恐れや怒りだけではなく、初めて民の姿を見たことで『自分が守るべき国』の実感が変わっていく」と続け、「その繊細な変化と自分の言葉一つが政治を揺らし、人々を動かしてしまう。その重さと危うさも丁寧に演じていきたいです」と役への思いを込めた。

奥野が担うのは、明治天皇。孝明天皇の第二皇子で、ペリー来航の前年に生まれる。物心ついたときには、父帝の威を借りた急進的な攘夷派が京を席巻していた。慶応3(1867)年、父の孝明天皇の急死により、まだ元服前でありながら数え年16歳で天皇となる。ここから倒幕派と幕府の綱引きがピークを迎え、「大政奉還」「王政復古の大号令」を経て新政府が発足する。少年天皇は、やがて戊辰戦争を経て訪れる新時代「明治」のシンボルとなり、無血開城された江戸城(現・皇居)にその居を移す人物として描かれる。
奥野は、「歴史ある大河ドラマに出演させていただけること、それだけでも大変光栄なことですが、今回、明治天皇を演じさせていただくことに、身の引き締まる思いと同時に、大変恐縮しております」と率直な心境を明かす。「時代の大きな転換期に、若くして即位され、幕末から明治維新へと至る激動の時代を歩まれた明治天皇」と述べ、「そのお姿を私なりに解釈し、歴史に寄り添いながら、丁寧に演じられればと思っております」と意欲を示した。

山中が演じるのは、公家・岩倉具視。貧しい下級公家の次男として生まれるが、子どもの頃より弁が立ち、公家らしからぬ言動で異彩を放つ。野心家の岩倉は、外交問題を幕府に任せきりにせず、朝廷も主体的に関わるべきだと考えた。幕府が通商条約に対する孝明天皇の勅許(許可)を得ようとした際、天皇の攘夷の意志を後押しするべく公家88人が起こしたデモをけん引。このとき出した意見書が認められ、孝明天皇に頼られるように。天皇の妹・和宮と将軍・徳川家茂との婚儀を後押ししたのも岩倉であり、孝明天皇のもとでフィクサーとなっていく人物として描かれる。山中は「八重の桜」(2013年)、「おんな城主 直虎」(2017年)、「鎌倉殿の13人」(2022年)に出演しており、大河ドラマは4作目。
山中は、「歴史の裏で暗躍した野心家。岩倉具視という人物を知れば知るほど、この役を担当できることにとてもワクワクしています」と喜びを口にする。「下級の貧しい公家出身でありながら、ゆくゆくは500円札の肖像にまでなった人物」と続け、「きっと時流を読む鋭い嗅覚を持っていたのではないでしょうか。幕末という歴史の大きな変革期に、何を見つめ、どんなあしたを夢見ていたのか。今に響く作品となるよう、しっかりと務めます」と抱負を述べた。

長塚が演じるのは、太閤・鷹司政通。30年以上もの間、准摂政・関白・太閤として朝廷に君臨。10代で即位した孝明天皇を導く。義弟である水戸藩・徳川斉昭から黒船来航の予告情報など非公式の幕政情報を入手できた事情通で、幕府寄りの立場を保つことでうまく朝廷を牛耳ってきた。実は開国容認派であった鷹司は、異国人を忌み嫌う天皇の発言を手のひらで転がすがごとく老獪(ろうかい)に受け流し、天皇にとって目の上のコブとなっていく。やがて天皇は岩倉など下級公家の声も聞くようになり、鷹司の時代は終わりを告げる人物として描かれる。長塚は「花神」(1977年)、「草燃える」(1979年)、「おんな太閤記」(1981年)、「独眼竜政宗」(1987年)、「炎立つ」(1993年)、「篤姫」(2008年)、「花燃ゆ」(2015年)に出演しており、大河ドラマは8作目。
長塚は、「捕らぬ狸の皮算用で済むならまだしも、虎の尾を踏んでは敵わないので、軽々に口にし難い『意気込み』です」と慎重な言葉を選びつつ、「ただ公武の二重構造の中で、オポチュニストを自認して恥じることのないこの作品の政通さんは、只処世術に長けていただけではなさそうだ」と人物像への洞察を示す。
加えて、「既存の体制を最終形態として、何とか保守するという『忠誠心』もあるのではないですか。それが政通さんの中では、『政』から『お上』をお守りすることに通じていた」と分析し、「宮廷言葉に上方言葉、幾分下世話な『ぼやき』のちりばめられた、安達先生の台詞が素晴らしい。もちろん、そのままやらせていただきます」と脚本への信頼をにじませた。
本作を手がける制作統括の勝田夏子氏は、「今回は、日本の西側から江戸の幕府に大きなプレッシャーを与える朝廷周りの皆さんです」と今回の発表を説明する。
物語の背景では、「幕末史の混迷の大きな発端の一つは、幕府が踏み切った開国に孝明天皇が『待った』をかけたことでした」と解説し、「主人公・小栗がアメリカまで行って批准してきた通商条約を、西洋列強は『守れ』と言い、朝廷や攘夷派は『破れ』と言う、この板挟みが幕府を追い詰めていきます」と展開を明かした。
キャストの顔ぶれには、「そんなわけで、当ドラマの朝廷は『はんなり』というより、むしろ『強そう』です」と表現し、「眞栄田郷敦さん演じる孝明天皇の、ナイーブさを併せ持ちながらも力強い瞳。奥野壮さん演じる明治天皇の、若々しさ、清新さの中にある品格。山中崇さん演じる岩倉具視の、忠臣的振る舞いの裏にある隠しきれない策士ぶり。そして長塚京三さん演じる鷹司政通の、朝廷のドンとしての老獪さと風格」と一人一人の魅力を紹介した。「小栗さんと幕臣たちは大ピンチです。どうぞお楽しみに!」と呼びかけた。
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