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「西田二郎のたし算」第22回 10万フォロワーを生んだ“どぶ板営業” SNS黎明期と「テキサスバーガー」危機一髪!2026/09/04 17:00

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「西田二郎のたし算」第22回 10万フォロワーを生んだ“どぶ板営業” SNS黎明期と「テキサスバーガー」危機一髪!

 人気テレビ番組を長年けん引し、現在は枠にとらわれないコンテンツ作りの最前線を走る“伝説のテレビマン”西田二郎。彼がエンタメ業界の裏側や、これからの時代を生き抜くヒントを独自の目線で熱く語る不定期連載! 今回からタイトルを一新し、「西田二郎のたし算」としてリニューアル。今回は、まだTwitter(現X)が珍しかった黎明期の、西田流・超アナログなSNS戦略について語る。

 どうも、西田二郎です。

 今回は、僕がTwitter(現X)を始めた時の話です。先日、対談イベントでこの話をしたら「いい話だよね」と言われたので、コラムでもちゃんと残しておこうかなと思います。

 事の始まりは、土屋さんでした。「進め!電波少年」のT部長こと、土屋敏男さんです。

 土屋さんは新しいもの好きな人で、Twitterが出てきた時も、日本で1、2を争うくらいの速さで飛びついてはったんです。そうやって早くから始めていると、いろんな人とつながっていって、あっという間にフォロワーが1万人近くになってはりました。

 土屋さんが面白い感じでツイートしているのを見ていて、「ああ、ええなあ」と思ったんですよね。スタッフからも「二郎さんもやってくださいよ、番組の宣伝にもなるし」と言われて、僕も記念すべきファーストツイートをやってみたんです。

 フォロワー、ゼロ。

 渾身(こんしん)の力を込めて、日赤病院前のバス停でポンとツイートしました。渋谷までの道のり、「これでみんな沸き立って、フォローされるやろ」なんてウキウキしていたんですけど……。

 何にも起こらない。誰も見ない。結局、僕のファーストツイートは、そのまま何も起こりませんでした。

 土屋さんはフォロー数が20人くらいなのに、フォロワーが1万人とかおる。「全然違う世界の人やな」と思いました。土屋さんにはネームバリューがあって、それでみんながブワッとフォローする。でも僕には、それがないんですよ。それを徹底的に思い知らされました。

 で、考えたんです。当時って、フォローしてくれたらこっちもフォローする、という「相互フォロー」の文化が、まだ健全にあったんですよ。

 それで、「よっしゃ!」と。「ダウンタウンDXの演出プロデューサー」っていう、まあ、ごつい感じのプロフィールにして。その日から、一般家庭の扉を「トントン」ってたたいていくみたいな感じで、ひたすらフォローしまくりました。「僕、こんな人ですけど、フォローしませんか?」「します、します!」って。

 そんな感じで、それを連日、ひたすら続けていった。すると、フォロワーが一気にドーンと伸びていって、一時期、10万人まで到達したんです。ただ、僕の場合は、10万人フォローして、10万人フォロワー。

 これ、実は二つの見方があるんちゃうかなと思っていて。一つは、僕がそうやってフォローしまくって、相互フォローを狙っていた、という見方。もう一つは、フォローしてくれた人に対して、僕が「ありがとうね」と、お返しでフォローを返していた、という見方。多分、半分くらいはそっちやったんちゃうかなと思います。土屋さんみたいに、フォロー数は少ないのにフォロワーが多い、という数字とは違います(笑)。

 自分の中でも、「こんなことやってええんかな」という是非は感じていたんですけど、ルール上、当時はそれをやったら駄目だというわけでもなかったんです。ただ、みんながやらへんかっただけ。

 これ、すごい大事やなと思っていて。ルールを破ったらあかん。でも、みんながやらへんけど、やろうと思えばやれることって、実はいっぱいあるんですよね。それを自分でコツコツ拾っていくことが、結局は自分で道を切り開くことにつながるんやなと。

 このアカウントは、最終的には読売テレビが公認する一番のアカウントになりました。公式にするっていう話もあったんですけど、「もしトラブルが起きたら、読売テレビが被らなあかんようになりますから」って断って、あくまで個人アカウントとしてやってました。

 でも結局2年くらい、一つのトラブルも起こさなかったんです。報道の人たちが社内の「SNSの使い方講座」で、「あいつのTwitterちゃんと見てた方がええぞ。あいつは絶対にトラブルを起こさんから」って紹介していたらしいんです。

 僕のトラブルを起こさないノウハウって、実はすごい単純なんですよ。

1.「今」いる場所は言わない。

2.直情的な感情で、絶対に言わない。

3.物事を絶対に批判しない。

 これを徹底してました。でも、1回だけヒヤッとしたことがあって。マクドナルドさんで「テキサスバーガー」っていうのが出た時、「うわ、おもろそうやな」と思って食べたら、ものすごいテキサスやったんですよ。いや、もうテキサスを通り越して「メキシコ」やったんです。国境越えとるんやけど(笑)。

 これ、おもろいから「メキシコやないか! 国境超えとんねん!」って、SNSに突っ込みを書きたくなりますやん。でも、つぶやく瞬間に「ちょ待てよ。ダウンタウンDXのスポンサーに、マクドナルドさん入っていなかったっけ?」って、ふと思ったんです。

 もし他のハンバーガーチェーンがスポンサーやったとしても、ハンバーガーに関して何か言うたらマズいんじゃないかと。それでつぶやくのを1回止めて、スタッフに確認したら、「マクドナルドさんです」って。「もう、やばっ!」って(笑)。ギリギリセーフです。

 おもろいからって書いていたら、「読売テレビの西田さん、うちの商品あんまり愛してはらへんみたいですね」とか言われて大問題になってたかもしれない。

 誰もができるけど、誰もやらないことをやる。そして同時に、おもろさを優先するより「周りのこともちょっとおもろく思っていく」ぐらいの配慮を持つ。そんなことを考えながら、今の僕の「たし算」があるわけです!

【プロフィール】
西田二郎(にしだ じろう)

1965年生まれ。1989年に読売テレビ入社。「11PM」のディレクターを経て、「ダウンタウンDX」のプロデューサーに。2015年に営業局へ異動し、新規事業などを担当。現在は静岡放送(SBS)のCCIO(チーフコンテンツイノベーションオフィサー)、一般社団法人未来のテレビを考える会の代表理事を務めるほか、2026年6月、株式会社エビリーの最高クリエイティブ責任者(CCO)に就任。

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