「Tシャツが乾くまで」松山ケンイチが演じる中で受けた衝撃「“なんとかフィルター”が壊れた」2026/08/28 08:00

蒼井優主演ドラマ「Tシャツが乾くまで」(金曜午後10:00)の第8話がTBS系で本日・8月28日に放送。瀬尾充役の松山ケンイチからコメントが到着した。
本作は脚本家・生方美久さんによる完全オリジナルストーリー。瀬尾咲子(蒼井)と夫・充(松山)、園田樹生(中島歩)と妻・あずさ(夏帆)、2組の夫婦の喪失から始まる“愛”と“秘密”を描く。

松山が演じるのは、主人公・咲子の夫で喫茶店「ひこうき」の店主である瀬尾充。咲子と仲良く暮らしていたものの、近所の主婦・あずさとバスに乗った後に失踪。1年間帰ってこなかったが、ある日突然帰宅する。
8月21日放送の第7話では、充の口から失踪した理由やあずさとバスに乗っていた訳、あずさと第3金曜日にコインランドリーで会うようになった経緯などが語られた。

充の過去が明らかになり、つかみどころのなかった充の人となりが見えてきたことで、徐々に物語の輪郭が浮き彫りに。充について松山はどのように捉えているのか。ストーリー前半・後半での充の違い、役を通して表現したいこと、今後の見どころなどについて聞いた。
役作りのヒントになった監督からの言葉

――脚本を読んだ印象を教えてください。
「生方さんの脚本は、いかようにも取れる言葉のチョイスをされているなと感じました。一つ一つのセリフにいろいろな意味が込められていて、充から見たセリフとさっちゃん(咲子)から見たセリフで違う意味になっている。充が明確な意味を持って話したことも、そのままの意味でさっちゃんに受け取られる言葉が少ないなと。視聴者の皆さんも考察されていると思いますが、僕たち演じている側も、『このキャラクターはこういうつもりで話しているんじゃないか?』と、ずっと考えています」
――松山さんは充という人物をどのように捉えていますか?
「どんな人とも仲良くなれる社交性を持ったキャラクター。ただ、社交性が高い=自分を隠しているといいますか、優しさのようなもので自分の中にある“違う部分”を隠しているキャラクターだとも思いました。物語の途中からは、その“違う部分”と向き合い、細胞から人間が変わっていくようなところが出てくるので、どのように表現しようかを考えました。その際、演出の土井(裕泰)さんから言っていただいたのが、『充ってかっこ悪くていいんじゃないかな』ということ。それが良いヒントになって、後半の充をどういうふうに演じていくかが見えてきました」
――土井監督からの言葉は、具体的にどう生かされたのでしょう。
「大人って、“大人”というテンプレートに乗っているだけで、寂しさだったり、傷ついたり悲しんだりというのは、大人だろうが子どもだろうが感じると思うんです。充も“大人”や“夫”という枠組みの中で立ち居振る舞いを演じている部分があったと思うので、そういうものを取っ払うことが、土井さんの言う『かっこ悪くていいんじゃないか』という意味だと受け取りました。だから充は泣くし、話さなくてもいいことまで話してしまう。“こうあるべき”みたいなものを全部取っ払って、子どものまま大人になってしまった部分を表現したいと思いました」
咲子のもとへ戻ってきた充の思い

――なぜ充は咲子に自身の失踪癖を隠していたのでしょう。
「第1話から第4話までの充は、夫婦を成り立たせるために必要な“自分の立ち位置”みたいなものをすごく意識していたと思うんです。さっちゃんが大切だから傷つけないように、嫌われないように、大事だからこそ、自分の本心を隠しておこうとしていた。でも、さっちゃんと充だけでなく、どんな人でも隠していることってあるような気がするんですよ。コミュニケーションってそういうものだと思うし、言わなくていいことは言わない方がいいと思っていたと思います」
――失踪後、突然咲子のもとに戻ってきたことについてはどう思いますか?
「きちんと自分の話をするために戻ってきたのだと思います。充はさっちゃんに(失踪癖があることを)言わなかったことで、結果的にいなくなるという選択をしてしまいました。きっといなくなってから家に戻ってくるまでの一年は、さっちゃんのことを大事にする方法や仕方みたいなものを考えていたのだと思います。だから第7話では、嫌われてしまうんじゃないかという怖さがありながらも、さっちゃんに全てをさらけ出しました。それは、夫婦生活を終わらせる、あるいは継続するためではなく、『自分はこういう人間だ』ということを話さないと、2人が“止まったまま”になってしまうことを感じていたからだと思います」
撮影を通して肌で感じた“すごい”俳優たち

――共演者の皆さんの印象についても教えてください。まずは蒼井さんから。
「蒼井さんは20年前から知っている間柄なので安心感がありますし、コミュニケーションの土台があるので本当に助かっています。『さっちゃんってこうだよね』『充ってこうだよね』という会話がしっかりできる。初めましての方だったらこうはいかないので、さっちゃんが蒼井さんで本当によかったです。昔から蒼井さんが持つ世界観には引き込まれていましたが、今回もやはりすごい俳優だと思いました」

――中島さんはいかがでしょう。
「中島くんとは初めての共演です。存在感も声も演技もすごく特徴があって、“初めて見た生き物”みたいな感じだったんです。宮内役のリリー(・フランキー)さんとの会話の中で、『長く俳優をやっていて、中島くんみたいな人は会ったことがない』とおっしゃっていました。誰かと似ていることがないってすごい。それくらい唯一無二のものを持っている方だと思います」

――夏帆さんの印象はどうですか?
「あずささんは充が『嫌われてもいいし、全部話せる』という安心感を与えてくれるキャラクターです。演じている夏帆さん自身もいつもニコニコしていて、『この人だったら何でも話せる、話していいんじゃないか』と思わせてくれる“何か”を確実に持っている方ですね。全部を受け止めてくれそうです」

――高橋文哉さんとの共演シーンも多くあります。
「文哉くんは、とても器用ですね。演技はもちろん、バラエティー番組に一緒に出演したときも、撮影現場で普段話をしていても、オールマイティーなんです。だからこそ、充と直人の芝居でもう少し“遊び”の部分を出せればよかったなと。僕が充をなかなかつかみきれなかったこともあって、あまり遊べなかったのは少し残念でした。文哉くんとなら絶対にできるし、面白く返してくれたと思います」
「いろいろなフィルターが壊れるかもしれない」

――最後に今後の見どころをお願いします。
「充とさっちゃんが結婚するときに、『言いたくないことは言わなくていい』と決めていたので、充はいろいろなことを隠していました。でも、そういう話をしたということは……? それがこれから明かされていきます」
「僕は、“自分の世界だけが正解じゃない”というメッセージをこのドラマから受け取っています。リブートもしないし、別班にも行かないし、大事件もありません。“結婚”や“誰かと一緒に生活をする”とはどういうことなのか。“相手を大事に思う”とはどういうことなのか。いろいろな考え方があって、どの考え方も否定はできないし、正解はないと思いますが、一生懸命に人と向き合って、生きようとしている人たちを温かく見守ってもらえたらいいなと」

「最後まで見たら、見ている人たちの世界も変わるような気がしますし、それこそいろいろなフィルターが壊れるかもしれない。僕もあるタイミングで自分の中の“なんとかフィルター”がバキッと壊れた瞬間があったんです。本当に衝撃でした。それを視聴者の方にも感じてもらえるんじゃないかと思います」

「変わることってちょっと怖いですよね」と話をした松山だが、「もしかしたら変化や考えが気持ち悪く感じる人がいるかも」と意味深な発言も。咲子の見ていた世界と充の見ていた世界がこの後どのように変わるのか。物語に映し出されるその“答え”から目が離せない。
第8話あらすじ(8月28日放送)

瀬尾充(松山)と園田あずさ(夏帆)の“第3金曜日の真実”を知った瀬尾咲子(蒼井)は、家を飛び出してしまう。
一方、充は翌日になっても帰らない咲子を心配し、喫茶「ひこうき」に園田樹生(中島)、大井田千鶴(臼田あさ美)、宮内幸次(リリー)を集めて、自分の知らない咲子について教えてほしいと頼むのだが……。
【番組情報】
金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」
TBS系
金曜 午後10:00~10:54
文/TVガイドWeb編集部
関連リンク
この記事をシェアする
















