Feature 特集

実力派ミュージカル女優・豊原江理佳 新たな指針を胸にソロライブ「Sign」に挑む【前編】2026/08/03 12:00

U-NEXT
実力派ミュージカル女優・豊原江理佳 新たな指針を胸にソロライブ「Sign」に挑む【前編】

 現在、ミュージカルの舞台で活躍を続ける女優・豊原江理佳が8月15日、吉祥寺 STAR PINE’S CAFE(東京)でソロライブを開催する。自身のソロライブは今回で3度目。澄みわたる歌声と確かな演技力、そしてダンス・パフォーマンスも光る、歌・演技・ダンスを高いレベルで兼ね備えたミュージカル女優が、一人のアーティストとしてどんな表現を魅せてくれるのだろう。前編・後編の2日にわたって彼女のライブに懸ける思いを聞いた。

――今回が3度目のソロライブということで、どのようなライブにされたいと考えていますか?

「毎回ライブでは、自分がその年に気付いたことや考えていることをテーマにしているのですが、今年30歳になって人生を振り返った時、いろんな瞬間で“選択”をしているなと。20代の私はその時、悪い方の選択をするほうが多かったなと感じていて。失敗も多くて。その時に毎回、“あの時が分かれ道だったな”と思うポイントもあって。あっちを選んでいたらもっと自分を大事にできたり、幸せになれたり、失敗を避けられたんじゃないかって。自分を大事にできない選択をしちゃった、ということが多かった。20代がそうだったので30代は“自分をもっと大事にしよう”と考えるようになって。そう思うって何かの“サイン”みたいだなと。自分を大事にしようというサインが30歳になって表れたということもあって、今回のライブのタイトルを『Sign』にしました」

――とても順調にキャリアを積まれているように思うのですが、20代に失敗があったのは意外です。

「20代を振り返った時、要所要所でそういう選択にたびたび失敗してきたんです。その理由は人にいい格好をしたいとか、よく思われたいとか、人の期待に応えたいとかそういう気持ちが多かったんじゃないかなって。なので30歳からはちゃんと1回ずつの分岐点ごとのサインを見誤らないようにしよう、と考えるようになりました」

――そういう意味での「Sign」もタイトルに込められていると。

「そうですね。それと、今住んでいる家は周りが川沿いでお散歩もできるんですけど、お散歩をしていて緑がすごくきれいだなとか、空気がおいしいなとか、カルガモが泳いでいるなとか、そんな小さなところにも自分を大事にできるサインがいっぱい落ちている気がして。松任谷由美さんの『優しさに包まれたなら』の歌詞そのまんまみたいですけど、『全てのことはメッセージ』だなと。これまではうまくやらなきゃとか、みんなによく思われなきゃとか、そういうことで頭にモヤがかかっている状態が多かったんです。だけど本当はそういうのを全部取っ払って心の中にある指針を大事にすることで、自分自身を大事にできたり、幸せになっていけるんじゃないかなって。『Sign』というタイトルは、見に来ていただいた方にも自分の心にあるサインを大切にしてほしいという思いも込めました」

――失敗が多かったとおっしゃいますが、その失敗もご自身の糧になっているのでは?

「失敗、挫折が多かったからこそ人の気持ちが分かるようになったり、優しくなれた部分はあるのかなと思います。器用なタイプではないし熱を入れ過ぎて空回っちゃうタイプで。見栄っ張りなところもあったり決してトントン拍子で来たというわけではなくて、いろんな経験をしながらここまで来たなって。今はよく思われようというより、自分の中にあるものを大事にしながら、ファンの皆さんを大切にしながら自分とお客さまに誠実でいたいと思っています」

実力派ミュージカル女優・豊原江理佳 新たな指針を胸にソロライブ「Sign」に挑む【前編】

※写真は昨年のライブより

――ミュージカルの舞台で歌うことと、ソロアーティストとして歌うこと、どのような違いがありますか?

「どっちが好き、やりやすいかというと……正直ミュージカルの方がやりやすい、と言うのはあります。9歳からやっていますので、慣れていますし。ライブは全部自分をさらけ出さなきゃいけないので怖くて。でも、ライブにはライブの魅力があって。ライブはやっぱりファンの方と距離が近いですよね。みんなと直接目を合わせて、語りかけられるし、直接皆さんを感じられる。いろんな表情で歌を聴いてくれて、メモを取りながら聴いてくださる方もいらっしゃいますし、ハンカチで目を押さえながら聴いてくださる方も……きっとご自身の今乗り越えなきゃいけない状況と向き合いながら私の歌を聴いてくださっているのかなって。本当にお一人お一人と向き合うことができて、その時間がとても濃密なんです。舞台とはまた違う充実感がある。だからライブは続けていきたいと思うんですよね」

――セットリストはいつもどんな感じで作っていらっしゃるのですか?

「まずはその年のテーマを決めて……今年は『Sign』なんですけど、今お話ししたようなことを軸に、ファンの方が聴きたい歌、自分がただただ好きで歌いたい歌を入れようと思っています。1月に事務所の後輩の斎藤瑠希のライブにゲストで出させていただいて。瑠希って私と正反対なアーティストで、自分の好きをすごく突き詰めるタイプというか、瑠希が好きな歌をたくさん盛り込んで構成していて、それがすごく勉強になりました。やっぱり歌っている本人が楽しめて初めて、お客様に楽しんでいただけるんだなと。なので楽しんでもらえるポップな曲も入れながら、メッセージ性のある曲も数曲入れるという構成を考えています」

――ファンの方はライブグッズも楽しみにされているのでは?

「グッズのデザインを考える時間が一番楽しくて。毎年テーマカラーを決めているんですけど、今年のテーマカラーはグリーンです。あとはミニブロマイドを初めて作りました。本当にいい写真をたくさん撮っていただいたので、皆さんに持っていてほしいなと。最近ファンの方から“劇場に行くと江理佳ちゃんのグッズを持っている人をちょこちょこ見かけるようになりました”とDMをいただいて。“コミュニティが広がっているのを感じてうれしかったです”って。そういう意味でも大切にしたいものだなと。なのでブロマイドも携帯ケースに入るサイズにしました。あとメッシュトートバッグも折りたたんで持ち運べるので観劇の時に劇場でグッズを買ったらお買い物バッグとして使えたり、それ以外にもいろんな場所で活躍してほしいという思いで選びました。あとは1年に1度のライブなので、そのライブの日のことをグッズを見て思い出してほしいなって。“元気になりました”とか“明日からまた頑張ります”とかお手紙でとてもうれしい感想をいただくのですが、落ち込んだりした時にこそグッズを目にして“あ、そうだあの時、江理佳ちゃんの歌を聴いて、元気が出たんだ。もう一回頑張ろう”と思い出してもらえたらうれしいなって」

 明日公開の【後編】では現在、出演中のミュージカル『レベッカ』や9月に出演するミュージカル『民王』についても話を聞く。

実力派ミュージカル女優・豊原江理佳 新たな指針を胸にソロライブ「Sign」に挑む【前編】

【プロフィール】
豊原江理佳(とよはら えりか)

1996年4月8日生まれ。2008年、ミュージカル「アニー」のアニー役でデビュー。2023年の映画「リトル・マーメイド」の日本語吹き替え版で主人公のアリエルの声および歌唱を担当。近年の主な出演作は、ミュージカル「SIX」、「LAZARUS-ラザルス-」、「ISSA in Paris」など。ミュージカル『レベッカ』は8月1日~2日の東京・シアター1010で大千秋楽を迎えた。9月6日~10月6日に東京・日比谷・シアタークリエで上演のミュージカル『民王』に村野エリカ役で出演。

【ライブ情報】
豊原江理佳 3rd Live「Sign」

日程:2026年8月15日 開場 午後0:15/開演午後1:00 開場 午後5:15/開演午後6:00
会場:東京・吉祥寺 STAR PINE’S CAFE

取材・文/TVガイドPERSON編集部

U-NEXT

この記事をシェアする

U-NEXT

Copyright © TV Guide. All rights reserved.