BLを見ないライターが選ぶ、第1話を片っ端から見て続きが気になったBLドラマ3選2026/07/30 18:00

BLドラマは今や、熱狂的なファンを持つ一大ジャンルへと成長。とはいえ、人によっては敷居が高く感じてしまうのも事実かもしれない。かくいう筆者も、これまでBLドラマに精通しているとは言い難い触れ方に留まっていたのだが、映画にもなった「美しい彼」や「きのう何食べた?」、そして「おっさんずラブ」など、同性の恋愛を題材にしながら、コアなBLファンにとどまらない大勢の心をとらえてきた必見作はたくさんある。
ここでは、次なる「美しい彼」や「きのう何食べた?」を求め、“見れば誰もがハマるBLドラマ”の探索を開始! 今年3月以降にFODで配信が始まった新作BLドラマの第1話を片っ端から見あさり、良作の香りを探知しながら、第2話以降も見続けたくなった作品3本をピックアップする。
「コントラスト」
すべてが爽やかでいとおしい、2人の“青春”を見守りたくなる

同名の人気コミックを原作にした学園ドラマだが、淡くて優しいトーンの映像にまず心を持っていかれてしまう。その中にいるのが、クラスの人気者でありながらどこか冷めたところがある青山翔太(井内悠陽)と、人を寄せつけない一匹狼の優等生・千川陽(阿久根温世)だ。互いのクラスも名前も知らない2人だったが、なぜかすれ違うたび目が合うようになる。そしてある日の昼休み、誰も足を踏み入れなさそうな階段の踊り場で、ついに会話を交わす。

BLドラマだと言われず、原作コミックを読んだことがなければ、タイプの異なる男の子同士が友情を育んでいく物語かな? と思ってしまいそうな第1話。たどたどしく自己紹介する様子も、学校の喧騒が別世界のことのように思える空間で2人だけの時間を過ごす様子も、すべてが爽やかでいとおしく感じられた。彼らを演じる井内と阿久根も魅力的で、フレッシュな存在感が青春を体現している。
翔太と陽はそれぞれ心の内に痛みや危うさを抱えているようなのだが、だとしたら一刻も早く恋に落ちて痛みを分かち合う関係になってほしいし、そんな彼らの青春を見守っていきたい! 青春ドラマの純度とロマンスのささやかな足音に、心ときめかされる第1話だった。

■FODで全8話独占配信中/フジテレビ(関東ローカル)で放送中(火曜深夜0:45)
「100日後に別れる僕と彼」
第1話の構成が技あり! 伊藤健太郎&寛一郎の演技と凝った映像も見どころ

原作は、2023年に急逝した浅原ナオト氏の同名小説であり、最後の著作。浅原氏は「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」の著者でもあり、同作同様、まずはタイトルで興味を誘ってくる。この“100日後に別れる僕と彼”こそが物語の主人公、春日佑馬(伊藤健太郎)と長谷川樹(寛一郎)なのだが、“理想の同性カップル”として世間の注目を集めた2人は、少し前から同棲生活の密着取材を受けている様子。だが、実はすでに破局しており、その事実を第1話のラストで突きつけてくる構成がまず技アリだった。

映像も凝っていて、密着取材パートはドキュメンタリーの質感。密着の対象が“日常”だけに、何げない日常と彼らが日常の中で感じることが一つ一つ丁寧に映し出されていく。そのため役者陣の力量も問われるところだろうが、伊藤健太郎と寛一郎がさすがの巧さ。正義感があって生真面目そうな佑馬と、生き方においても“理想の同性カップル”という立場においても彼とは異なる考え方を持っていそうな樹に何が起き、どう別れへとつながっていくのか。第2話以降がかなり気になったし、彼らに共感して一緒に心をざわつかせたり、悩んだり、はたまた幸せな気持ちになったりする人は多いと思う。

■FODで全6話独占見放題配信中
「検事室の提案」
韓国の異色サスペンスドラマで犯罪捜査ものとしても十分楽しめる!

ジャンル分けをするならBLクライムサスペンスといったところで、かなり異質の部類。だが、「続きが見たい」という点ではダントツだった。原作は人気のウェブ小説であり、主人公は地方検察庁の罰金徴収課で働くイ・チェハ(パク・シウ)。殺人犯を父に持ち、後ろ指をさされる人生を送ってきたチェハは、ある日、尊敬する検事のチュ・テソン(キム・ユンシク)の下で彼と共に殺人事件を追うことになる。だが、テソンにはある思惑があり……というのが第1話の流れだが、犯罪捜査ものとして普通に面白い。事件の真相が気になるし、テソンはもちろん、チェハも優秀なようで、バディとしての活躍に期待できる。

これってBLドラマ? と疑いたくなるところだが、第1話の冒頭には今後の展開を示唆するダイジェストカットも。それによると、チェハとテソンはかなり濃厚な関係に陥っていくらしい。他の作品に比べ、BLシーンも決して薄味とは言えなさそうだが、BLシーンもサスペンスシーンも一様に濃いからこそバランスが取れている。テソン役のキム・ユンシクは敏腕検事らしいスーツ姿がお似合いで、チェハ役のパク・シウはアイドルグループ出身のキレイな顔立ちに純朴さが。事件も彼らの関係も、その行方を最後まで見届けたくなった。

■FODで全10話独占配信中
「コントラスト」は青春ドラマとして、「100日後に別れる僕と彼」はヒューマンドラマとして、「検事室の提案」はクライムサスペンスとして良質な香りがするのが特徴。普段はBLドラマをあまり見ない人にも、試しにぜひ見てほしい3本となった。あまり足を踏み入れたことがないジャンルにも、“自分の人生に欠かせない1本”は眠っているもの。しかも、見ればハマるポテンシャルを備えているのがBLドラマ……なのかもしれない。ドラマの楽しみを広げるためにも、まずは第1話をのぞいてみてほしい。
※独占配信、見放題配信に関しては、7月30日現在の情報です。
文/渡邉ひかる
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