「あかりサーチ、一本!」第3回 AOI Pro.の若手エース・黒澤優介Pにドラマ制作の舞台裏を直撃! 後編2026/05/08 12:00

TVガイドWeb特派記者の佐藤あかりです。AOI Pro.の若手エース・黒澤優介プロデューサーを直撃したロングインタビューの後編をお届けします。
前編でもお伝えした通り、黒澤さんの企画したHuluオリジナル「おとなになっても」は2025年Huluオリジナル部門1位を獲得。1月に放送した「TOKYO 巫女忍者」(日本テレビ)、Huluオリジナル「リターン・ザ・ギフト」「メルカトル・ナイト」、AOI Pro.コント公演「混頓」シリーズなどなど、28歳という若さにして数々の話題作をプロデュースしているAOI Pro.の未来のエースです。
華やかに見える映像プロデューサーのお仕事ですが、実はその裏にはとっても大変な苦労がたくさん隠れていました。映像の業界に興味のある方は必読ですよ。そして今回は特別動画もご用意しました。ぜひ最後までお読みいただき、動画と一緒にお楽しみくださいね。
それではいきますよ~。
「あかりサーチ、一本!」
プロデューサーという仕事で大切にしている三つのこと

――プロデューサーって、具体的にどんなことをされているんですか?
「大切なキーワードは予算管理、クオリティ管理、スケジュール管理の三つだと思っています。その三つを守りながら、最終的にベストな作品に仕上げていくのがプロデューサーの仕事になります。中でも一番大変なのは予算ですね。ドラマはあらかじめ制作費が決まっているので、その中でどう成立させるかを常に考えています。例えばロケ地が一つ増えるだけでも、数十万から場合によっては数百万円単位でコストが変わってしまうので、毎日見積もりとにらめっこしながら調整しています」
――かなりシビアですね。
「そうですね。その中でプロデューサーの役割として大きいのが『調整』だと思っています。何か一つを成立させるためには、どこかを諦めなければいけない場面も多くて。その時に関係者にきちんと説明して、納得してもらう必要があります。なので、自分の中では業務の半分くらいは謝罪だと思っていますよ(笑)」
――謝罪ですか? 意外です。
「華やかな仕事に見られることも多いんですが、実際はそういう調整の積み重ねですね」
一番うれしくて楽しいのは企画が動き出す瞬間
――そんな中で、一番うれしい瞬間はどんな時ですか?
「やっぱり企画が決まった時ですね。これまで数百本単位で企画を出してきていますが、実際に形になるのはその中のほんの一握りです」
――え!? 数百本も!? すごい……。
「一つずつ積み重なってそれくらいにはなりましたね。それでも企画になるのは、ほんの一握りですよ」
――企画が通るものには、何か共通点はあるんですか?
「原作、脚本、主演、そして放送枠。この四つがきれいにそろった時ですね。どれか一つでも欠けていると前に進まないんですが、すべてがかみ合った瞬間に一気に動き出す感覚があります。でもそれって、俳優やタレントのお仕事でも同じじゃないですか?
――そうですね。何か不思議なタイミングが重なった時に、一気に動く感じはあります。
「急に撮影が重なったりとか、流れが一気に来る時ってあるじゃないですか。そういう『波』に乗れるかどうかが大事だと思っています」
――その通りですね。しっかり波に乗らないと。私も頑張らないと。黒澤さんはご自身のスタイルとして、意識されていることはありますか?
「私はどちらかというと調整型のプロデューサーだと思っています。いろんな方の意見を聞きながら、どう落としどころを見つけていくかを考えるタイプですね。もちろん、自分の考えを強く打ち出してみんなを引っ張っていくプロデューサーの方もいらっしゃいますが、私は全体を見ながらバランスを取ることを大事にしています」
――確かに、いろんなタイプの方がいる中で、全体を見ている立場ならではのスタイルですね。ところで、これまでご一緒された中で、印象に残っている俳優さんはいらっしゃいますか?
「たくさんいらっしゃるんですが、最近でいうと渡辺いっけいさんですね。『TOKYO 巫女忍者』(日本テレビ)という、生成AIと実写を組み合わせたドラマでご一緒したんですが、とてもチャレンジングな作品の中で、渡辺さんがいることで一気に画が引き締まるというか、リアリティーが増す感覚がありました。あの存在感や説得力は、若手の俳優さんではなかなか出せないものだと思います。やっぱり長年の経験の積み重ねが、そのまま画に出るんだなと感じました」
――逆に、まだご一緒していない方で気になる役者さんや、今後一緒にやってみたい方はいらっしゃいますか?
「気になる役者は、佐藤あかりさんですね」
――え、本当ですか(笑)
「ええ、本当に。今後ご自身として、どういうドラマに出てみたいのか、コメディーなのか、ミステリーなのか、どんな作品に出演されるのかすごく気になりますよ」
――私は普段、ふわふわした感じで見られることが多いので、全く違う役、ちょっと狂気的な役とか、皆さん想像されない役をやってみたいなと思っています。
「そこがお芝居と合致したら、すごいものが見られるかもしれないですよね」
――ありがとうございます。いつかご一緒できるように頑張ります!
作品が面白くなるかどうかは脚本の出来上がり次第

――作品を作る上で、黒澤さんが大切にされている視点ってどんなところなんですか?
「まず大前提として、作品を見てくださる方のために作っているので、視聴者の目線は常に意識しています。その上で、どのセクションも力を合わせて作品は完成していくのですが、一番の根本はやっぱり脚本だと思っています。正直、どれだけ映像で工夫しても、脚本がしっかりしていないと大きく跳ねる作品にはならないと感じていて。なので、とにかく脚本には時間をかけるようにしています。例えば、会話が面白いことや展開のスピード感があることは、一つ大きなポイントだと思っています。特に最近は、テンポの良さや次の展開への引きがしっかりしている作品が、多くの人に支持されている印象があります」
――今の時代に求められるクリエーターって、どんな方だと思いますか?
「発想の切り替えが早くて、アイデアを複数出せる方だと思います。一つの案だけではなく、『じゃあこういうパターンもあります』と、三つ四つとアイデアを出していただけると、プロデューサーとしてもすごく助かります。あとは、制作側の視点も理解して動いてくださる方ですね。プロデューサー目線で走ってくださるクリエーターは、今後さらに活躍されると思います」
――引き出しをその状況に応じていくつも出せる人がカギなんですね。
「そうですね。コント公演『混沌』でご一緒した政池洋佑さんのように発想の切り替えが豊かで早い方は、本当にすごいなと思いますし、数々の舞台でご一緒している金沢知樹さんのようにいろんな経験を持っている方の視野の広さも勉強になります」
CM、ドラマ、映画、舞台、それぞれの違いと面白さ

――CM、ドラマ、映画、舞台と、いろんなジャンルに関わられていると思うのですが、それぞれ作り方はかなり違うものなんですか?
「全く違いますね。よく陸上に例えるんですが、CMが短距離走で、ドラマや映画が長距離走という感じです。CMは15秒、30秒の中にどれだけ丁寧に収めるかが大事で、ドラマはしっかりお芝居を見ていかなければいけない。映画になると、もっと長いスパンで向き合うことになります」
――舞台もまた全然違いますよね。
「舞台は生ものなので、本番が始まってからも変わっていくんです。初日と千秋楽で全然違ってくることもありますし、演出によってはセリフや流れが変わることもある。一方で、ドラマや映画は撮ったもので勝負するので、撮影までにどれだけ固められるかが大事になる。そこは脚本の作り方も含めて、アプローチが全く違いますね」
――どちらも経験されているのは大きいですね。
「そうですね。だからこそ、舞台に映像を絡めるようなこともできるし、そういうチャレンジをさせてもらえる環境はすごくありがたいです」
――今後どんなプロデューサーになりたいですか?
「シンプルに『面白いものを作れるプロデューサー』ですね。事業として成立していること、作品として面白いこと、見た人が面白いと思うこと。でも面白いって数値化できないんですよね。それでも面白かったって言ってもらえるのが一番うれしいので、そこを目指していきたいです」
――では最後に、この記事を読んでくださったTVガイドWebの読者の皆さんに一言お願いします。
「今回初めてAOI Pro.という会社を知った方もいるかもしれないですが、今後もCMだけでなく、ドラマ、映画、演劇、いろんなところで皆さんのお目に触れられるように頑張りますので、応援のほどよろしくお願いいたします。そして佐藤さんとも、いつかドラマや映画でご一緒できるように頑張ります」
――私も頑張ります! 今日はありがとうございました!
あかりサーチ後記
皆さんロングインタビューの後編、いかがでしたか? プロデューサーという立場から教えてもらった作品作りの裏側はとても興味深かったです。映像業界のプロフェッショナルであるスタッフをまとめあげて、作品を最後の完成まで持っていく。そこにかける時間と労力はとてつもないものでした。これからドラマを見るときにまた違った目線で作品をとらえることができそうです。
役者としてもどうあるべきか、プロデューサー目線で求められることを教えていただき、たくさんのヒントをもらえました。私もいつか黒澤プロデューサーの作品に出演して、誰かの心に残る作品作りに貢献したいです。
次回は黒澤プロデューサーの担当作でHulu独占配信中の「メルカトル・ナイト」をクローズアップします。この作品の主演を務めた水沢林太郎さんに直撃インタビューをしてきました。初主演にかけた意気込みと俳優として大切にしていること、そしてプライベートな質問まで、たっぷりとお話を伺うことができました! どうぞ楽しみにお待ちください。
それでは最後にもう一度♪
「あかりサーチ、一本!」
そして「あかりサーチ、一本!」のスペシャル動画がスタートしました! インタビュートークに加えて、即興質問に5秒で答える「一問一本!」など見どころいっぱいです。YouTube「東京ニュース通信社チャンネル」でお楽しみくださいね。
【プロフィール】

佐藤あかり(さとう あかり)
1996年2月23日大分県出身。特技は剣道(3段)。インターハイ3位、全国大会優秀選手賞受賞。渡辺正行が率いる剣道普及番組「剣道まっしぐら!」(YouTube/2020年~放送中)にレギュラー出演中。雑誌「B.L.T.」に「日本一かわいい剣道女子」としてグラビアに登場以来、剣道タレントとして注目を浴びる。B.L.T.Web連載「あかりくらぶ」
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