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「月夜行路」ACEes・作間龍斗、麻生久美子の元カレ役を演じて「自然と涙が流れてきた」2026/04/29 07:00

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「月夜行路」ACEes・作間龍斗、麻生久美子の元カレ役を演じて「自然と涙が流れてきた」

 波瑠さんと麻生久美子さんがダブル主演を務め、日本テレビ系で放送中のドラマ「月夜行路 ―答えは名作の中に―」(水曜午後10:00)。夏目漱石、太宰治、江戸川乱歩など、教科書でおなじみの文学の知識を生かし、異色な凸凹バディが事件を解決していく。名作に描かれた生きるヒントも学べる。笑って泣けてタメになる、痛快文学ロードミステリーだ。

 本作で作間龍斗ACEes)さんが演じるのは、麻生さんが演じる主婦・沢辻涼子の20年以上前の元カレ・カズト。さらに、第4話(4月29日放送)で涼子らの前に現れる、当時のカズトの面影を宿した青年・奏役にも扮(ふん)し、初の一人二役に挑戦する。

 そんな作間さんに、本作に感じた魅力やそれぞれのキャラクターの人物像について、カズトにフォーカスが当たる第4話の見どころ、撮影時のエピソードを聞いた。舞台となる大阪への思いや、自身が影響を受けた作品の話題なども。

――本作は“文学”の知識を生かし、事件を解決するという斬新かつ魅力的な物語ですが、脚本を初めて読んだ時にどんな印象を受けましたか?

「想像以上に面白くて驚きました。文学という点では、自分が通ってきていない作品が出てきたり、ミステリー要素もあるので、視聴者の方と同じ感覚で“これ、どういうことなんだろう?”と考えながら読み進めていって。映像で見ると分かりやすいですが、文字だけでは読解力が必要なシーンもあって、理解するのに時間を要しました」

――その中で、演じるカズトについてはどう思われたでしょう。

「カズトが登場するのは(涼子の)回想シーンなので、時代背景も考えながら読まなきゃいけないなと思っていたのですが、何百年もたっているわけではないので、言葉遣いやカルチャーがそこまで違うわけではなくて。プリクラがどうみたいな話題もそうですが、そんなに驚くことなく、“あったよね、こんなこと”とスムーズに入っていけました」

――カズトのみならず、彼にそっくりな青年・奏役を演じられるというのも驚きました。

「僕もどうしよう……という感じでした。二役を演じることが今回初めてで、しかも“似ている”という設定がすでにあるので、どう差をつけようかと」

――結果、どのように演じ分けたのでしょうか。

「いろいろ考えたのですが、最終的には演じ分けなかったです。ただ、髪形をマイナーチェンジするなど、いろいろ挑戦はしてみました。僕自身もその結果はオンエアで見ることになるので、手応えはまだ感じられていないのですが」

「月夜行路」ACEes・作間龍斗、麻生久美子の元カレ役を演じて「自然と涙が流れてきた」

――撮影を通して、作間さんはカズトをどういう人物だと捉えていますか?

「愛情深くて、本当にいい人だな、というのが最初の印象です。そして、自分の芯を大事にしていて、決めたことをやり切ることができ、相手のためになると思ったことを誠心誠意全うできる。台本を読み進め、撮影をしていくうち、すごく誠実な人だなと感じました」

――それでは、奏はいかがでしょうか。

「奏は、カズトよりも燃えたぎるものが少ないといいますか。表現が合っているか分からないのですが、“現代人だな”と思いました。でも、もしカズトが現代に生きていたら、世の中のいろいろなことに抑圧されてこんな感じになるんだろうな、カズトから角を削ったらこんな感じになるのかもしれないな、と。その分、愛情深さなど、奏の心の奥まできちんと演じられたらと思っていました」

――カズトは涼子にとって“人生の忘れ物”となっている元カレであり、物語のキーパーソンとなる重要キャラクターです。さらには、これまでほぼ“名前だけ”で登場するというミステリアスさもありました。

「難しかったですね。撮影も、“このシーンはこことここで使われます”という感じで、時系列が飛び飛びだったので、頭が混乱しました(笑)。しかも、涼子がカズトを思い出す瞬間にはそれぞれ理由があり、それとひもづけたお芝居をしなくてはいけない。今回は台本を開いて閉じて、を繰り返す時間が長かったです」

――確かに、それはすべてのシーンを把握していないと演じられないですね。

「国語の授業のような感覚もありました。“カズトがこう思った理由を探し出して、そのまま書き出しなさい”みたいなことをずっとやっていたので。まず、その時点から謎解き要素がありました(笑)」

――カズトと奏の二役に挑むにあたり、監督からリクエストなどはあったのでしょうか。

「それが意外となかったんです。というのも、丸谷(俊平)監督は『恋の病と野郎組』(2019年)や『コタツがない家』(23年)など、いろいろな作品でお世話になっているのもあって、多くを語らずとも感じられたといいますか。“たぶんこれは違うな”など、監督の意向を察知できましたし、監督からのリクエストもセリフ回しや聞こえ方など、細かい部分だけだったかなと。今回の役柄的にも、知っている方が監督で本当に良かったです」

――SNSでは「声がいい」と作間さんのその“声”も話題を呼んでいます。

「僕自身、“いい声で”というのは意識していなかったのですが、二役を演じる中で、変化が一番分かりやすいのは声だろうなとは思っていました。僕、作品によって声色や話すテンポ感を変えてみる、ということをしていて、いつも撮影2日目ぐらいで一度のどを壊すんです(笑)。ただ、これは潜在的に、意識せずともそうなっている部分も大きくて。なので、今回も僕の意図しないところで、体が“いい声”を出してくれたのだと思います」

――ほかに、意識した点があれば教えてください。

「落ち着きを表現するために、動きの数を少なくしたことでしょうか。あと、僕自身はまばたきをしがちな方なのですが、カズトのように器が広いタイプのキャラクターを演じる時は、まばたきのテンポを一つ遅らせてみたりもします」

「月夜行路」ACEes・作間龍斗、麻生久美子の元カレ役を演じて「自然と涙が流れてきた」

――これまで第1~3話が放送されてきましたが、完成された映像を見て、あらためてどう感じられていますか?

「テンポ感が早くて、現代にマッチしているなと。そして、YouTubeを1.5倍速で見るような、せっかちな方が多いこの時代の中で、触れづらいものに自然と触れられる。映画『国宝』(25年)がこんなにヒットした理由も、それが一つある気がするんです。文学を知ろうと思っても、“本を読まなきゃいけないならいいや”となるところを、分かりやすく映像で理解できて、テンポ良く面白く物語に絡んでいく。そこが視聴者の方に刺さるポイントなのだろうな、と思いながら見ていました」

――第4話では、ついにカズトにフォーカスが当たります。

「それこそ撮影が飛び飛びだったので、つながった時にどうなっているのかが楽しみです。当時、カズトが涼子を振った本当の理由が分かるなど、グッとくるものがありましたし、演じながら“この作品、こういう展開もあるんだ”と驚きもありました。淡々と事件を解決していく流れで、これまでになかった人間ドラマが描かれて、今後がより気になる、すごく面白い展開になっていると思います」

――ダブル主演を務める波瑠さん、麻生さんとは、お話をする機会はあったのでしょうか。

「実は、記者会見の日に初めてお会いした方が多く、きちんとお話できたのもあの日くらいだったんです。あとは、4月3日に放送された『日テレ系クイズフェスティバル2026春』の収録。あそこがピークでした(笑)。カズトは他のキャラクターと絡むことが少ないので、そもそもあまり他の方とお話しする機会がなくて……」

――確かに、そうなりますよね。

「はい。なので、(涼子の夫役の)田中直樹(ココリコ)さんも芸人さんの印象が強くて、会見の時も“やっぱり面白いな”という目線になってしまいました(笑)。皆さんすてきな方、というのはお会いしただけで感じられたのですが、もう少しきちんとお話しをしてみたかったなと。その方の考えていることを知れたり、現場での立ち居振る舞いを見られるのもこのお仕事の醍醐味(だいごみ)なので、いつかまたご一緒させていただきたいです」

――麻生さんはカズトの元彼女役でもありますが、どのようなことをお話されたのですか?

「僕がクランクインした日に、波瑠さんと麻生さんが現場にいらっしゃって。その日に、大学時代のカズトと涼子(平野瑠莉)がプリクラを撮るシーンを撮影したんです。そしたら、麻生さんが涼子を演じる参考にと、その映像データを“見たよ”と言ってくださって。ただ、そのシーンが自由にポーズを取って撮るのではなく、大喜利スタイルで……」

――会見でもおっしゃっていた衝撃の思い出ですね。

「はい。監督が“芥川賞を受賞した○○の印象的なポーズ”などのお題を出してきて、それのポーズを2人で考えて撮るという(笑)。結構長回しで撮影していたのですが、そのまま何も編集されていないデータを見たそうで、『大変だったね』と声を掛けていただいて。すごく恥ずかしい気持ちになりました(笑)」

「月夜行路」ACEes・作間龍斗、麻生久美子の元カレ役を演じて「自然と涙が流れてきた」

――現在、本作では大阪編を描いていますが、作間さん自身の大阪にまつわる思い出はありますか?

「大阪にはお仕事で行くことが多いのですが、高校生の時にプライベートで行ったことがあって。ゲームのサウンドトラックをオーケストラで演奏する、というコンサートだったのですが、当時そのゲームに取りつかれていて、そのためだけに日帰りで大阪に行きました。お昼過ぎに新幹線に乗り、コンサートを見て、たこ焼きも食べずにすぐに帰るという(笑)」

――高校生でその行動力はさすがです。最近の思い出で思い浮かぶものを挙げていただくと?

「直近の大阪での思い出というと(ACEesの)ツアーになるのですが、大河ドラマ『どうする家康』(23年)で、豊臣秀頼という、大坂城にゆかりのある人物を演じさせていただいたことがあって。さらには今回も大阪が舞台ということで、縁を感じますし、お話をいただいた時は“また大阪だ!”とうれしかったです」

――作間さんの人生において、指針となった文学作品やドラマ、映画を何か一つ教えてください。

「一つ挙げるなら、映画『君の名は。』(16年)です。当時、8回ぐらい映画館に行きました。先日、テレビで放送されていたのですが、久しぶりに見たら見方が変わっていて。あの解決しない感じが、今も多くの人をひき付ける魅力なんでしょうね。DVD BOXや小説版までそろえるほどにハマっていました」

――「君の名は。」からはどのような影響を受けたのでしょうか。

「時空がゆがむとか、実は前世の前世でも同じ人が生きているとか、そういうパラレルワールドがありえるのかもしれない、と思うようになりました。実は、人間は得体の知らない誰かから操られているとか、プログラミングされている……みたいな。いろいろな可能性を考えるようになってしまいました(笑)」

――最後に、あらためて第4話に向けて、見どころや注目ポイントのアピールをお願いいたします。

「台本に書かれていないところで、初めて泣きました。撮影をしている時に、自然と涙が流れてきて。それくらい感情の曲線みたいなものがぶわっと出てくる回になっているので、それを視聴者の方がどう受け止めてくださるのかが、すごく気になります。ただ、現代と過去がどちらも描かれて、なんなら代わるがわる出てくるシーンもあるので(笑)、少し頭を柔らかくして見ていただけるとより楽しめると思います!」

【プロフィール】
作間龍斗(さくま りゅうと)

2002年9月30日生まれ。神奈川県出身。O型。ACEesのメンバー。近年の出演作は大河ドラマ「どうする家康」(23年)、ドラマ「ながたんと青と -いちかの料理帖-2」(26年)、映画「うちの弟どもがすみません」(24年)、「山田くんとLv999の恋をする」(25年)など。

【番組情報】
ドラマ「月夜行路 ―答えは名作の中に―」

日本テレビ系 
水曜 午後10:00~10:54

取材・文/片岡聡恵

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