NAOYA&冨田侑暉「セラピーゲーム」丹羽理沙子Pが語る、制作に込めた思いとは?2025/12/17 18:00

シリーズ累計130万部突破、BLアワードでシリーズ部門4年受賞の同名漫画を実写ドラマ化した「セラピーゲーム」(水曜深夜0:59)が日本テレビで放送中。恋に臆病なツンデレフォトグラファー・三兎湊をNAOYAさん(MAZZEL)が、獣医を志すスパダリ候補生・生嶋静真を冨田侑暉さん(龍宮城)が演じ、“賭け”から始まった恋(ゲーム)の行方を描いている。
来たるクライマックスを前に、丹羽理沙子プロデューサーにインタビュー。NAOYAさんと冨田さんという名キャスティングにたどり着いた理由、今回実写化する上でこだわった点や撮影の裏側、湊と静真に感じる魅力や丹羽さんの印象に残るシーンなどを聞いた。NAOYAさんと冨田さんに感じた俳優としての魅力なども。
――人気作の実写化とあり、発表された当初は「誰が演じるのだろう?」と不安の声も上がっていました。丹羽さんはどのような思いでキャスティングに臨まれたのですか?
「私自身、原作シリーズが大好きなのもあり、湊と静真のキャスティングには難しさを感じていました。原作ものということでまずビジュアルが大事になってくるのと、この『セラピーゲーム』を作り上げていく上で、湊と静真のそれぞれに違う難しさがあるなと思ったんです」
――例えば、それはどのような点でしょうか。
「湊は見た目の派手さや華やかさ、言葉の強さみたいなところがありながら、実はすごくピュアでかわいらしいキャラクター。そのギャップが彼の魅力であり、多くのファンの方から愛される理由の一つだと思うのですが、果たしてそれを表現できる方ってどなただろうと」
――そこから、どのようなきっかけでNAOYAさんにたどり着いたのですか?
「NAOYAさんとは、約1年前に『まぜるな!MAZZEL』(日本テレビ)というバラエティー番組でご一緒させていただいたことがあって。普段は周りの人をみんな笑顔にしてしまうキュートな一面を持ちながら、パフォーマンスをしている時は色気と迫力で圧倒していく。そのギャップがとても魅力的で、いろいろな引き出しを持ってらっしゃるNAOYAさんなら湊を演じられるのではないかなと思い、湊役として真っ先にオファーさせていただきました」

――それでは、静真についてはいかがでしょう。
「ギャップが印象的な湊に対して、静真は真っすぐすぎるほどに真っすぐなキャラクター。その心の透明度もそうですが、湊に対する熱量の大きさ、大きな包容力と誠実さで彼と向き合っていくところが彼の魅力だと思います。そんな静真を演じていただくからには、役者さんご本人も信頼のおける方にお願いしたい、という思いがありました」
――その思いが冨田さんにつながったのですね。
「はい。冨田さんとは約2年前に『秘密を持った少年たち』という音楽劇でご一緒して、稽古期間から本番まで、初舞台で悩みながらも役を深めていく姿を間近で見させていただきました。その時のストイックさ、役に対する誠実さに可能性を感じたというのと、舞台に立った時の瞬間的な爆発力、情熱のようなものの表現が素晴らしいなと。冨田さんご自身が持ってらっしゃるものが静真とリンクした時にとてもすてきに映るのではないかと思い、静真役もまず冨田さんにオファーさせていただきました」

――その素晴らしいキャスティングが、多くの視聴者の心を揺さぶっています。実写化において、構成面でこだわった点を教えてください。
「まずスタッフ全員が、原作をリスペクトして、その良さを余すところなく描きたいという思いを一番に持って作っていきました。その上で、『セラピーゲーム』シリーズは上下巻とリスタート編、『シークレット×××』があるので、どこをドラマで描くのかというのは視聴者の皆さんも気になっていたでしょうし、私たちも一番悩んだところです。樹(佐藤瑠雅)と翔平(HAYATO/XY)の物語も本当に大好きなので…。原作ファンの方にも、このドラマで初めて『セラピーゲーム』を知る方にも、一つの世界として届けたく、それぞれどこまでどう入れ込むかという部分は何度も練り直しながら構成していきました」

――確かに、原作のいちファンからしても「あのシーン、ここに持ってきたんだ!」と驚くことはありますが、違和感を覚えることはありません。
「連続ドラマということで話数に限りがありながらも、各話に引きが必要で、そのバランスはとても難しかったです。“原作のこのシーンは絶対にドラマ終盤に持っていきたいけれど、ストーリーの時間軸を追っていくと少し前になってしまう…”という部分もありました。そういった部分は脚本の齊藤ようさん、船曳真珠さんがこれまでいくつもBL作品をやられているので、一緒にいろいろ考えてくださって。その結果、7話で樹と翔平の物語を挟みながら、湊と静真の恋もクライマックスに向かって加速していく構成が出来上がりました。ストーリーの波がすごくお気に入りなので、毎週楽しむのはもちろん、最終回の後に一気に見返していただけたらうれしいです」
――湊と静真の出会いの場でもある、ミックスバーでのシーンにもこだわりがあるとお聞きしました。
「はい。世界観をきちんと描いていきたいというところで、ドラマのミックスバーのシーンにはさまざまなセクシャリティーを持つキャラクターが登場します。そして今回、そういった場面を描くにあたり、日本テレビ報道局ジェンダー班に所属し、ゲイ当事者でもある白川大介さんにLGBTQ監修として入っていただきました。フィクションなので演出している部分もありますが、なるべく誇張も美化もせずに…設定を誠実に深めることで、この物語の底上げにつなげていきたいと考えていました」

――放送がスタートしてから、話が進むごとに反響が大きくなっていることを感じます。皆さんの反応をどう捉えていますか?
「まずは率直にほっとしています。原作が素晴らしく、多くの方に愛されている作品なので、発表前まで主演のお二人もとても緊張されていたんです。“受け入れていただけるか”というところはわれわれも同じ気持ちでしたので、原作ファンの方からの『湊と静真がいる!』というリアクションは本当に素直にうれしいですし、その衝撃に負けない作品になったと思っています」
――私自身、キャストの発表までワクワクと共に少しの不安もありましたが、本作のキービジュアルを見た瞬間に感じた「これだ」という衝撃は今でも忘れられません。
「実写化するにあたり、湊と静真の物語の美しさや繊細さ、ときめきのようなものを映像に閉じ込めたいと監督陣もおっしゃっていて。原作もドラマもビビッドなシーンから始まりますが、感情のやりとりはとてもピュアで、純粋にお互いがひかれ合っていくさまが描かれます。そういうこの作品の本質、クリアな雰囲気をキービジュアルにも載せられたらいいなと思っていました」

――お二人のビジュアル面においては、どのような部分に重きをおいていたのでしょうか。
「湊と静真に関しては、“原作から出てきたようなビジュアル”を追求しました。そのため、静真のヘアカラーに関しては実は何度も試行錯誤し、今の色にたどり着いています。そして、湊は派手な洋服を着ていることが多く、ともすればチャラく見えてしまうので、決してそうならないよう、丁寧に話し合って進めていきました」
――これまでさまざまな名シーンが展開しました。撮影を経て、丹羽さんの中で特に心に残っているシーンとその理由を教えてください。
「一つ挙げるなら、7話の最後のシーンです。この作品を作っていく中で、“誰かを信じることが救いになる”というメッセージを描きたいと思っていて、裏切られることに対して臆病になっていた2人が唯一無二の相手と出会い、信じ合っていく…その過程をしっかり描きたいと考えていました。その中で、7話の最後はお互い信じ合い始めた2人の心がすれ違う様子が描かれたのですが、実はこのシーンの撮影中、2人の心の距離に比例するかのように突然雨が降り始めたんです。しかも、最初はポツポツ程度だったのがだんだん激しくなり、最後は雨の中で1人たたずむ静真の絵を撮ることができて。離れていく2人の気持ちがまさに絵に乗り、鳥肌が立つほどに素晴らしいシーンになりました。このシーンがあるからこそ、8話以降の2人の心の結び付きがより深く感じられると思います」

――あの雨が偶然のものだったとは驚きです。本当に悲しく切ない別れの場面でしたが、今のお話を聞いて、今後に向けてより期待が膨らみました。
「湊と静真のかわいらしいシーンももちろん好きで、樹と翔平と4人でそろうシーンはテンションが上がりました。特に、5話の公園でのダブルデートは、素直になれずソワソワしている湊と静真、うまくいっていてラブラブな樹と翔平という対比を描けて、見ていてワクワクしましたし、ドキドキしていただけるシーンになったと思っています。湊が翔平に諭されたり、静真が樹にヒントをもらったり…湊と静真の物語において、樹と翔平の存在は重要なアクセントでもありますが、5話はその温かさを感じる瞬間がたくさんありました。また、撮影中は皆さん仲が良くとても楽しそうにされていて。スタッフの皆さんともコミュニケーションを取り、和気あいあいと進めていたのも印象的でした」

――ダブルデートのシーンをはじめ、丹羽さんが特にキュンとした、視聴者の皆さんにあらためてお薦めしたいシーンを挙げていただくと?
「もうお薦めのシーンしかないのですが(笑)、中盤くらいまでで挙げるなら3話でしょうか。遊園地でのデートもそうですし、ホテルでケーキを食べるシーンは湊の優しさと静真のかわいらしさも出ていて…。(4話で)翌朝、もんもんとしながら起きてきた湊に静真が『おはよう』とほほ笑みかけるところから、静真が湊の好きなところをいくつも挙げていくところはキュンキュンしましたし、なんだかうらやましくなりました(笑)。湊が静真だったら信じていいのかもしれないと思い始める、この一連の流れの2人がとても好きで、皆さんにもぜひ何度も楽しんでいただきたいです」

――全話を通し、キスシーンやラブシーンにおける美しさ、はかなさもこの作品の魅力の一つだと思います。
「ありがとうございます。まずお二人ご自身が見え方を追求してくださり、その美しさを最大限に引き出そうと、画角やライティングなど、スタッフ陣も毎シーンこだわって撮影していました。特に監督陣は、現場で原作を読みながら『このシーンはこの角度で撮りたい』と細かく考えてらっしゃって、『原作で見たシーンだ!』と感動したシーンがいくつもあります。また私自身、これまでたくさんのBLドラマを見てきた中で魅力に感じた“想像できる余白を残す”というところは、今回編集していく中でこだわった部分です。余白があるからこそ感じられる美しさを大切に、“描き過ぎない”というところがこの作品では一貫してあったのかなと思っています」

――今あらためて感じる、NAOYAさんが演じるからこその湊の魅力を教えてください。
「湊の揺れ動く心情を、本当に繊細に演じてくださいました。湊は言っている言葉と取っている行動が違うことがあり、一つ間違えると理解できなくなってしまうのですが、そんな彼の心の揺らぎをNAOYAさんの持ち前の感性で丁寧に表現してくださって。原作を初めて読んだ時、“湊はどんどんかわいくなっていくな”と思っていたのですが、NAOYAさんが演じる湊に対しても話を追うごとにいとおしさが募っていって、静真がほれてしまうのも分かるなと。NAOYAさんにしかできない、絶妙なお芝居で湊を体現していただいたと思っています」

――続けて、冨田さんが演じる静真はいかがでしょうか?
「冨田さんも、想像以上の静真を演じてくださって…。特に、湊に対する愛情深さという点では、本当にうそがないキャラクターになりました。それはお芝居だけでなく、冨田さんご自身の人間性があってこそ。冨田さんに演じていただいたことで、静真というキャラクターがより魅力的になったと思っています。そして何より、NAOYAさんと冨田さんの仲の良さ、その関係性が湊と静真の一瞬一瞬のたたずまいにも表れていて、“お二人をキャスティングして本当に良かった”と感じました」

――最後に、お二人に対して、俳優として感じた魅力を教えてください。
「NAOYAさんは、その豊かな感受性をミリ単位で表情に乗せることができる方。普段さまざまな音楽を表現されているのもあるのかなと思うのですが、撮影中に監督陣から何かヒントをもらうと、それがすぐにお芝居に投影されるんです。『お芝居するのがすごく楽しい』と現場で何度もおっしゃっていたのですが、私もぜひまたNAOYAさんのお芝居が見たいです! また、冨田さんのお芝居の魅力はとにかく自然体でいられるところだと思います。あとお芝居に対して謙虚で常に努力を止めないので、撮影期間中も急速にどんどん成長されて…。監督たちが“良くなり過ぎて、最初の頃に撮ったシーンとつながらなくなっちゃうかも”と驚いていたほどです。何事にもとても真摯(しんし)に向き合う冨田さんと一緒にお仕事をしていると、こちらもエネルギーをもらえましたね。可能性に満ちあふれたお二人と『セラピーゲーム』でご一緒できたことは宝物のような経験でした。さらなるご活躍を楽しみにしています!」

【番組情報】
ドラマ「セラピーゲーム」
日本テレビ(関東ローカル)
水曜 深夜0:59~1:29
※FODにて先行独占配信、TVerにて見逃し配信。Huluにて放送終了後1週間後から配信。
取材・文/TVガイドWeb編集部
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