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「能面検事」大西流星、若手事務官役に挑戦! 関西弁の演技では自身の中にアンミカを召喚!?2025/07/14 05:00

「能面検事」大西流星、若手事務官役に挑戦! 関西弁の演技では自身の中にアンミカを召喚!?

 上川隆也さんが“能面検事”と呼ばれるエース検察官・不破俊太郎役で主演を務める連続ドラマ「能面検事」(毎週金曜午後9:00)。この作品で、スーツに身を包み、若手事務官・前田拓海を演じるのがなにわ男子大西流星さん。「23歳の自分に事務官役が来るとはビックリ!」と語る大西さんにとって、役作りや関西弁での演技はとても新鮮な様子。上川さんをはじめとする大先輩に囲まれながらの撮影について、俳優としての自身の意識の持ち方について、大いに語ってもらった。

──大阪地検の事務官役を演じることになり、どのようなお気持ちでしたか?

「これまで、学生役はたくさん演じてきましたが、徐々にお仕事ドラマをやれるようになってきて。私生活ののんびりした緩さとのギャップもあって『大西流星でも固い役をやってもいいんだ』といううれしさがありましたね(笑)。大人になってきたんだなという実感がありました」

──撮影に入る前に準備したことなどはありましたか?

「事件を扱うドラマはこれまでも見てはいましたが、どちらかというと、平和な作品や恋愛ものの作品を見ることが多かったんです。なので今回、あらためて検事が出てくる作品や事件ものをたくさん見ました。そういう作品を見ながら、若手事務官の立ち回りや仕事に対する姿勢を勉強して。今まで自分の中になかった要素ばかりなので、すごくいいスパイスとなって自分を成長させてくれている気がします」

──兵庫県出身の大西さんですが、関西弁でのお芝居は珍しいとのこと。本領発揮といったところでしょうか。

「持ち前の関西弁を生かせるといううれしさはありますが、お芝居となると標準語しか使ってこなかったので、リハーサルの時、『このワード、標準語になっていたよ』と監督に言われたことがあったんです。『関西人としてなんてことをしているんだ!』と、自分で自分をたたきたくなりました(笑)。それからは、『マシマシの関西弁でいかないと!』と思うようになって、撮影が始まる前に自分の中にアンミカさんを召喚してセリフを読む練習をしています。なので、『大西、いつもより関西弁強くない?』と思う方もいるかもしれませんが、それはアンミカさんを召喚しているからです(笑)。それと、役柄的にはすごく明るいキャラクターでもあるので、テンションを上げながらお芝居に向き合っているという理由もあると思います」

「能面検事」大西流星、若手事務官役に挑戦! 関西弁の演技では自身の中にアンミカを召喚!?

──(仁科睦美役の)観月ありささんも関西弁のセリフに初挑戦されているそうですが、アドバイスを送ることは?

「あります! 東京出身の観月さんが僕以上に大変な挑戦をされているのを見ると、『リードしないと!』っていう気持ちになるんです。関西弁指導の講師の方もいるのですが、その方よりも先に『こうですよ』と言っている自分がいて。講師の方の仕事を奪ってしまっている感じがして申し訳ないなと思いながら、自分の地元の言葉だという誇りを持って、楽しみながらアドバイスさせていただいています」

──関西弁でのお芝居を通して、新たな自分を発見した部分はありますか?

「標準語でお芝居をしている時よりも声が低くなっているのかな。キャピキャピした関西弁ももちろんありますが、明るくしゃべると普段の自分みたいな感じになっちゃう気がして、スイッチを入れ替えるためにも、自然と言葉が響きやすいトーンになっているのかも。もしかしたら、スーツを着ていることも影響しているのかな。声帯まで締められているのかもしれません(笑)」

「能面検事」大西流星、若手事務官役に挑戦! 関西弁の演技では自身の中にアンミカを召喚!?

──スーツ姿も新鮮ですが、ご自身ではそのスタイルはどう感じていますか?

「普段スーツを着る機会が少ないからこそ、スーツを着ると背筋が伸びる感じがしますよね。スーツのCMをしているので、しっかり着こなさないと!(笑) なので、今回の役では、ヘアスタイルをセンター分けにして、“ザ・爽やか公務員”を意識しています」

──センター分けのスタイルはどなたのご提案でしたか?

「メークさんと『こういう髪形もありだよね』と話し合いました。表情も見えやすいし、普段の自分の感じとは違って、よりスーツが似合うスタイルかなと思っています」

──専門用語の多いセリフも新たな挑戦の一つかと思いますが、どうやって克服していますか?

「台本に振り仮名が振られているわけではないので、分からない言葉はスマホで調べて台本にメモをすることの繰り返しです。しかも、自分のセリフだけではなく、相手のセリフにも分からない言葉がたくさん出てくるので、それも全部調べて。そうしないと、物語の内容がだんだんかみ合わなくなってしまうんですよ。それと、読み方やイントネーションは現場に行ってみないと分からないので、皆さんと話しながら確認しています」

──現場はとても和やかで楽しい雰囲気だと伺いました。

「上川さんがすごくフレンドリーで、いろいろ話しかけてくださるんです。でもその分、カメラが回り始めてからの表情にビックリするんですよ。どっちが本当の上川さんなんだろうと思うぐらい、一気に表情を消して役に入られるので。あらためてすごい役者さんだなと思いましたし、生で触れることでそのすごさをより強く感じています」

「能面検事」大西流星、若手事務官役に挑戦! 関西弁の演技では自身の中にアンミカを召喚!?

──上川さんとの共演で、印象に残っているエピソードがあったら教えてください。

「『検事ものの作品だから固くなりがちだけど、前田くん(大西)や仁科さん(観月)の関西弁が作品を和ませる面白いシーンになると思う。そこは頼みますよ』と言ってくださいました。僕自身は、しっかり筋を通して演じようと考えていたのですが、上川さんのその言葉があったからこそ、リラックスして面白いお芝居ができると思うようになったんです。なので、そのお言葉がすごくうれしかったです」

──明るいキャラクターだという前田と自分に感じる共通点はありますか?

「先輩の背中を見ていろいろ吸収していくという姿勢は似ているかもしれないですね。僕も、先輩の姿をたくさん見てきて、皆さんに引っ張っていただく立場だったので。僕、年上の方と話すのがすごく好きなんです。経験を重ねている先輩方には聞き上手な人が多い印象もあって、お芝居のことはもちろん、学べることがたくさんあるんです。先輩方に囲まれるともちろん緊張しますけど、僕自身、年上の方と打ち解けるスピードは早い方かもしれないですね」

──あらためて、大西さんが感じる本作の見どころを教えてください。

「『能面検事』というワードがすごく強くて、一体どういうことなんだろう? と思いながら原作を読み進めたんです。その名の通り、上川さん演じる不破検事が、表情一つ変えず、誰に対しても感情を動かさずに事件に向き合う姿がすごくカッコいいなと思ったんです。事件を解決するためにそういった表情をしている不破検事はプロフェッショナルだなと思いますし、ただ事件を解決するドラマではなく、ひと癖ある、新鮮味のある作品です。シリアスなストーリーも展開しますが、ギャップのある部分もあるので、楽しみにしてほしいですし、僕自身、ワクワクする気持ちが大きいです」

「能面検事」大西流星、若手事務官役に挑戦! 関西弁の演技では自身の中にアンミカを召喚!?

【プロフィール】
大西流星(おおにし りゅうせい) 
2001年8月7日生まれ。兵庫県出身。18年よりアイドルグループ・なにわ男子のメンバーとして活動、21年11月に「初心LOVE(うぶらぶ)」でCDデビューを果たす。俳優としてドラマや映画にも数多く出演しており、映画「恋を知らない僕たちは」(24年)では主演を務めた。

【番組情報】
ドラマ9「能面検事」
テレ東系
毎週金曜 午後9:00~9:54
※Prime Videoで見放題独占配信
ネットもテレ東、TVer、Leminoで見逃し配信

取材・文/TVガイドWeb編集部



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