「虎に翼」骨太スピンオフが完成! 土居志央梨×戸塚純貴、よねと轟の絆は「運命」2026/02/27 19:00

NHK総合で3月20日に放送される連続テレビ小説「虎に翼」のスピンオフドラマ「山田轟法律事務所」(午後9:30)の完成会見が行われ、主人公・山田よね役の土居志央梨、轟太一役の戸塚純貴、制作統括の尾崎裕和氏が登壇した。
「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の一人をモデルに、困難な時代を生き抜いた女性の半生を描いた2024年度前期のNHK朝ドラ。土居が演じた山田よねは、主人公・寅子(伊藤沙莉)と法律を学ぶ同期であり、鋭い正義感と不器用な優しさを併せ持つ女性弁護士。戸塚演じる轟太一は、そのよねとともに上野の片隅で山田轟法律事務所を構えるバディであり、本編でも屈指の人気を誇るコンビとして視聴者から愛された。
スピンオフとなる本作では、本編では描かれなかったよねと轟の戦後の軌跡、そして事務所設立までの知られざる経緯が描かれる。空襲で傷を負ったカフェ燈台のマスター・増野(平山祐介)との関わり、生き別れた姉・夏(秋元才加)との再会、そして憲法第14条との出合いを経て、よねが絶望の淵から立ち上がるまでが骨太につづられる。
制作統括の尾崎氏は冒頭のあいさつで、「朝ドラの放送から1年以上たっての、仕切り直しでのスピンオフはとても珍しいことだと思う」と率直に認めながら、「そういうスピンオフが作れたのも、視聴者の方々と、盛り上げていただいたメディアの皆さんのおかげ」と感謝の言葉を口にした。「ファンがすごく見たかったんじゃないかな」と話す表情には、作品への自信がにじんだ。
完成した作品を見た感想を問われた土居は、「ホッとしました」と素直な言葉で振り返る。「本編からかなり時間が空いての撮影でしたし、山田よねに戻れるのかなと思いながら撮影に入ったんですけど、1年間本編で築き上げてきたものは大きかったんだなと思うくらい、あっという間に当時の感覚に戻れた」と明かす。
戦後の上野を舞台にした撮影では、セットに広がる混沌とした光景に圧倒されたという。「いろんな人種の人がいて、飢えている人も、きれいな格好をしている人も、物乞いをしている人も、子どもも、たくさんいて。そこに立っているだけでもとてもエネルギーを使いましたし、本当に覚悟を決めてやったという感じでした」と、撮影の重さを静かに口にした。

特に印象深かったのが、マスター・増野(平山)とのシーン。「リハーサルからもう感情があふれ過ぎちゃって、梛川(善郎)監督に止められるくらい。『頑張れ、ここは落ち着け』って言われるくらい、ちょっともうどうしようもなくなっちゃって」と告白。「本編では描かれなかったんですけど、マスターの存在がよねにとっていかに大きかったかということが、このスピンオフではとても描かれるので、今も思い出してちょっと苦しくなっちゃうんですけど」と、よねの心情に寄り添いながら演じ続けていたことを語った。
本作のクランクインについては、笑いを交えながら2人が当時を振り返る。本編撮影中にスピンオフを望む声を互いに漏らしていたという土居と戸塚だが、当初思い描いていたのはまったく異なる作品像だったという。「スピンオフやりたいよねって言っていたのは、山田轟法律事務所の日常みたいな、身近な事件を解決していくみたいな、そういうイメージだったよね」と土居が話すと、戸塚も「そうですね、本当に。ワンシチュエーションコメディーみたいな、人には言えないちょっと小さな悩みを抱えた人たちが来るみたいな」と続け、顔を見合わせて笑った2人。
「こんなにハードなスピンオフになるというのは全く想像していなくて、そこはちょっと驚きもあった」という土居だが、「想像で補っていた部分が全部明確になることで、よねの解像度が自分でも上がって。腑(ふ)に落ちたところがいっぱいあって、それはスピンオフをやらなかったら分からなかったことなので。改めて、よねってかっこいいなと思いましたし、また勇気をもらいましたね」と目を細める。
撮影中は常によねの世界に入り込んでいたようで、「客観的にどうなっているのかを撮影中まったく感じられなかったというか、私は一体どうなっているんだろうとずっと思いながら撮影をしていて……大丈夫かな、大丈夫じゃない? みたいな(笑)」と苦笑い。完成した作品を試写で見て、「とても力強い物語、作品になっているなと思って、少し安心できた」と胸をなで下ろした。

戸塚は、撮影中から「スピンオフができたらいいな」と話していたという夢が実現したことに、「本当に多くの方に愛されている作品なんだなということを改めて感じました。設定上、第14条への思いとか、どういうことがあったのかというお話は本編では描かれていないので、僕自身はあまり知らなかったわけですよ。今回初めて知ることができて、とても感動しました」と述懐し、「意外と轟が仕事している姿って本編ではあまり出てこなくて、やっと弁護士らしい姿をこのスピンオフで描いていただいたので、すごくうれしかったです」と目を輝かせる。
轟のバックストーリーについては、「復員してから最愛の友達が亡くなっていたという事実に絶望して、戻ってきたはいいけど何をしたらいいか分からないという状態だった」とひもとき、「その中で山田よねとの出会いで、亡くなった友の分も自分はしっかり生きていくんだという気持ちにつながったんだと思います」と、轟の転機を丁寧に言葉にした。
よねと轟が互いをパートナーに選んだ理由を問われると、土居は「よねはもう心に決めたんだなということが腑に落ちた。自分はそういう人たちを救い続ける、平等な世界を目指していくということを、神に誓ったわけじゃないですけど、もう心に決めてやっている人なんだなということが、今回とてもよく分かったんですね」と力を込める。「誓ったらこの人が現れたじゃないですけど、この人と一緒に生きていくんだというのを、その瞬間にすべて悟ったんじゃないかなと思って。だから、事務所をやろうと、よねから言い出したのかなというのは、今回すごく感じました」と2人の出会いの必然を読み解く。
戸塚は轟の側から、「本当の自分を無意識に隠しながら生きてきたところがあって。仮面をかぶっていた自分もどんどん保てなくなってきたタイミングで、決意を固めたよねと出会ったので、本当に導いてくれた人だなと思って」と受け止め、「この人だったら人に言えなかったことも自然と言葉が出てきたりとか、一生のパートナーとしてこれからも共にいけるんだという勇気を与えてくれた人」と、よねへの信頼を言葉に乗せた。「一人ではきっと法律事務所をやるという決断に至らなかったと思います」と締めくくった戸塚に、土居が「運命」と添えると、「運命ですね」と戸塚もうなずいた。

本編以来となる2人の再会はどんなものだったのか。スピンオフ決定の知らせを受けた時の2人のやりとりを問われると、会見は一気に和んだ。「スピンオフが決まって……」と土居が切り出すと、「深い話は……」と戸塚が続き、「全然していないですね(笑)」と土居。やりとりといえば「『やばくない?』みたいな」(戸塚)に、「『最高だよね、イエイ!』ってLINEをして」(土居)、スタンプを交えた「『やったね』『すごくない?』みたいな、3回くらいのラリーで。『頑張ろうね』って」というあまりにひょうひょうとしたものだったと明かし、会場を沸かせた。
戸塚は「感動はしていましたけどね。共有できる人がもちろん一人しかいないから」と補い、「そういうよい意味での変わらなさはあるかもしれません」と顔をほころばせる。土居も「いつも一定の距離感でしゃべれる人というか。よねと轟もそうですし、私たちも2人そうというか、すごく居心地がいい感じで」と重ね、戸塚も「信頼もすごくしているので、改めて身構えることもなく」とほほ笑んだ。
撮影現場でも、その空気はそのままだったそうで、土居は「『あ、もうこの感じだったな』って、すぐ戻れたというか。『ここってこういうふうにどうする?』というのも本編の時から1回もそういう話をしたことがなくて、勝手に出来上がっていったものなんですけど、今回もその感じで、すごくリラックスしてできました」と笑顔をのぞかせる。
また、梛川(善郎)監督の演出についても話が及び、「梛川さんが面白がって、轟とかにちょっとむちゃぶりみたいなことをするんですけど、そういうのを楽しむ時間みたいな感じでした」と土居。戸塚も「自分が思っていないことを梛川さんは投げかけてくるので、それはすごく楽しいというか、新しい発見をいつもくださるんです。自然と梛川さんが演出してくれる時は声が大きくなるというか、轟のように大きな声で演出をつけてくれるので、そこで気合が入った感じがありましたね」と振り返った。

本編放送から1年以上がたち、視聴者の声を積み重ねてからの撮影だったことで、演じる気持ちにも変化があったと土居は言う。「子育てしながら一緒に見ていましたというお母さんからたくさん手紙をいただいたりして、この作品がそんなにも支えになっていたんだということを改めてひしひしと感じていたので。この一言がもしかしたら誰かの救いになるかもしれないという思いが、本編のときよりもだいぶ増していて。セリフの一言一言をすごく大切に演じていかないとという思いが深まっていた」と力説し、「空いてしまったなという気持ちもあったけど、それだけの時間があってからの、この骨太なストーリーだったので、それを演じるには必要な時間だったのかもしれない」と打ち明けた。
戸塚も「周りの反応を聞く機会がたくさんあって、だからこそ勢いではなく冷静さもありながら、作品に対しての責任みたいなものも違ったと思います。このスピンオフをやるということの意義のある作品になって良かったなと、心の底から思います」ときっぱり。
最後に見どころと視聴者へのメッセージを問われると、土居は「このスピンオフはもう立ち上がる物語だと思うので、絶望からなんとか這い上がっていく人たちを見て、元気とか勇気をもらっていただけたら。どれだけ苦しくて生きるのがとっても大変でも、なんとかまた人は立ち上がることができるという話だと思います」と声に力を込めた。戸塚も「激動な時代背景があるんですけど、人を思ったり心が動いたりすることは現代にも置き換えられる内容になっていると思いますし、少しでも誰かの背中を押せるような作品になってくれたら」と願いを託した。

関連リンク
この記事をシェアする
ドラマガイド(最新シーズン)Drama Guide Season
【2026年春】TVドラマガイド
2026年の4月・5月・6月にスタートする春ドラマを曜日別の一覧で見やすく紹介!
朝ドラ「風、薫る」、鈴木福&あの「惡の華」、岡田将生&染谷将太「田鎖ブラザーズ」のW主演作品や、堤真一が27年ぶりに日曜劇場主演で話題の「GIFT」ほか、BS&WOWOWの新ドラマの情報を総まとめ☆
作品の出演者、主題歌や追加キャスト、あらすじ、記者会見リポートなどの最新情報を随時追加更新中!
【2026年冬】TVドラマガイド
現在放送中の冬ドラマを曜日別でまとめて掲載!
大河ドラマ「豊臣兄弟!」や日曜劇場「リブート」、松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」、K-POP業界が舞台の「DREAM STAGE」、竹内涼真&井上真央共演「再会~Silent Truth~」のほか、BS&WOWOWの新ドラマを含め、2026年の1月・2月・3月に放送する作品の出演者、主題歌や追加キャスト、最新のあらすじ、記者会見リポートなど随時更新!















