クラシック界の若き才能を追ったギャラクシー賞受賞作「カルテットという名の青春」映画化!2026/03/27 07:00

4月3日よりシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開される映画「カルテットという名の青春」。本作は、2011年にBS朝日で放送され、第49回ギャラクシー賞など数々の賞を受賞したドキュメンタリー番組「カルテットという名の青春」を、劇場版として再編集したもの。2026年4月に開催される「ジュピター・カルテット・ジャパン再会コンサート」と、続編番組制作決定を記念して映画化が実現した。
登場するのは、当時若くしてその才能を認められた4人の音大生(植村太郎/ヴァイオリン、宮田大/チェロ、佐橘マドカ/ヴァイオリン、原麻理子/ヴィオラ)。“ジュピター・カルテット・ジャパン”を結成した彼らは、猛練習を重ね、「日本若手最高のカルテット」と称されるまでに成長していく。しかし、自信を胸に挑んだミュンヘン国際音楽コンクールでは、一次審査敗退というまさかの結果に。大きな挫折を経た4人は、“世界”に通用する音を求めて再び歩み始める。

全国公開に先駆けて行われた先行上映では、東京・菊川の映画館Strangerに浅野直広監督と出演者が登壇。当時の裏側を語る舞台あいさつが実施された。TVガイドWebが参加した2月13日の回では、浅野監督と宮田大による“意外なエピソード”も飛び出した。
驚かされたのは、浅野監督が当初クラシック音楽に強い興味を持っていたわけではなかったということ。ハンセン病元患者を取材したドキュメンタリーなど、社会派の作品も多く手がける監督のもとに、プロデューサーから「カルテットを撮ってみないか」という打診があったものの、最初は断ろうと思ったという。しかし最終的に引き受けた理由について、「大ちゃんを始め、4人の音楽に向き合う姿勢を見ていて心が動いた。“この人たちが向かう場所を見届けたい”“彼らの真っすぐな思いを撮りたい”という直感がありました」と明かす。「クラシック音楽に詳しくなくても、結局は“その人の気持ち”を撮りたいかどうか。この4人をちゃんと見たいと思えたことが出発点です」と振り返った。そもそも浅野監督は、インタビューなどで「人間を撮ることがドキュメンタリー監督の仕事」と言い切っている。そのポリシーが「ジュピター・カルテット・ジャパン」の4人に刺激されたのだろう。

そんな浅野監督が率いるクルーに密着された宮田は、「いやだと思ったこともあったと思いますけど(笑)、浅野監督は“仕事として撮っている”という感じがしなかったんです。僕らカルテットには“音で対話したい”という気持ちがあって、それが監督にも通じていたのかなと思います」と本音を明かす。
さらに宮田は、撮影当時の監督について「毎回会うたびに“どうしようかな、どうしようかな”と言っていました」と回想。「シナリオがない中、その瞬間に起きることと向き合い、どう物語を構築していくか考えてくださっていた。もしコンクールで優勝して、日本で凱旋ツアーをする結末だったら“きれいな物語”になったのかもしれません。でもそうはならなかった。それでも思い描いた場所とは違う地点に着地しながら、多くの“神髄”を届ける作品になったと思います」と監督の思いをくみ取る。
宮田は「カルテット」後、2013年にソロでドイツ・クロンベルクアカデミーを首席で卒業。小澤征爾氏からの高い評価を受け、ヨーロッパの権威ある音楽賞「OPUS KLASSIK」を受賞するなど、現在はチェロ界を代表する存在へと成長を遂げている。間もなく40歳を迎える現在は、桐朋学園大学の特任教授として後進の指導にもあたっている。「カルテット」から15年、映画化や続編制作に至るまで浅野監督との縁が切れなかったことも、“先の見えないドキュメンタリー”そのもののようだ。
舞台あいさつの最後、宮田は「音楽は“聞くだけ”ではなく“体験できるもの”。この映画でその体験をしてもらえたらうれしいです」とコメント。一方の浅野監督は「撮影側は音楽家ではありませんが、“一生懸命打ち込むこと”の大切さが伝わったらとてもうれしい」とその思いを語った。
撮る側と撮られる側、立場も年齢も歩む世界も異なる二者が、心の奥に共通して持つ“情熱”で共鳴したからこそ、15年を経て再び交わった。その軌跡に、ぜひ劇場で触れてほしい。
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